【MLBドラフト】2022ドラフトレビューCIN編

上位10人の簡易レポと総括になります。

凡例
ラウンド(全体指名順位) 名前(Name):ポジション:投打:身長/体重:出身校:契約金額(ボーナススロット)
簡易レポ


1(18) キャム・コリアー(Cam Collier):3B:右投左打:6-2/210:Chipola College:$5M($3.66M)
本来は23年ドラフトクラスだったが、アーリーエントリー。強靭な下半身に支えられたシンプルなスイングでラインドライブの打球を飛ばす。パワーは平均以上だが、無理に長打を狙わない冷静なアプローチが光る。スピードは平均以下。それでも守備では投手として95マイルをマークするアームと打球反応のよさを見せる。


1C(32) サル・スチュワート(Sal Stewart):3B:右投右打:6-3/215:Westminster Christian School:$2.1M($2.37M)
がっしりとした体格通りのパワーポテンシャルの高さが最大の魅力。軽々とバットを扱い、さく越えの打球を連発することもできる。特に内角のボールに強く、速球にも力負けしない。スピードは平凡だが、身体能力自体は低くなく、キャリアの序盤は3Bに留まることができるだろう。


2(55) ローガン・タナー(Logan Tanner):C:右投右打:6/215:Mississippi State :$1.03M($1.37M)
打撃ではパワーポテンシャルの高さが魅力。がっしりとした体つき通りのパワーを打席で披露し、シーズン20HRも夢ではない。ヒッティングツールはイマイチで単調になることもあるが、アプローチは悪くなく出塁率は稼げる。守備では耐久性の高さとブロッキングに高評価を得る。アームも滅法強いが、それに頼りがちでフットワークがおろそかとも。


CBB(73) ジャスティン・ボイド(Justin Boyd):OF:右投右打:6/201:Oregon State:$847.5K($901.3K)
打撃、守備ともにソリッドなハイフロアーなタレント。打撃では、成熟したアプローチと無理に長打を狙わないアプローチで常にハイアベレージをマーク。長打数は少ないが、パワーポテンシャルを買う声はある。スピードは平均を少し上回る程度だが、優秀な走塁スキルで果敢に次の塁を狙う。守備での動きも悪くなくCFを守ることもできる。


3(94) ブライス・ハバート8Bryce Hubbart):LHP:左投左打:6-1/181:Florida State:$522.5K($649.9K)
90マイル前半の速球とスライダー、カーブ、チェンジアップのコンビネーション。速球は最速で96マイルをマーク。ノビのある4シームをゾーンの際にコマンドよく投じる。ベストピッチは縦に割れるカーブ。昨夏に習得したスライダーも投げ始めたばかりとは思えないほどのクオリティ。スターターとしてサイズ不足な点が不安なところ。


4(123) ケニャ・ハギンズ(Kenya Huggins):RHP:右投右打:6-3/215:Chipola College:$407.5K($488.3K)
90マイル前半の速球とスライダーのコンビネーション。速球は最速で96マイルをマーク。ゆったりとしたデリバリーから投じられるため、打者はタイミングを取りにくい。アウトピッチは鋭く曲がるスライダー。低めにコマンドすることができており、空振りを奪いやすい。サードピッチの向上と全体的なコントロール改善が課題。


5(153) ケイド・ハンター(Cade Hunter):C:右投左打:6-2/200:Virginia Tech:$362.1K($364.6K)
2年間故障で出場機会に恵まれずも、体調万全の今年にブレーク。シンプルなスイングで強烈な打球を弾き飛ばし、シングルでもその打球速度が注目されるほど。一方で、空振りが多くプロ入り後もハイアベレージを残せるかは疑問。アームは平均レベルだが、送球の不安定さが祟り盗塁阻止率は低調。ブロッキング等基本的なスキルにも欠けており、Cには長く留まれないか。


6(183) ザック・マクスウェル(Zach Maxwell):RHP:右投右打:6-6/275:Georgia Tech:$222.5K($279.7K)
90マイル中盤の速球とスライダー、カーブ、チェンジアップのコンビネーション。速球は最速で101マイルをマークするもムービングに乏しく、球速ほど空振りを奪えていない。変化球のクオリティも悪くないがそれらを全て台無しにするほどコントロールが悪い。


7(213) トレイ・フォルティン(Trey Faltine):SS:右投右打:6-2/198:Texas:$200K($219K)
打撃ではパワーポテンシャルを見せる一方で、雑なアプロ―チとプルハッピーな点が足を引っ張り低打率に苦しむ。守備では運動量の多さとスムーズなステップ、アームの強さを武器にハイライトリールの常連クラス。将来像は下位打線で一発を狙う守備型ユーティリティか。


8(243) クリス・マクエルベイン(Chris McElvain):RHP:右投右打:6/205:Vanderbilt:$175.7K($178.2K)
90マイル前半の速球とスライダー、カーブ、チェンジアップのコンビネーション。速球は最速で95マイルをマーク。ノビのある4シームは空振りを奪える球種。アウトピッチはスライダー。曲がりの大きな緩いタイプと、小さく曲がるスピードのあるタイプを使い分ける。チェンジアップはまずまず。強いボールを投げようとしてかフルエフォートなデリバリーのため、コントロールにばらつきがある。


総括
 全体1桁で消えると目されていたキャム・コリアーをまさかのスチール。大幅なオーバースロットとなりましたが、打撃だけならタマー・ジョンソンや、なんなら全体1位のジャクソン・ホリデイにも負けない能力の持ち主だけに大枚をはたいた価値はあるでしょう。
 1巡目で大きいオーバースロットがありましたが、その後は過度にアンダースロットを狙うことなく、少しずつけずって多くのタレントの確保に成功しました。野手では打球速度の速さではトップクラスのサル・スチュワートとケイド・ハンターが気になる選手。いずれもプロでのポジションがどこに落ち着くのか先行き不透明な点はネックです。
 投手ではブライス・ハバートの指名も好印象。派手さはないものの安定してイニングを消化することができるスターターが理想像です。






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