【MLBドラフト】2021ドラフトレビューCIN編

上位10人の簡易レポと総括になります。

凡例
ラウンド(全体指名順位) 名前(Name):ポジション:投打:身長/体重:出身校:契約金額(ボーナススロット)
簡易レポ


1(17) マット・マクレイン(Matt McLain):SS:右投右打:5-11/180:UCLA:$4.63M($3.61M)
ヒッティングスキルに高い評価を得るピュアヒッター。足を上げずにタイミングをとり、いずれの球種にも対応する。パワーは平均かそれ以下だが、ギャップを抜くレベルには有している。この手のタイプにしては辛抱強いアプローチで、四球も多い。守備はスキルに問題はないが、スペックが足りずSSは厳しいか。


CP(30) ジェイ・アレン(Jay Allen):OF:右投右打:6-3/190:John Carroll HS:$2.4M($2.37M)
無駄の少ないスイングと反応のよさで速球を確実に仕留めるヒッティングが魅力。持ち前のパワーを試合でも発揮することと、変化球に対するもろさが課題だったが、徐々に改善されつつある。スピードはずば抜けているわけではないが、積極的に次の塁を狙う姿勢を見せる。ただ、将来的にはスピードが落ちると予測され、ポジションもCFからRFになるだろとも。


CBPA(35) マシュー・ネルソン(Matheu Nelson):C:右投右打:5-11/209:Florida State:$2.1M($2.1M)
ハイペースでHRを打ち注目を集めている攻撃型C。がしっりとしたフレームからくり出されるパワフルなスイングが魅力。極端なプルヒッターなため打撃が単調になりがちなところと三振の多さが懸念材料。守備では目立った部分はないと言われながらも、盗塁阻止やブロッキングなど基礎は固く、よく言えばソリッドなディフェンダー。


2(53) アンドリュー・アボット(Andrew Abbott):LHP:左投左打:6/180:Virginia:$1.3M($1.37M)
90マイル前半の速球とカーブ、チェンジアップのコンビネーション。速球は最速で95マイルをマークすることもあるが、コマンド重視で投げるため基本は92~3マイルに抑えている。ベストピッチはパワーカーブ。どのタイミングでも投げ込みストライクを稼いだり、空振りを奪ったり、見せ球にしたりと用途は多彩。今年から先発に転向。そのための準備として取り組んでいたチェンジアップ習得とスタミナ作りが功を奏し、スターターとしても問題はなさそう。


3(89) ホセ・トーレス(Jose Torres):SS:右投右打:6/171:NC State:$622.5K($667.9K)
ハイレベルなSS守備が最大の武器。スピードは平凡だが、アームの強さ、送球の正確性、レンジ、ハンドリングいずれをとっても一級品で長くSSに留まるために必要なものを全て兼ね備えている。打撃では空振りが目立つ点が気がかりなところ。パワーも平均以下なため、どこか打撃で強みを見出せないとレギュラークラスとしては厳しいか。


4(119) ルーベン・イバラ(Ruben Ibarra):1B:右投右打:6-5/290:San Jose State:$172.5K($483K)
典型的な肥満体型の1B。巨体の見た目通りプラスのパワーツールと、しっかりとアベレージを残せるヒッティングツールを併せ持つ。守備走塁は皆無で1Bもまともに守れるか怪しいところ。


5(150) トーマス・ファー(Thomas Farr):RHP:右投右打:6/203:South Carolina:$297.5K($357.1K)
90マイル中盤の速球とカーブ、チェンジアップのコンビネーション。速球は最速で97マイルをマーク。ノビのある4シームで空振りを狙えるボール。アウトピッチは縦に割れるカーブ。鋭く曲がるタイプで、見る人によってはスライダーとも表現できるほど。チェンジアップはカウント球として使う。故障歴があることと小柄なサイズから先発として残れるかは微妙なところ。平凡なコントロールも懸念材料。


6(180) ジャスティス・トンプソン(Justice Thompson):OF:右投右打:6-4/205:North Carolina:$250K($272.5K)
彗星のごとく現れた5ツールプレイヤー候補。打撃では強烈なスイングでハードヒットを飛ばすパワーが魅力。空振りを恐れず積極的にスイングを仕掛けるため三振が多いが、本人はあまり気にしてない様子。持ち前のスピードは走攻守全てで活かされており、何をしていようが目が離せないプレースタイル。


7(210) ケビン・エイベル(Kevin Abel):RHP:右投右打:6-1/190:Oregon State:$172.5K($213.3K)
90マイル前半の速球とカーブ、チェンジアップのコンビネーション。速球は最速でも95マイルと球威不足だが、ハイクオリティなチェンジアップと合わせて打者のタイミングを外す。縦に割れるカーブもカウント球としては有効。フレッシュマンから先発に中継ぎと大車輪の活躍だったが、それがたたってトミー・ジョン手術を経験している。コンスタントに四球を出すコントロールの悪さが足を引っ張っている。


8(240) ハンター・パークス(Hunter Parks):RHP:右投右打:6-4/187:Florence-Darlington Tech:142.5K($172.1K)
90マイル前半の速球とスライダー、チェンジアップのコンビネーション。速球は最速で95マイルをマーク。コンスタントにたたき出せる点は強みだが、フラットな軌道になりがち。ブルペンでは98マイルを出したことがあるため、いずれ実戦でも近い球速を出せるようになるかもしれない。アウトピッチのスライダーと滅多に投げないチェンジアップのいずれもクオリティを上げたいところ。コントロールは悪くないが、コマンドはイマイチ。惜しいところが多いが、ポテンシャルは高い。


総括
 1巡目では今ドラフトの大学生でも屈指のピュアヒッターであるマット・マクレインを指名。ニック・センゼルやジョナサン・インディアといった打撃が優秀な大学生野手1巡目指名を踏襲する指名と言えるでしょう。センゼルやインディアと同じように守備に不安がある点も踏襲してしまっているのがなんとも惜しいところです。
 大学生野手は他に3人指名。中でもマシュー・ネルソンは1巡目で消えてもおかしくはないパワーバットで、数年後メジャーを騒がせる存在になっていても不思議ではないでしょう。上位10人では唯一の高校生指名となったジェイ・アレンのポテンシャルも青天井と野手は楽しみなタレントが揃いました。
 野手に比べるとPの指名は格落ちになってしまいますが、経験と実力は大学生Pでもトップクラスのアンドリュー・アボットやケビン・エイベルを指名しており、最低限のタレントは確保されています。






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