【経済学】最低賃金が上がると失業が増加する?!
はじめに
ミクロ経済学で勉強するトピックで興味深いと思った内容を紹介します。
最低賃金を上げると、失業が増えるという内容です。
一見、不思議に感じますよね。私も初めて勉強したときは社会的に良いこと(賃上げ)をしているのに失業が起きてしまうの?と感じました。
今回のポイントは「供給過多」です。どういうことかさっそく見ていきましょう!
最低賃金とは
最低賃金は、賃金の最低価格です。一番低くても、これだけの賃金が貰えるということです。つまり、賃金に下限が設けられるということです。
東京では、時給1113円ですね。(令和5年10月1日時点)
東京の企業は、最低でもこれだけ従業員に給料を払う必要があるということです。
なぜ最低賃金が必要なのか
最低賃金は、働く人たちが最低限の生活を送れるようにするために必要です。もし最低賃金がなければ、企業はできるだけ安く人件費を抑えようとするので、労働者の賃金がどんどん低くなってしまう可能性があります。
失業とは
失業とは、いろいろ分類されます。自発的失業とか、摩擦的失業などさまざまな意味があります。
ですが、ここでは職についていない人とします。企業に採用されず、就職活動をしている人も含まれます。今回は、最低賃金が上がると、職についていない人が増えるというロジックを解説します。
この話を理解するには、供給過多というものについて理解する必要があるので、見ていきましょう。
供給過多とは
需要と供給
まず、需要と供給について理解をしていく必要があります。
需要・・・「財・サービス」を欲しいと思うこと
供給 ・・・「財・サービス」を生産したいと思うこと
具体例を挙げると、食べ物や服を買いたいと思うときありますよね。食べ物や服を需要するということになります。
八百屋さんは、ニンジンや大根を売ろうと日々頑張っていますよね。つまり、八百屋はニンジンや大根を供給しています。
経済学では、この需要と供給が一致することを考えていきます。
需給の一致とは
「一致する」という点についてポイントが2つあります。それは、「量」と「価格」です。
需要量・・・「財・サービス」を欲しいと思う量
供給量・・・「財・サービス」を生産したいと思う量
価格・・・「財・サービス」における価格
「量」と「価格」の関係について説明します。
価格が上がると、需要量は下がる関係になる
価格が上がると、需要量は上がる関係になる
たとえば、ピザの価格が 800, 1000, 1200とどんどん高くなると、需要する人数は減りますよね。同じものを買うときに安い方が、人気になるはずです。
逆に、ピザの価格が 800, 1000, 1200とどんどん高くなると、供給する人数は増えますよね。同じものを売るときに、より高い値段を付けて売りたいですもんね。
このとき、買い手が 1000円でピザ3枚を買いたい、売り手が、1枚1000円に価格を設定した場合、3枚のピザを売りたい、となった場合に需要と供給が一致します。これを需給が一致するとします。
需給が一致しない場合
需給が一致しない場合を考えます。主に以下の2パターンがあります。
需要量 > 供給量・・・需要過多、供給不足
需要量 < 供給量・・・供給過多、需要不足
になります。
価格が下限がついたとき
需給が一致するときよりも、高い価格に設定されることを考えます。つまり、価格に下限が設けられることです。
価格が上がると、需要量は減少し、供給量は増加します。つまり、需要不足、供給過多が起きてしまいます。
価格に下限が設けられると、需要不足、供給過多が起きてしまうのです。
ただし、1つ注意点があります。「高く」という言葉について、これは均衡価格よりも高いという意味で使っています。たとえば、下限が900円に設定されても、今回の例では影響は無いです。ここからは、こういったケースを除いて話を進めますので、注意をお願いします。詳しく話は、ミクロ経済学を勉強しましょう。
ここからは、ミクロ経済学における、最低賃金が上がると失業が増える理由について、ここまでの内容を踏まえて考えていきます。そのためには、ある市場について理解が必要です。ここからは、その市場について考えていきます。
ここから先は
¥ 198
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?