【MLBドラフト】2024ドラフトレビューTOR編

上位10人の簡易レポと総括になります。

凡例
ラウンド(全体指名順位) 名前(Name):ポジション:投打:身長/体重:出身校:契約金額(ボーナススロット)
簡易レポ




1(20) トレイ・イェサベイジ(Trey Yesavage):RHP:右投右打:6-4/225:East Carolina:$4.18M($4.07M)

90マイル中盤の速球とスライダー、カーブ、チェンジアップのコンビネーション。速球は最速で98マイルをマーク。ムービングに欠けるが、コマンドは優秀。縦に曲がるスライダー、変化量が大きいカーブ、小さく落ちるスプリッターのいずれでも空振りを奪うことができる。


2(59) カール・スティーブン(Kahl Stephen):RHP:右投右打:6-4/215:Mississippi State:$1.12M($1.49M)

90マイル前半の速球とスライダー、カーブ、チェンジアップのコンビネーション。速球は最速で95マイルをマーク。スピードが足りない速球をゾーン内に投げ込むため痛打される場面もあるが、垂れずに落ちない軌道を見せるため見逃し三振も狙える球種。変化球はいずれも高い評価は受けていないが、コマンドは優秀でゾーンの外を追いかけさせることができる。


3(95) ジョニー・キング(Johnny King):LHP:左投左打:6-3/210:Naples HS:$1.25M($767.2K)

90マイル前半の速球とスライダー、カーブ、チェンジアップのコンビネーション。速球は最速で95マイルをマーク。日に日にスピードは増しており、いずれは95マイルが平均になるとも。ローアングルからノビのある4シームとシンカーを投げ分ける。ベストピッチは縦に割れるカーブ。スライダーもアウトピッチとして十分。チェンジアップは発展途上。体格ができあがるにつれてコントロールも安定しているが、フルエフォートなデリバリーを心配する声もある。


4(125) ショーン・キーズ(Sean Keys):3B:右投左打:6-2/225:Bucknell:$569.7K($572.2K)

無駄の少ないスイングでラインドライブの打球を飛ばす打撃が魅力。ローパワーは低くないが、角度が上がらないことが多くHR数はそれほど多くない。大学時代のBB/Kは優秀だがマイナーカンファレンスでのプレーだったことは留意する必要がある。守備はミスが目立ち3Bにはとどまれないかも。


4C(136) ニック・ミッチェル(Nick Mitchell):OF:右投左打:5-10/180:Indiana:$467.5K($515.1K)

アダム・イートンを彷彿とさせる体を前に出すスイングで小柄ながらもハードヒットを量産する。普段は広角に打球を散らすアプローチだが、ツボに入ってきたボールを全力で引っ張れる反応のよさも持ち合わせている。スピードも優秀だが、盗塁には消極的。


5(158) ジャクソン・ウェントワース(Jackson Wentworth):RHP:右投右打:6-1/210:Kansas State:$412.1K($414.6K)

90マイル前半の速球とスライダー、チェンジアップのコンビネーション。速球は最速で96マイルをマーク。球速は安定しているが、ムービングに欠ける。ベストピッチはチェンジアップ。スプリットに近いムービングで打者の手元で鋭く落ちる軌道を見せる。カッターとも形容されるスライダーでも空振りを奪える。コントロールの安定と速球のクオリティ改善がスターター定着への課題。


6(187) アーロン・パーカー(Aaron Parker):C:右投右打:5-9/200:UC Santa Barbara:$297.5K($323.4K)

打撃では小柄ながらもポイントを前に置くことでハードヒットを飛ばすことができる。ただ、そのため早いタイミングでスイングを仕掛けることを決めることになりゾーン外のボールを追いかけて空振りが多くなっている。守備ではブロッキング、盗塁阻止などをそつなくこなしておりプロでもCを守り続けられるだろう。


7(217) オースティン・ケイツ(Austin Cates):RHP:右投左打:6-1/200:UNLV:$222.5K($253.3K)

90マイル前半の速球とスライダー、スプリッターのコンビネーション。ストライクスロワーで滅多に四球は出さない。


8(247) エディー・ミケレッティJr(Eddie Micheletti):OF:右投左打:6-1/220:Virginia Tech:$147.5K($208.7K)

どのコースのボールでもヒットゾーンに打球を飛ばせるセンスの高さを見せる。今年マイナーカンファレンスからメジャーカンファレンスに移ったが、成績を落とすどころかさらに伸ばしておりどのレベルでも打撃が通用するところ示した。ピッチセレクションも優秀で高出塁率に期待がかかる。


9(277) コルビー・ホルカム(Volby Holcombe):RHP:右投右打:6-6/250:Mississippi State:$197.5K($190.1K)



総括

 1巡目で全体10位以内で消える可能性が高かったトレイ・イェサベイジをスチール。契約金も少額のオーバースロットに収まっており、二重の意味でおいしい指名となりました。
 過去2年は野手中心の指名が続いていましたが、今年は原点回帰で投手中心の指名となりました。ドラフトイヤーに好成績を残したカール・スティーブン、球速上昇が著しいジョニー・キング、スプリットチェンジで大量に空振りを奪うジャクソン・ウェントワースと楽しみなタレントが揃っています。これだけのタレントをそろえたのでそろそろ上位指名したピッチングプロスペクトがメジャーに定着しない悪循環を断ち切りたいところです。
 野手はトップピックが4巡目となりましたが、見どころの多い大学生を多数指名。いずれもドラフト前の評価はそれほど高くありませんでしたが、ドラフトイヤーの成績は申し分なく早い段階で上のクラスに上がれそうなタレントが多いのでトレードチップとして使ってもいいかもしれません。

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