【MLBドラフト】2023MLBドラフトカテゴリー別プレビュー CLCIF/C編

 来たる7月に開催される2023年のMLBドラフト。それに先立ちカテゴリー別のトッププロスペクトの紹介をしていきます。

 今回はCLCIF(1B/3B)/C編です。

黄金のスチール


 今ドラフトのCLCIF/Cではトップ10以内で指名される選手はいないかもしれませんが、中位以降に指名順位を持つ球団には朗報です。スチールを狙うにはもってこいのカテゴリーとなっているからです。

 OAK傘下のプロスペクトであるZack Gelofを兄に持つVirginiaのJake Gelof(3B)は昨年ソフモアながらも打ちまくると、今年も勢いそのままに好成績を残し続けています。兄同様セレクティブな姿勢を見せつつ、兄以上のパワーを有しており長打数は比べ物にならないほどです。兄同様守備に難を抱えている点が気がかりです。


 Gelofのチームメイトで今年のVirginiaの躍進を支えているKyle Teel(C)も文字通り打ちまくっています。既に30試合以上経過していますが、打率は.400を優に越えており、BB>Kのアプローチも健在です。昨年までは打球が上がらずHR数が伸びていませんでしたが、今年は既に昨年のHR数と並んでおり課題を克服しつつあります。Gelof同様守備に難有りでもどかしいところです。

 高校時代からトッププロスペクトとして名を馳せているMiamiのYohandy Molares(3B)はフレッシュマンからコンスタントに好成績を残し続けるソリッドなタレント。ゾーンを広げすぎてしまう欠点がトップ10以内の指名に暗雲をもたらす要素となっています。

 パワーツールでは今ドラフトでもトップであるWake ForestのBrock Wilken(3B)は60試合で23HRを放った昨年以上のハイペースでHR数を積み重ねています。四球数もほぼ倍増していますが、目下の課題である三振数の多さだけは改善できていません。



飛ばすだけが能ではない


 のそのそと打席に入ってバットを振り回し、打撃結果がどうあれ塁上をのそのそと動く1Bはもはや時代遅れなのかもしれません。

 LSUのTre' Morgan(1B)は1Bとは思えないアジリティの高さが魅力。スクーピングやスローイングも一級品で、鉄壁のIFを目指す球団にはもってこいのタレント。打つ方ではパワーレスさは否めませんが、ゾーン管理とコンタクトスキルは優秀で打撃で足を引っ張ることもなさそうです。


 MiamiのC.J.Kayfus(1B)もシーズンで2桁HRはなしと1Bにしてはパワーに欠けますが、BB>Kの優秀なアプローチで出塁率を稼ぎます。ただ、昨オフにパワーアップに取り組んだおかげでHR数は増加傾向。また、プラスのスピードを有しており、盗塁にも積極的な点も他の1Bと一味違います。

 Oregon StateのGarret Forrester(1B)もパワーレスながらも高出塁率に期待できるタレントですが、上記2人と異なり守備・走塁で貢献できず上位指名をもらうのは厳しそうです。


大学生Cなんてなんぼおってもいいですからね

 

 過去2年間HSCの指名は7人に留まっていますが、CLCは21年は34人、昨年は36人と高校生の約5倍の人数が指名されています。大学生野手としてはSSを抑えて指名数はIF内では最多となっています。

 Cとしての能力を買うならOle MissのCalvin Harris(C)の名前がまず挙がるでしょう。アームはさほどつよくありませんが、Cとしてのスキルは十分。打撃でも高めの速球に強く、力負けせずスタンドインさせるパワーを有しています。


 天才的な打撃センスでマイナーカンファレンスながらもアメリカ代表としてもプレーしたDavidsonのMichael Carico(C)も注目株でしたが、手首の骨折で数試合に出場のみに留まってしまっています。

 そんなCaricoに追い付き追い越しそうな成績を残しているのがMarylandのLuke Shliger(C)です。Cとしての経験を活かし、徹底的にゾーン管理を行いBB>Kも狙えるアプローチを見せています。守備ではソリッドさに加え、年間を通してCを守れる耐久性も魅力です。



蘇れトッププロスペクト


 プロスペクトが好成績を残せないのはマイナーに限ったことではなく、大学でもままあることです。

 TCUのBrayden Taylor(3B)は大学のシーズン開幕前は、トップ10レベルにも食い込むかもしれないとの見立てでしたが、打率が伸び悩んでおり暗雲が立ち込めています。ただ、BB/Kの数字は悪くなく、既に昨年と同じ数のHRもマークしており、残りの試合でヒットを積み重ねれば上位指名にも食い込めそうです。


 高校時代はU-18代表としてもプレーしたStanfordのDrew Bowser(3B)は粗雑なアプローチが仇となって、低打率と多すぎる三振数に悩まされています。それでも、度々名前が挙がるのはずばぬけた打球速度のおかげ。下位指名で拾って改造する球団が現れるかもしれません。


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