【MLBドラフト】2022ドラフトレビューCLE
上位10人の簡易レポと総括になります。
凡例
ラウンド(全体指名順位) 名前(Name):ポジション:投打:身長/体重:出身校:契約金額(ボーナススロット)
簡易レポ
1(16) チェイス・デロウター(Chase DeLauter):OF:左投左打:6-4/235:James Madison University:$3.75M($3.94M)
卓越したヒッティングツールと規格外のパワーポテンシャルを兼ね備えた打撃を見せるスラッガー。教科書通りとも表現されるスイングでハードヒットを量産する。ピッチセレクションも優秀でBB>Kとなるのはもはや当然というレベル。サイズの割にスピードはある方だが、CFを守るには心許ないか。RFとしてならPも務めるキャノンアームと正確なルートランでプラスの数字を出せるとも。シーズン途中で足を骨折し、その後復帰はしなかった。
CBA(37) ジャスティン・キャンベル(Justin Campbell):RHP:右投右打:6-7/219:Oklahoma State:$1.7M($2.1M)
90マイル前半の速球とスライダー、カーブ、チェンジアップのコンビネーション。速球は最速でも94マイルと速くはないが、ノビのある4シームを投じることができる。変化球はいずれもコマンドできるが、クオリティ自体は平均レベル。デセプションに優れた安定感のあるデリバリーのためコントロールに長けている。
2(54) パーカー・メシック(Parker Messick):LHP:左投左打:6/225:Florida State:$1.3M($1.41M)
90マイル前半の速球とスライダー、カーブ、チェンジアップのコンビネーション。速球は最速でも93マイルとスピード不足は否めないが、サイドよりもさらに少し低いアングルのデセプションに優れたデリバリーでカバー。ベストピッチはチェンジアップ。ボール自体のクオリティもさることながら、どこにでもコマンドすることができる優秀な球種。スライダーも左打者へのアウトピッチとして有効活用している。
3(92) ジョー・ランプ(Joe Lampe):OF:右投左打:6-1/185:Arizona State:$800K($670.2K)
オフに肉体とスイングの改造に成功。ギャップヒッターからパワフルなスイングでHRもコンスタントに打てるパワーヒッターにモデルチェンジ。それでいてBB>Kのアプローチを維持する優秀なピッチセレクションは健在。平均以上のスピードで外野を所狭しとカバーするCF守備も魅力。2Bの経験もあるが、より守備でプラスを出すならCFの方がいいだろう。
4(121) ネイト・ファーマン(Nate Furman):2B:右投左打:5-9/180:UNC Charlotte :$300K($497.9K)
徹底したゾーン管理とコンタクトスキルの相乗効果で高打率・高出塁率を実現させている。パワーツールは皆無だが、スピードは優秀で二塁打/三塁打を走塁で稼ぐことができる。アームは平凡なため、2Bが主戦場。
5(151) ガイ・リプスカムJr(Guy Lipscomb Jr):OF:右投左打:6-2/195:Belmont University:$275K($371.8K)
打撃ではコンタクトスキルに優れ、マイナーカンファレンスとはいえドラフトイヤーに打率.400超えを達成。優秀なスピードも有しており、内野ゴロでもヒットにすることができる。打球速度自体はそれほど速くなく、長打は少なめ。スピードに支えられた広いレンジをカバーするCF守備も優秀。
6(181) ディラン・デルーシア(Dylan DeLucia):RHP:右投右打:6-1/205:Ole Miss:$275K($284.2K)
90マイル前半の速球とスライダーのコンビネーション。速球は最速95マイルをマーク。球速自体は平凡だが、ノビのある4シームで空振りを奪うことができる。コマンドも優秀。カレッジワールドシリーズに進むプレーオフの中で大車輪の活躍を見せ一気に評価を上げた。
7(211) ハビアー・サントス(Javier Santos):RHP:右投左打:6/190:Georgia Premier Academy:$125K($222.4K)
90マイル中盤の速球とカーブのコンビネーション。速球は最速で98マイルをマーク。全体的に粗削りでデリバリーも安定せず。昇格には時間がかかりそう。
8(241) ジャクソン・ハンフリーズ(Jackson Humphries):LHP:左投右打:6-1/200:Fuquay-Varina HS:$600K($180K)
90マイル前半の速球とスライダー、カーブ、チェンジアップのコンビネーション。速球は最速で96マイルをマーク。昨夏から5マイル近く速くなっており、今後もさらに速くなる可能性を秘めている。スライダー/カーブはどちらも高い評価を得ており、ストライクを稼げる球種。チェンジアップは要改善。
9(271) オースティン・ピーターソン(Austin Peterson):RHP:右投右打:6-6/234:Connecticut:$125K($161.2K)
90マイル前半の速球とスライダー、チェンジアップのコンビネーション。速球は最速でも93マイル程度だが、優秀なコマンドでゾーンの隅を突くことができる。曲がりの大きいスライダーもコマンドすることができ、アウトピッチとして高いクオリティを誇る。球威がなく被本塁打は多め。
+1
10(301) ジェイコブ・ジビン(Jacob Zibin):RHP:右投左打:6-4/218:TNXL Academy:$1.2M($152K)
90マイル中盤の速球とスライダー、チェンジアップのコンビネーション。元々は23年のドラフトクラスだったが、アーリーエントリー。最速97マイルの4シームはノビがあり空振りを奪いやすい。スライダー、チェンジアップ共にアウトピッチに足る球種で、高校生離れしたブレーキングボールのコマンドも見せる。安定してストライクを稼げればスターターとして投げられるだろう。
総括
1巡目のチェイス・デロウターは今ドラフトでも屈指の出塁マシーン。パワーツールも上位で指名されたブルックス・リーやザック・ネトを上回っており、故障とマイナーカンファレンスのマイナス面に目を向けなければ美味しい指名となりました。
以降の野手指名も似たような選手を指名しており、ネイト・ファーマンやガイ・リプスカムはデロウターからパワーツールを取り除いたような選手。元々ピッチセレクションに優れた小兵を好んで指名していましたが、スティーブン・クワンの活躍により二匹目のどじょうを狙っているようにも見えます。
投手では今ドラフトでも最もソリッドな左右の大学生投手2人を上位で指名。こういったソリッドな大学生を大きく跳ねさせることに定評があるので、両名共どのようなキャリアを歩むか楽しみです。
下位では逆にハイシーリングな左右の高校生投を2人指名。契約金額は下位とは思えないほどずば抜けているのも当然でしょう。特にジェイコブ・ジビンはかなりのローテーション上位に定着できるポテンシャルを持っていると感じています。
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