【MLBドラフト】2022ドラフトレビューHOU編

上位10人の簡易レポと総括になります。

凡例
ラウンド(全体指名順位) 名前(Name):ポジション:投打:身長/体重:出身校:契約金額(ボーナススロット)
簡易レポ


1(28) ドリュー・ギルバート(Drew Gilbert):OF:左投左打:5-9/185:Tennessee:$2.5M($2.62M)
小柄ながらもバットスピードの速いパワフルなスイングを見せる。最低でも平均レベル、キャリアハイでシーズン30HRを狙えるパワーポテンシャルを見せる。何にでも手を出すアプローチが打率が伸びない一因だったが、今年は改善された。スピードは平均より少し上レベルだが、反応の速さなどでカバー。投手も務めることもあるため、アームは非常に強い。派手なパフォーマンスを好むムードメーカー。


2(64) ジェイコブ・メルトン(Jacob Melton):OF:左投左打:6-3/208:Oregon State:$1M($1.1M)
ヒッティングツールの高さがずば抜けているアベレージヒッター。計算されたアプローチとスムーズなスイングでヒットを量産。パワーツールも平均かそれ以上あり、打撃では隙が少ない。長打が増えた分空振りも増えたことが懸念材料か。スピードは平均以上で、隙あらば次の塁を陥れる。CFを守れるスペックも有しているが、他に候補がいるのであればRF/LFに移ろう。


2C(80) アンドリュー・テイラー(Andrew Taylor):RHP:右投右打:6-5/190:Central Michigan:$807.2K($807.2K)
90マイル前半の速球とチェンジアップ、スライダーのコンビネーション。速球は最速でも94マイルだが、スピン量の多さと球持ちのいいデリバリーのおかげで浮き上がるようなムービンを見せる4シームを投じられるため球速に関わらず空振りを奪うことができる。ベストピッチはチェンジアップ。スライダーのコマンドも優秀。


3(103) マイケル・ノアー(Michael Knorr):RHP:右投右打:6-5/245:Coastal Carolina:$487.5K($594.6K)
90マイル前半の速球とスライダー、カーブ、チェンジアップのコンビネーション。今年所属大学を変更しブレーク。球速が上昇し、現在では最速96マイルをマーク。シュート気味に右打者の内へと食い込みながらノビていくムービングを見せる。全ての変化球でストライクを稼ぐことができ、滅多に四球は出さない。


4(133) トレイ・ドンブロウスキ(Trey Dombroski):LHP:左投右打:6-5/235:Monmouth University:$443.9K($443.9K)
80マイル後半の速球とスライダー、カーブ、チェンジアップのコンビネーション。速球は最速でも92マイルと明らかに球威不足だが、卓越したコマンドでカバー。滅多に四球を出すことがなく、不利なカウントでもコーナーに投げ分けることができる。チェンジアップ、スライダーともにアウトピッチとして使えるクオリティにある。


5(163) ノーラン・デボス(Nolan Devos):RHP:右投右打:6/185:Davidson:$197.5K($331.6K)
90マイル前半の速球とスライダーのコンビネーション。速球は最速で96マイルをマーク。ノビのある4シームをゾーン内に投げ込んでカウントを稼ぐ。アウトピッチのスライダーは縦方向に大きく曲がり容易に空振りを奪える球種。大学最終年にスターターとしてローテーションを守ったが、球種の少なさとサイズを考えるとリリーフ再転向が現実的か。


6(193) コリン・プライス(Collin Price):C:右投右打:6-6/205:Mercer:$122.5K($257.5K)
大学最終年に大ブレークを果たし注目の的となった。優秀なピッチセレクションとコンタクトスキルを併せ持ち、そこにサイズ通りのパワーも加わりハイレベルな打撃を見せる。一方で、守備の評判は芳しくなくパートタイム的にCに入ることはあっても本職とはならないだろう。


7(223) A.J.ブルバー(A.J.Blubaugh):RHP:右投右打:6-2/180:Milwaukee:$172.5K($202.9K)
90マイル前半の速球とスライダー、カーブ、チェンジアップのコンビネーション。速球は最速で97マイルをマーク。高校時代から大幅に体重を増やして球速を上げており、今後さらに速くなる可能性を秘めている。ノビのある4シームはアウトピッチとして多用するほど空振りを奪える球種。スライダー、カーブはコマンドに難あり。


8(253) タイラー・ガルフォイル(Tyler Guilfoil):RHP:右投右打:6-4/215:Kentucky:$122.5K($170.3K)
90マイル前半の速球とスライダーのコンビネーション。ノビのある4シームでゾーンの隅をついてカウントを稼ぐ。スピードを殺したスライダーで上手く緩急をつけている。大学では支配的なクローザーとして君臨しており、プロ入り後もその役目は変わらないだろう。


9(283) ブレット・ギリス(Brett Gillis):RHP:右投右打:6-2/215:University of Portland:$97.5K($157.2K)


+1
11(343) ライアン・クリフォード(Ryan Clifford):OF:左投左打:6-3/200:Crossroads FLEX HS:$1.26M
打撃に関しては隙を見せないヒッティングタレント。高校生離れした優秀なピッチセレクションで、無駄なスイングを仕掛けることが少ない。スムーズなスイングで確実に仕留めることができる。パワーポテンシャルも非常に高く、最低でもシーズン20HRは可能だろう。スピードは平凡だが、アームは強く、ルートラン等の改善にも取り組んでおり最低でもOFには残れそう。


総括
 1巡目のドリュー・ギルバートはアプローチで成熟し、この指名順位にふさわしいどころか少し過小評価ではないかと思えるほどの選手となりました。プロでもパワーツールが通用するのかは少し不安が残りますが、それ以外でプラスをたたき出せるので心配は不要でしょう。
 その他の野手ではジェイコブ・メルトンやコリン・プライスといった大学での成績が華々しいタレントはもちろんですが、なんといっても11巡目指名のライアン・クリフォードが最大の目玉。打撃のポテンシャルだけなら1巡目のギルバートを上回るほどで、11巡目としては破格の契約金も能力を考えると安いくらいです。
 投手ではハイクオリティな4シームを投げるタレントを多く指名。いずれもスピンレートの説明がなくとも映像を見れば一目で優秀な4シーマーと分かる逸材。下位指名はリリーフタイプが多いですが、優秀なリリーフはいくらいても困らないうえに、クリフォードの契約金捻出に一役買ったと思えば無駄な指名ではないでしょう。





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