【MLBドラフト】2022ドラフトレビューSD編
上位10人の簡易レポと総括になります。
凡例
ラウンド(全体指名順位) 名前(Name):ポジション:投打:身長/体重:出身校:契約金額(ボーナススロット)
簡易レポ
1(15) ディラン・レスコ(Dylan Lesko):RHP:右投右打:6-2/195:Buford HS:$3.9M($4.09M)
90マイル中盤の速球とチェンジアップ、スライダー、カーブのコンビネーション。速球は最速で99マイルをマーク。ノビのある4シームは空振りを奪えるボールで、高校生相手ならこの1球種だけで三振を奪える。ベストピッチはチェンジアップ。左右、カウントを問わずに投じ相手の意表を突く。その他ブレーキングボールのクオリティも高い。これら全てをコマンドでき、現時点で隙はない。今年トミー・ジョン手術を受けた。
CBA(36) ロビー・スネリング(Robby Snelling):LHP:左投右打:6-3/210:McQueen HS:$3M($2M)
90マイル前半の速球とカーブ、チェンジアップのコンビネーション。速球は最速で97マイルをマークすることもあるが、安定せず90マイル前後しか出ないこともある。ベストピッチはスピンのきいた落差のあるカーブ。どのカウントからでも打者の左右を問わずに投げ、いとも簡単に空振りを奪う。チェンジアップは発展途上。アメフトでもトップクラスのアスリート。
2(53) アダム・メイザー(Adam Mazur):RHP:右投右打:6-2/180:Iowa:$1.25M($1.44M)
90マイル中盤の速球とスライダー、カーブ、チェンジアップのコンビネーション。速球は4シームと2シームの2球種を投げ分けるが、オフに4シームの改善に取り組み4シーム偏重に変えていく予定。最速で97マイルをマークする。アウトピッチはスライダー。大きく曲がり空振りを狙えるボール。チェンジアップは落差が乏しいがコマンドに優れる。コントロールの悪さが最大の欠点だったが、ドラフトイヤーに改善。
3(91) ヘンリー・ウィリアムス(Henry Williams):RHP:右投右打:6-5/200:Duke:$800K($680.4K)
90マイル前半の速球とスライダー、チェンジアップのコンビネーション。速球は最速で95マイルをマーク。スピードがそれほどでなくてもスピンのきいたノビのある4シームは空振りを狙えるボール。アウトピッチのスライダーもキレがよく、コマンドもまずまず。試合を大きく崩すことなく安定して長いイニングを食えるところが長所。
4(120) ラマー・キングJr(Lamar King Jr):C:右投右打:6-3/215:Calvert Hall College HS:$502.8K($502.8K)
打撃ではパワフルなスイングが魅力。パワーツールに高い評価を得ているが、ヒッティングツールはイマイチ。打席では良くも悪くも全力でスイングするだけに留まっている。守備ではブロッキングなどのボールセキュリティの高さがウリ。Cとしては若干大きめだが、問題なく留まれるとも。
5(150) ネイサン・マートレラ(Nathan Martorella):1B:左投左打:6-1/224:California:$325K($375.5K)
優秀なピッチセレクションがベストツール。大学最終年にはBB>Kとなる数字をマークした。パワーツールは1Bとしては平凡で、レギュラークラスを狙うにはプロでも高打率を残さないと厳しいか。身体能力に欠けており、OFも厳しいとも。
6(180) ジェイコブ・マーシー(Jacob Marsee):OF:左投左打:6/180:Central Michigan:$250K($286.5K)
広角に打球を飛ばすヒットメーカー。まんべんなく打球を打ち分けてヒットコースに打球を飛ばすことができる。辛抱強いアプローチで出塁率も稼ぐことができる。パワーツールは平凡。スピードも平均レベルでRF/LFが主戦場か。
7(210) ニック・ボート(Nick Vogt):OF:右投右打:6-1/185:
UC Santa Barbara:$200K($224.3K)
打撃ではコンタクトスキルの高さが魅力。打球に角度がつかず長打は少ないものの、ハードヒットは多い。身体能力は平均レベルで、大学時代のCFからRF/LFに移ることが予想される。
8(240) グリフィン・ドーシング(Griffin Doershing):1B:右投右打:6-4/251:Oklahoma State:$25K($180.9K)
マイナーカンファレンスからトランスファーでメジャーカンファレンスへと移った今年は、打率が下がり三振数も増えたものの長打数はそれほど減らず持ち前のパワーツールを発揮。守備の動きは鈍く1Bに留まれるかさえも怪しい。
9(270) ディラン・ネベド(Dylan Nedved):RHP:右投右打:6-2/195:Iowa:$20K(161.5K)
90マイル前半の速球とスライダーのコンビネーション。昨年まではIFとしてもプレーしているため、守備は非常に上手い。
総括
1巡目で指名したディラン・レスコは1年半ほど寝かしておくことになりますが、手術のマイナス面を含めてもこの順位で指名できたのはおいしいと言えるでしょう。健康であればポテンシャルも実力も今ドラフトでレスコの右に出るものはいません。
その後も1巡目から3巡目までは投手を指名。身体能力の高さが魅力のロビー・スネリングや、今年成長の跡を見せたアダム・メイザー、イニングイーターのヘンリー・ウィリアムスと楽しみな選手が多く、投手の豊富さでいえば今年は群を抜いているでしょう。
その分、野手については小粒。ラマー・キングはアップサイドの大きい選手ですが、以降のネイサン・マートレラやジェイコブ・マーシー等レギュラークラスにはあと一歩足りないといったタレントばかり。注目すべきは、グリフィン・ドーシングがパワーの1ツールでどこまで通用するかという点でしょうか。
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