【MLBドラフト】2021ドラフトレビューCHC編

上位10人の簡易レポと総括になります。

凡例
ラウンド(全体指名順位) 名前(Name):ポジション:投打:身長/体重:出身校:契約金額(ボーナススロット)
簡易レポ


1(21) ジョーダン・ウィックス(Jordan Wicks):LHP:左投左打:6-3/220:Kansas State:$3.13M($3.13M)
90マイル前半の速球とスライダー、カーブ、チェンジアップのコンビネーション。球速は平凡だが、ハイクオリティのチェンジアップとコントロールのよさでカバー。チェンジアップのクオリティは今ドラフトでもトップクラスで右打者も苦にしない。ストライクゾーンを完全に把握しており、滅多に四球を出さない。馬力不足だけが欠点。


2(56) ジェームズ・トリアントス(James Triantos):3B:右投右打:6-1/195:James Madison HS:$2.1M($1.28M)
元々は来年のドラフトクラスだったがアーリーエントリー。来年まで待てば1巡目指名も得られたのではないかというほどのポテンシャルの持ち主で、特に打撃で異彩を放つ。優れたヒッティングツールとピッチセレクションは高校生離れしている。パワーはまだまだこれからだが、それでも時折スラッガーとしての片鱗を見せる。守備ではアームの強さが魅力だが、身体能力に欠けており、SSではなく3Bで活躍することになるだろう。


3(93) ドリュー・グレイ(Drew Gray):LHP:左投左打:6-3/190:IMG Academy:$900K($627.9K)
90マイル前半の速球とスライダー、チェンジアップのコンビネーション。速球は最速で94マイルをマーク。ノビのある4シームで今後さらに速くなると予想されているが、現時点では球速帯の不安定さが目立つ。アウトピッチのスライダーはハマればキレのあるハイクオリティなボールだが、すっぽ抜けることもしばしば。チェンジアップも発展途上。昨夏以前は野手としての方が評価が高かったこともあり、投手経験が浅い部分が目立つが、アップサイドの大きさはずば抜けている。


4(123) クリスチャン・フランクリン(Christian Franklin):OF:右投右打:5-11/195:Arkansas:$425K($464.5K)
小柄ながらもコンパクトなスイングでハードヒットを飛ばすことができるパンチ力が魅力。あまりにも多い三振数が気になるところ。打撃での成長も著しいが、最大の武器は身体能力の高さ。持ち前のスピードを活かし、凡打でも内野安打にすることができる。守備でもレンジの広さは一級品だがルートランに不安を残す。アームは平凡なため、守備で確実にプラスの数値を出すにはRF/LFが適正だろう。


5(154) リアム・スペンス(Liam Spence):SS:右投右打:6-1/190:Tennessee:$135K($343.4K)
コンタクトスキルに長けたオーストラリアン。打席ではとにかく空振りせずインプレーとなるように心がけているため三振が少ない。粘り強いアプローチで四球を多く選ぶこともできる。一方で、当てるだけのスイングになることが多く、長打は少ない。スピードは平均以上で、SS守備もそつなくこなす。


6(184) ライリー・マーティン(Riley Martin):LHP:左投左打:6-1/215:Quincy University:$1K($263.7K)
90マイル前半の速球とカーブのコンビネーション。速球は最速でも93マイル程度だが、スピンがきいておりノビのあるボール。アウトピッチのパワーカーブと組み合わせて大量の三振を奪う。コントロールが悪く、サードピッチに欠けているためリリーフ向き。大学時代は三振を奪った相手に手を振るパフォーマンスで話題に。


7(214) パーカー・チェバース(Parker Chavers):OF:右投左打:5-11/185:Coastal Carolina:$125K($206.5K)
本来は昨年がドラフトイヤーだったが、故障と短縮シーズンで出場がなく指名漏れに。元々パワフルなスイングでコンタクトを犠牲に長打を狙うアプローチだったが、今年はコンスタントにヒットを狙う方向にシフトチェンジ。その分長打が減ってしまい、効果としては微妙なところ。スピードとキャノンアームを活かしたCF守備に高評価を得ていたが、肩の故障もありアームには期待できないか。


8(244) ケイシー・オプティス(Casey Optiz):C:右投両打:5-11/200:Arkansas:$90K($168.5K)
マイナーリーグでもプレーしていた投手の兄仕込みのC守備に高い評価を得ている。特にフレーミングに優れており、ストライクを稼ぐ一助となっている。また、中腰とは思えないほどなめらかな動きでブロッキングや牽制もこなす。大学生にしては珍しく、コーチの指示なしで投手をリードしていた野球IQの高さを持つ。打撃では出塁しようという努力はうかがえるが、てんで打てずレギュラークラスは厳しいか。


9(274) チェース・ワトキンス(Chase Watkins):LHP:左投左打:6-4/215:Oregon State:$125K($152.3K)
90マイル前半の速球とカーブ、スライダーのコンビネーション。速球は最速でも93マイル程度。スピンのきいたカーブで空振りを奪うリリーフ。


10(304) ピーター・マット(Peter Matt):OF:右投右打:6-2/220:Duke:$5K($143.9K)
今年所属大学とともにアプローチを変え、出塁重視のコンタクトヒッターから、積極的に長打を狙うスラッガータイプにモデルチェンジ。その分三振が増えたのはご愛敬。


総括
 1巡目で大学生Pのジョーダン・ウィックスを指名。より上位で指名されるとの予想していましたが、大学でシーズン終盤に失速したのが響いたようです。とはいえ、実力はトップクラスであることに間違いなく、ソリッドなスターターとして活躍することになるでしょう。
 その後Pを3人指名。唯一高校生Pとなったドリュー・グレイはポテンシャルを買われており、同じLHPでもウィックスとは別の意味で楽しみなタレントです。
 野手ではやはり高校生のジェームズ・トリアントスに注目したいです。アーリーエントリーをしなければ来年のドラフトでより上位で消えていたことは間違いなく、将来が楽しみです。クリスチャン・フランクリンとケイシー・オプティスの2人のアーカンソー大学出身の野手も台風の目にはならずとも今後をフォローするだけの価値は秘めているでしょう。






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