【MLBドラフト】2024ドラフトレビューKC編

6上位10人の簡易レポと総括になります。

凡例
ラウンド(全体指名順位)　名前(Name):ポジション:投打:身長/体重:出身校:契約金額(ボーナススロット)
簡易レポ

1(6)　ジャック・カグリオン(Jac Cagliaone):1B/LHP:左投左打:6-5/250:Florida:$7.5M($7.21M)

今ドラフトで最も評価の高い二刀流選手。打撃のベストツールはパワー。多少ゾーンから外れたボールでも強烈なハードヒットを打ち返すことができる。ゾーン近辺だと外れたボールにも手を出してしまうアプローチに難あり。ピッチングでは100マイルの速球と横滑りするスライダー、スピードを殺したチェンジアップのコンビネーションを披露。コマンドはイマイチ。

2(41)　デビッド・シールズ(David Shields):LHP:左投両打:6-2/210:Mt. Lebanon HS:$2.3M($2.28M)

90マイル前半の速球とスライダー、チェンジアップのコンビネーション。速球は最速で94マイルをマーク。エクステンションに優れるデリバーからノビのある4シームを投じる。大きく曲がるスライダーがアウトピッチ。高校生にしてはコントロールが優秀で高低内外を投げ分けるコマンドも上々。身体能力も高くアップサイドは非常に大きい。

3(76)　ドリュー・ビーム(Drew Beam):RHP:右投右打:6-4/208:Tennessee:$1.1M($1.03M)

90マイル中盤の速球、カーブ、スライダー、チェンジアップのコンビネーション。速球は最速で98マイルをマーク。コマンドに長けているがムービングに乏しいのかなかなか空振りを奪えていない。ベストピッチはカーブ。スピン量・変化量共に多くカウント球にもアウトピッチにも使える。チェンジアップも上々。

4(105)　L.P.ランゲビン(L.P.Langevin):RHP:右投右打:6-2/225:University of Louisiana at Lafayette:$597.5K($696.3K)

90マイル前半の速球とスライダー、チェンジアップのコンビネーション。速球は最速で97マイルをマーク。球速よりも利き手側に食い込みながら浮き上がる軌道を見せるムービングに高い評価を得ている。ほぼこの速球で投球を組み立てており、変化球は見せ球にしか使わない。プロでもリリーフとしての登板が中心となるだろう。

5(138)　AJコウジー(AJ Causey):RHP:右投右打:6-3/210:Tenneessee:$477.5K($505K)

90マイル前半の速球とカーブ、チェンジアップのコンビネーション。速球は最速で93マイル程度。不用心にゾーンに投げ込み痛打されることも多い。ベストピッチはチェンジアップ。サイドハンドの腕の軌道と真逆に大きく沈むムービングは打者の左右を問わず空振りを奪える球種。スピン量の多いカーブもアウトピッチとして使えるクオリティ。ストライクスロワーで四球で自滅することはない。

6(167)　タナー・ジョーンズ(Tanner Jones):RHP:右投右打:6-2/195:Texas A&M:$379.6K($382.1K)

90マイル中盤の速球とスライダー、チェンジアップのコンビネーション。速球のスピン量は非常多くリリーフとして使えば化けるかも。

7(197)　デニス・コレラン(Dennis Colleran):RHP:右投右打:6-3/225:Northeastern:$247.5K($297.7K)

90マイル後半の速球とスライダー、スプリットのコンビネーション。速球は最速で100マイルをマーク。球速は文句なしだがムービングに乏しく、コンタクトされやすいのが難点。アウトピッチのスライダーは小さく鋭く曲がり容易に空振りを奪える。2年前にトミー・ジョン手術を受けた。

8(227)　ニック・コンテ(Nick Conte):RHP:右投右打:5-10/200:Duke:$157.5K($235.9K)

9(257)　キャニオン・ブラウン(Canyon Brown):C:右投右打:6-1/190:North Carolina A&T:$197.5K($200.6K)

10(287)　ネイト・アッケンハウゼン(Nate Ackenhausen)LHP:左投左打:6-2/256:LSU:$47.5K($186.2K)

総括

　全体6位と早い指名順位でしたが、それでも今年の大学生ではトップ5に数えられるジャック・カグリアオンを指名できたのはスチールと言っていいでしょう。ローパワーならチャーリー・コンドンにも負けず劣らずでシーズン40HRも夢ではないでしょう。投手としてはおまけ程度に見ていた方がいいかもしれません。
　1巡目以降の大学生はほとんど投手を指名。そのうちプロでもスターターとして投げられそうなのはドリュー・ビームくらいで、残りはリリーフとしての起用が中心となりそうです。AJコウジーも大学ではスターターとしての起用が中心でしたが、リリーフとして起用した方が好成績を残せるでしょう。
　唯一の高校生となったデビッド・シールズのスペックは他の高校生投手に比べると見劣りしますが完成度の高さは頭一つ抜きんでており、ここ数年順調に育っている高校生投手の後に続くことができるタレントです。