【MLBドラフト】2021ドラフトレビューLAA編

上位10人の簡易レポと総括になります。

凡例
ラウンド(全体指名順位) 名前(Name):ポジション:投打:身長/体重:出身校:契約金額(ボーナススロット)
簡易レポ


1(10) サム・バックマン(Sam Bachman):RHP:右投右打:6-1/235:Miami University:$3.85M($4.95M)
90マイル中盤の速球とスライダー、チェンジアップのコンビネーション。元々90マイル前半程度だった球速が、半年で最速100マイルをたたき出すようになり評価もうなぎ上り。右打者の手元に食い込みながら浮かび上がる速球は脅威と言っていいだろう。小さく縦に曲がるスライダーとチェンジアップのクオリティも高く、奪三振能力は高い。コントロールに不安を抱えていたが、難なくストライクを取れるようになってきており、欠点がなくなりつつある。


2(45) カイ・ブッシュ(Ky Bush):LHP:左投左打:6-6/240:St. Mary's College:$1.75M($1.65M)
90マイル中盤の速球とスライダー、カーブ、チェンジアップのコンビネーション。速球は最速で96マイルをマーク。ノビがあり空振りを奪えるボール。これに縦に割れるスライダーを組み合わせ大量の三振を奪う。スライダーに続くサードピッチに欠けており、将来はリリーバーとして活躍することになりそう。


3(80) ランドン・マルセウ(Landon Marceaux):RHP:右投右打:6/179:LSU:$767.8K($767.8K)
90マイル前半の速球とスライダー、チェンジアップのコンビネーション。速球は最速で94マイルをマーク。高校時代から球速はさほど伸びなかったが、持ち前のコントロールには磨きがかかり、ピンポイントへのコマンドは優秀。チェンジアップ、スライダーとも扱いに長けており、よりハイフロアーなスターターへと進化した。無駄がなく、シンプルなデリバリー。


4(110) ルーク・マーフィー(Luke Murphy):RHP:右投右打:6-5/190:Vanderbilt:$750K($527.8K)
90マイル中盤の速球とカーブのコンビネーション。速球は最速で99マイルをマーク。球速が出なくとも非常にノビのある4シームで空振りを奪える。アウトピッチのパワーカーブも優秀なボール。コントロールがアバウトなため先発転向は考えられないだろう。


5(141) ブレット・ケリー(Brett Kerry):RHP:右投右打:6/213:South Carolina:$297.5K($390.4K)
90マイル前半の速球とスライダーのコンビネーション。速球は最速で95マイルをマーク。コンスタントに最速をたたき出すことができる。ノビのある4シーム系で速球でも空振りを奪える。アウトピッチのスライダーともどもストライクゾーンに投げ続けるピッチングスタイル。


6(171) ジェイク・スミス(Jake Smith):RHP:右投右打:6-4/190:Miami:$247.5K($293.8K)
90マイル前半の速球とスライダー、チェンジアップのコンビネーション。速球は最速で97マイルをマーク。リリーフでの登板が多かったが、先発しても最速をたたき出せる馬力を有している。アウトピッチはキレのあるスライダー。左打者にはチェンジアップを多投し、空振りを奪う。コントロールはまとまっており、プロでもスターターとして起用される可能性はある。


7(201) ライアン・コスチュー(Ryan Costeiu):RHP:右投右打:6/200:Arkansas:$222.5K($229.7K)

8(231) ニック・ジョーンズ(Nick Jones):LHP:左投左打:6-6/209:Georgia Southern:$122.5K($157.6K)
90マイル前半の速球とスライダーのコンビネーション。速球は最速で94マイルをマーク。スピードが出ない分はデセプションでカバー。アウトピッチは大きく曲がるスライダー。今年に入って課題だったコントロールはよくなかったが、コマンドはアバウト。大学では全てリリーフでの登板で、プロでも同じキャリアを辿るだろう。


9(261) ブレイデン・オルソフ(Braden Olthoff):RHP:右投右打:6-4/228:Tulane:$122.5K($157.6K)
90マイル前半の速球とスライダー、カーブ、チェンジアップのコンビネーション。速球は最速でも94マイルと馬力不足だが、優れたコマンドでカバー。ブレーキングボールの扱いに長けており、いずれの球種でも空振りもストライクも狙える。スペック不足な点がネック。グラブ内を指で触るクセがあり、松やに疑惑を持ち掛けれたことも。


10(291) アンドリュー・ピーターズ(Andrew Peters):RHP:右投右打:6-2/191:South Carolina:$144.7K($147.2K)
90マイル中盤の速球とスライダー、カーブのコンビネーション。速球は最速で96マイルをマーク。アウトピッチはカッターとも称されるスライダー。小さく鋭く曲がり空振りを奪う。パワーカーブの評価も高い。コントロールは悪くはないが、コマンドはアバウト。投球術といった点に欠けているとも指摘されている。


+1
12(351) メイソン・アルブライト(Mason Albright):LHP:左投左打:6/190:IMG Academy:$1.25M
90マイル前半の速球とスライダー、チェンジアップのコンビネーション。速球は最速で94マイルをマーク。サイズを考えると今後、爆発的に球速が伸びるとは考えづらいが、それを補って余りあるコントロールを有している。いずれの球種でもストライクを稼ぐことができる点が最大の長所。足を上げたまま動きを止めたりとクレバーな投球術を披露する技巧派。


総括
 1巡目は大学生Pの中でもトップクラスの評価を受けていたサム・バックマンを指名。今ドラフトでも屈指のパワーボーラーですが、コントロールも悪くなくリリーフに回るといったリスクも小さめです。唯一の懸念はサイズですが、体重をしっかりつけているタイプなのであまり気にする必要はないでしょう。
 以降上位10人は全員大学生Pを指名。カイ・ブッシュやルーク・マーフィー、ニック・ジョーンズといったリリーフタイプとランドン・マルセウ、ブレイデン・オルソフ、ジェイク・スミスといったスタータータイプを均等に指名。中でもジェイク・スミスは大学での登板は主にリリーフでしたが、サードピッチとコントロールが安定しているためスターターとして跳ねる可能性を秘めています。
 12巡目で指名した高校生Pのメイソン・アルブライトにはこの順位では破格の$1.25Mの契約金を用意し、契約に成功。球速さえあと少しでも伸びればブレークするだろうという読みは悪くないと思います。






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