【MLBドラフト】2024ドラフトレビューTEX編
上位10人の簡易レポと総括になります。
凡例
ラウンド(全体指名順位) 名前(Name):ポジション:投打:身長/体重:出身校:契約金額(ボーナススロット)
簡易レポ
1(30) マルコルム・ムーア(Malcolm Moore):C:右投左打:6-2/216:Stanford:$3M($2.97M)
独特なタイミングの取り方ながらもハードヒットを多く飛ばすことができる。積極的になりすぎるアプローチは要改善。守備では大きなミスはないが、フレーミングの拙さやアームの弱さが目を引いてしまう。
2(65) ディラン・ドレイリング(Dylan Dreiling)OF:左投左打:5-11/197:Tennessee:$1.29M($1.29M)
昨年苦戦していた左投手を苦にしなくなり評価を上げつつある。ゾーン外へのボールに手を出さないピッチセレクションに加え、フィールド全体にハードヒットを飛ばすスキルも有している。スピード、アームは平均レベルだが、ルートランに不安があり、センターラインは守れないだろう。
3(103) ケイシー・クック(Casey Cook):OF:右投左打:6/195:North Carolina:$700K($710.4K)
プラスのヒッティングツールにパワーも加わり、ドラフトイヤーにブレークを果たした。ラインドライブの打球が二塁打を量産するミドルヒッタータイプ。スイング時に体を捻りすぎるため速球の対応に不安が残る。OF守備は不安だらけでむしろサブポジションにしている2Bに置いた方がまだマイナスは少ないかも。
4(133) デビッド・ハガマン(David Hagaman):RHP:右投右打:6-4/215:West Virginia:$515K($530.4K)
90マイル前半の速球とスライダー、チェンジアップのコンビネーション。速球は最速で98マイルをマーク。大学進学後に球速にスピードアップに成功した代償か今年肘を故障し手術にいたった。鋭く大きく曲がるスライダーをアウトピッチとしており、奪三振能力は高い。
5(165) デビン・フィッツジェラルド(Devin Fitz-Gerald):SS:右投両打:5-10/185:Stoneman Douglas HS:$900K($388.7K)
打撃ではバレルフィーリングの高さがウリでライナー性の速い打球を飛ばすことができている。小柄ながらもローパワーは低くなく、プロ入り後のパワーアップにも期待できる。守備ではIFに残れるスキルは有しているが、スペックが足りず2B/3Bに転向が既定路線。
6(195) ギャレット・ホーン(Garrett Horn):LHP:左投左打:6-2/190:Liberty University:$250K($302.7K)
90マイル前半の速球とスライダー、チェンジアップのコンビネーション。速球は最速で97マイルをマーク。サイド気味の低いアングルからノビのある4シームを投じる。この速球をアウトピッチとしても使う。速球と同じ軌道から横に沈んでいくスライダーも空振りを奪うことができる。今年の4月にトミー・ジョン手術を受けたため、しばらくは投げることができない。
7(225) ラフェ・ペリッチ(Rafe Perich):3B:右投両打:6-3/225:Lehigh:$175K($238.9K)
ほぼ棒立ちの姿勢から高くバットを構える独特のスタンスながらも卓越したコンタクトスキルで打球をヒットゾーンに飛ばすことができる。上からバットをたたきつけることが多くいため長打数は多くないが、ローパワーは低くない。3B守備はフットワークとアームに高い評価を得ている。
8(255) アンソニー・スサック(Anthony Susac):RHP:右投左打:6-3/216:Arizona:$200K($302K)
9(285) キース・ジョーンズ(Kieth Jones Ⅱ):OF:左投左打:6-2/220:New Mexico State:$30K($187.1K)
10(315) ジェイク・ジェキレク(Jake Jekielek):RHP:右投右打:6/195:Northwood University:$20K($178.8K)
総括
2019年から続いていた大学生の1巡目指名が今年も続くこととなりました。1巡目の最後の指名順位とはいえ今年大学で打撃不振にあえいだマルコルム・ムーアを指名し、ほぼフルスロットで契約するのは悪手に見えます。Cとしての能力が高ければ打撃にバウンスバックを狙いつつ最低でもバックアップにという考えもわかるのですが、守備はよくても平均レベルなためバットの湿りを払えないようならこのままフェードアウトしてもおかしくないでしょう。
ムーア以外の野手も打撃に優れながらも行き着くポジションに難のある選手が多くなっています。この中ではパワーレスながらも高いコンタクトスキルを有し、3Bをプラスで守れるラフェ・ペリッチが一歩リードしているように見えます。
唯一の高校生指名となったデビン・フィッツジェラルドはヒッティングツールの高さに光るところがあり、パワーがついてくればレギュラークラスにまで成長する可能性は大いにあるでしょう。
指名した投手は故障持ちが多く、しばらくは話題に上がらないでしょう。
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