【MLBドラフト】3年後...2019ドラフトレビューWSH編

目ぼしい選手を5人(場合によっては4人)ピックアップして、ドラフトから3年経った選手達の活躍を見ていきます。

凡例
ラウンド(全体指名順位) 名前(Name):ポジション:投打:身長/体重:出身校:契約金額(ボーナススロット)
簡易レポ
成績


1(17).ジャクソン・ラトレッジ(Jackson Rutledge):RHP:右投右打:6-8/240:San Jacinto JC:$3.45M($3.61M)
最速100マイルオーバーの速球とスライダー、カーブ、チェンジアップのコンビネーション。速球はイニングが進んでもスピードを落とさずに投げることができる。4シーム系と2シーム系を投げ分けるが、ムービングはスピードほど安定していない。かつてはスラーブを投げていたが、スライダーとカーブに分けて投げることでキレが増した。チェンジアップは要改善。過去に股関節を痛めている。良くも悪くもハードワーカー。

成績

 プロ入り後も故障に悩まされており、昨年は肩の故障でシーズンの大半をILで過ごすことになりました。復帰したAFLではかつてほどのスピードが出ず、打ち込まれるハメになります。今年は復活が待ち望まれましたが、最速でも96マイル程度しか球速が上がらずAでも防御率4.90とまともに抑えることができない状態。速球以外にはスライダーしかプラスの評価を得ておらず、コントロールも特筆すべきものではないため先発として投げ続けるのは厳しいでしょう。


3(94).ドリュー・メンドーサ(Drew Mendoza):右投左打:6-5/225:3B:Florida State:$800K($618.2K)
出塁能力の高さがウリであるヒッティングプロスペクト。大振りをせずとも強烈な打球を飛ばすことができ、パワーも十分。辛抱強いアプローチで四球を多く選ぶが、一方で三振も多く、今後の課題である。高校時代から守備が危ぶまれており、SSから3Bに移ってもそれは変わらず。

成績

 プロデビューイヤーはいきなりAスタートにもかかわらずOPS.760とまずまずの成績を残し期待されましたが、昨年はA+-AAでOPS.633で打率はギリギリ2割を上回る程度と不調を極めます。長打もほとんど出ず13二塁打&9HRと大学時代のパワフルさは消え失せています。今年は再度A+からのスタートで心機一転かと思いきやほとんどの項目で昨年を下回る体たらくに終わりました。
 辛抱強くボールを待つスタイルはプロでも変わりなくBB%は高いのですが、K%が30%越えと待ちすぎてカウントを悪くしている可能性も高いです。
 元々守備の評価は低かったためか、昨年から1Bをメインに守っていますが1Bでこの打撃成績では日の目を浴びることはないでしょう。


4(123).マット・クロニン(Matt Cronin):LHP:左投左打:6-2/200:Arkansas:$464.5K($464.5K)
90マイル中盤の速球とカーブのコンビネーション。速球はスピンのきいた4シーム。アウトピッチとして使う落差のあるカーブはキレがよく空振りが奪えるボール。豪快なデリバリーは短いイニングを全力で投げる仕様のため、先発転向は厳しい。今シーズンコントロールを乱している点は気になるところ。

成績

 今年は課題だったコントロールで進歩を見せており、プロではベストの数字となるBB/9=3.8でフィニッシュ。既にAAAでも34試合に投げており、来年中のメジャーデビューは間違いないでしょう。
 カタログスペックも大学時代からそれほど変わっておらず、ハマればセットアッパー/クローザーレベルのリリーフになるかもしれません。


9(273).ハンター・マクマホン(Hunter McMahon):RHP:右投右打:6-3/185:Texas State:$152.6K($152.6K)
90マイル前半の速球とチェンジアップ、カーブのコンビネーション。速球は最速で94マイルをマーク。シンカー系のため、ゴロを打たせやすい。カーブよりもチェンジアップの評価が高い。トミー・ジョン手術の経験がある。プロでは主にリリーフとして投げている。無駄がないシンプルに投げ下ろすデリバリーが特徴。

成績

 20年オフにトレードへとMINに移籍しましたが、昨年は故障で長期離脱しわずか5試合の登板に終わりました。復帰した今年はA-A+で主にプレーし、43試合に登板しました。シーズン終盤に昇格したAAで炎上してしまいましたが、A-A+では内容/結果共に素晴らしく、期待の持てる成績でした。故障による長期離脱がなければメジャーまであと一歩のところまで来ていたかもしれません。


総括
 1巡目のジャクソン・ラトレッジはベストツールの速球がスケールダウンしてしまっており、長所を見出しにくい投手になってしまいました。ムービングが衰えておらず、スライダーのキレもそのままならリリーフとして使っていく道はありますが、いかんせん故障体質のため無事にフルシーズンを過ごせるのが何回あるかは見通しが立ちません。
 以降の指名も凄惨たる様相。3巡目のドリュー・メンドーザは大学時代の面影が消え失せてしまっています。このようなタイプは低打率でもそれなりに長打数を残すといったパターンが多いのですが、長打数さえ平均以下のレベルに成り下がってしまっておりラトレッジ同様長所を見出せません。
 かろうじて下位指名のリリーフが2人好成績を残している以外はほぼ全滅のドラフトとなっています。


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