【MLBドラフト】2022ドラフトレビューPHI編

上位10人の簡易レポと総括になります。

凡例
ラウンド(全体指名順位) 名前(Name):ポジション:投打:身長/体重:出身校:契約金額(ボーナススロット)
簡易レポ


1(17) ジャスティン・クロフォード(Justin Crawford):OF:右投左打:6-3/175:Bishop Gorman HS:$3.89M($3.79M)
父親は元メジャーリーガーのカール・クロフォード。父親譲りの俊足で塁上やCFを所せましと駆け回る。打撃でもとにかくインプレーになりさえすれば何かが起こるといった期待を持たせてくれる。ただ当てるだけでなく、ハードヒットを飛ばす意識もあるが現時点ではパワーは平均かそれ以下。


3(93) ガブリエル・リンコネスJr(Gabriel Rincones Jr):OF:右投左打:6-4/225:Florida Atlantic:$627.5K($660.1K)
昨年短大で21試合連続安打を達成し、今年NCAAディビジョンⅠの大学にトランスファー。成績を落とすことなく、自慢の打撃を見せた。サイズ通りのパワーポテンシャルを有しており、シーズン2桁HRは堅い。変化球にあっさりと空振りしてしまい三振は多め。スピード・アーム共に平凡。

4(122) アレックス・マクファーレン(Alex McFarlane):RHP:右投右打:6-4/215:Miami:$575K($493K)
90マイル中盤の速球とスライダーのコンビネーション。速球は最速で99マイルをマーク。安定してスピードを出すことができる馬力を有している。ベストピッチはスライダー。鋭く小さく曲がり、容易に空振りを奪うことができる。テークバックの大きなデリバリーは安定せず、コントロール・コマンド共に不安を抱えている。


5(152) オリオン・カーケリング(Orion Kerkering)RHP:右投右打:6-2/204:South Florida:$322.5K($368.3K)
90マイル中盤の速球とスライダーのコンビネーション。果敢にストライクゾーンに速球を集めて、変化量とキレを併せ持つスライダーで仕留めるピッチングスタイル。大きく鋭く曲がるスライダーは魔球の域にあり、左打者の足に当たるほどの変化でも空振りしてしまうほど。チェンジアップも投げるがクオリティはイマイチで、リリーフリスクを抱えている。


6(182) メイビス・グレイブス(Mavis Graves):LHP:左投左打:Eastside HS:6-6/205:$247.5K($282K)
90マイル前半の速球とスライダー、カーブ、チェンジアップ。速球は最速でも93マイル程度だが、シュート気味に浮き上がるムービングの評価は高い。サイズを考えると今後さらに球速が速くなることも期待できる。カーブの扱いが上手く、速球との緩急で打者のタイミングを外す。


7(212) ケイレブ・リケッツ(Caleb Ricketts):C:右投左打:6-4/225:University of San Diego:$218.8K($220.6K)
力感のない柔軟なスイングでコンタクトスキルの高さを見せる。今年はパワーツールで成長を見せ、評価を急激に上げた。早打ちなため、四球も三振も少な目。守備では改善の一途をたどっているが、レギュラーとしてCを任せられるほどではないか。


8(242) アレックス・ラオ(Alex Rao):RHP:右投右打:6-4/230:Notre Dame:$72.5K($179K)
90マイル中盤の速球とチェンジアップのコンビネーション。速球は最速で99マイルをマーク。激しいムービングを見せるが、コマンドすることができず空振りを奪うことができていない。


9(272) チャド・カスティーヨ(Chad Castillo):OF:右投左打:6-4/225:California Baptist University:$22.5K($160.8K)


10(302) グスタボ・ソーサ(Gustavo Sosa):C:右投右打:6-2/203:South Mountain CC:$72.5K($151.8K)


11(332) エマリオン・ボイド(Emaarion Boyd):OF:右投右打:6-1/177:South Panola HS:$647.5K
ベストツールはビリー・ハミルトンとも比較されるスピード。右打者にもかかわらず一塁への到達スピードはトップクラスで、転がせば出塁のチャンスが大きく広がる。ただ、打席では当てるだけでなくハードヒットを飛ばす意識もある。守備では広いレンジがウリだが、致命的なアームの弱さと判断ミスの多さが気になるところ。


総括
 1巡目のジャスティン・クロフォードはドラフト前に評価大きく上げた俊足のOFということで、16年のミッキー・モニアックを思い出す指名となりました。モニアックはドラフト当時とは全く違うタイプの選手に仕上がりましたが、クロフォードは如何に。
 その後の野手指名でクロフォードを一回りスケールダウンさせたようなエマリオン・ボイドを指名。この手のタイプの野手に何か光明を見出しているのでしょうか。大学生ではケイレブ・リケッツが気になる存在。持ち前のコンタクトスキルにパワーツールが加わり鬼に金棒状態。ポジションが悪い意味で流動的になるかもしれませんが、無理にCとして使って大きなマイナスになるよりかはいいでしょう。ガブリエル・リンコネスJrもスリーパーとして注目に値します。
 投手はアレックス・マクファーレンやオリオン・カーケリング等一芸に秀でたタイプを多く指名。大学生はいずれもリリーフリスクが高いですが、逆にリリーフに専念すれば大きな戦力になりそうです。唯一の高校生投手であるメイビス・グレイビスはスケールの大きさを感じられます。
 





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