【MLBドラフト】2021ドラフトレビューARI編

上位10人の簡易レポと総括になります。

凡例
ラウンド(全体指名順位) 名前(Name):ポジション:投打:身長/体重:出身校:契約金額(ボーナススロット)
簡易レポ


1(6) ジョーダン・ロウラー(Jordan Lawlar):SS:右投右打:6-2/190:Jesuit College Prep HS:-($5.74M)
身体能力が光る大型SS。打撃ではラインドライブの打球を量産。徐々に体重もつけてきており、それに伴いパワーも増してきている。最大の武器はスピード。このサイズの選手にありがちな大きい割に速いというレベルではなく、今ドラフトでもトップレベルで速く、走塁意識も高い。守備では正確なスローイングとボディバランスに高評価を得ている。


2(42) ライアン・ブリス(Ryan Bliss):SS:右投右打:5-9/165:Auburn:-($1.77M)
小柄ながらも速球に振りまけないパワフルなスイングが魅力。どこにでもヒットを飛ばせるスキルを有しており、常にハイアベレージをキープできる。守備ではスキルに問題はないが、アームが弱く2B転向も現実的な選択肢。スピードは平均以上で、盗塁にも積極的。


CBPB(67) エイドリアン・デルカスティーヨ(Adrian Del Castillo):C:右投左打:5-11/208:Miami:-($976.7K)
柔軟なスイングで広角に打球を飛ばすピュアヒッター。コンパクトなスイングで確実にコンタクトし、アベレージを稼ぐ。今年はスランプに陥り、打撃では見せ場を作れなかった。打撃型Cということで先輩のザック・コリンズとも比較されるが、ピッチセレクションの優秀さはカスティーヨに軍配が上がる。守備はコリンズと同じくお世辞にも上手いとは言えず、将来は1B転向が既定路線。素手でバットを持つ。


3(77) ジェイコブ・スタインメッツ(Jacob Steinmetz):RHP:右投右打:6-5/220:ELEV8 Baseball Academy:$500K($805.6K)
90マイル前半の速球とカーブ、チェンジアップのコンビネーション。速球は最速で94マイルをマーク。球速は現在進行形で速くなっており、サイズを考えると今後さらに速くなる可能性を秘めている。ベストピッチはキレのあるパワーカーブ。どのカウントからでも投げ込み空振りを誘う。コントロールとチェンジアップに課題を抱えている。


4(107) チャド・パトリック(Chad Patrick):RHP:右投右打:6-1/205:Purdue University Northwest:$350K($543.5K)
90マイル前半の速球とスライダー、カーブ、チェンジアップのコンビネーション。徐々に速くなった球速は現在では最速96マイルをマーク。2シーム系と4シーム系を投げ分ける。変化球はいずれもプラスの球種ではないが、狙ったところに投げられるコマンドが魅力。エフォートレスなデリバリーのおかげか故障と無縁な来歴も高評価。


5(138) ケイレブ・ロバーツ(Caleb Roberts):C:右投左打:6-1/195:North Carolina:-($402K)
昨夏のスイング改造が功を奏し、パワフルなバッティングを手に入れることに成功。コンスタントにハードヒットを飛ばすことができるようになり、注目を集めた。冷静なアプローチで、大量の四球を選ぶことができる。守備はCも守れるといったレベルで、OFを守ることが多い。


6(168) ルーク・アルブライト(Luke Albraight):RHP:右投右打:6-4/215:Kent State:-($301.6K)
90マイル前半の速球とカーブ、スライダー、チェンジアップのコンビネーション。速球は最速でも94マイル程度だが、しっかりとコマンドすることができている。カーブ、スライダー共に評価が高く、どちらもアウトピッチとして有効。チェンジアップも平均レベルのクオリティにある。ずば抜けたツールはないが、持ち前のコントロールとデセプションに優れたデリバリーでやりくりすることができる。


7(198) スコット・ランドール(Scott Randall):RHP:右投右打:6/172:Sacramento State:-($235.1K)

8(228) ギャビン・コンティセロ(Gavin Conticello):3B:右投左打:6-4/195:Marjory Stoneman Douglas HS:-($186.3K)
コディ・ベリンジャーとも比較される豪快なスイングが魅力。どの投手、どの球種に対しても同じスイングをすることができ、どんな場面でも長打が期待できる。スピードは平凡で、SSに残るには左右のレンジに不安があるため、将来は3Bに移る可能性が高いだろう。


9(258) ジェイク・ライス(Jake Rice):LHP:左投左打:6-1/220:Kennesaw State:$30K($159.2K)

+1
12(348) デービス・ディアズ(Davis Diaz):SS:右投右打:5-11/175:Acalanes HS:-
ノーステップのスイングで広角に打球を飛ばす打撃センスの持ち主。冷静なアプローチも高評価。見た目によらずパンチ力を有しているが、コンスタントに長打を打てるかは微妙なところ。守備ではスペックに欠けており、SSに留まるのは難しいだろう。2B転向が最右翼だが、一部では今年から始めたCに本格転向を望む声も。


総括
 1巡目ではジョーダン・ロウラーを指名。大学生偏重な指名が多いですが、コービン・キャロルやアレク・トーマスといったアスリート系の高校生を積極的に指名していたことを考えるとあり得る指名でしょう。全体1位候補として名前を挙げられていたロウラーをこの順位で指名できたのは幸運。チームを飛び越えてリーグの顔になれる逸材です。
 ロウラー以外の高校生は上位10人ではジェイコブ・スタインメッツとギャビン・コンティセロの2人を指名。いずれも素材型でハイリスクハイリターンな指名。こういう指名をこの順位で行うのは順当なので、ある意味手堅いと言えるでしょう。
 大学生はアプローチに優れる野手とコントロールに優れるPといずれもソリッドなタイプの選手を指名。大学のシーズン開幕前はトップ10の実力と目されていたエイドリアン・デルカスティーヨの復活に期待したいところです。ライアン・ブリスはプロレベルでもパワーを発揮できれば文句なし。投手は誰か1人でもメジャーデビューできれば御の字だろう。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?