厄介オタクの自分がルーク・ハントの行動・言動にもやもやした理由がわかった

※この独り言は私がこだわりの強い厄介オタクという存在で、その立場から考えたものです。
※何人(なんぴと)の意見、感想、考察を否定するものではありません。
※ファン活動に色んなスタンスがあることは承知しています。


ツイステはヴィランの物語。
そしてインスパイア元のディズニーの白雪姫のストーリー。
これを踏まえれば、VDCでNRCが優勝することはどうひっくり返ってもないだろうなと自分は思っていた。
だからこそ、5章後編1で持ち上げるだけ持ち上げたNRC優勝への期待感をどうやって散らすのかと内心期待していた。

結論から言うと、RSAが優勝したことが腹立たしいわけではない。
なのになぜこんなに自分は事の顛末に納得がいかないのか。

なぜこんなに5章の結末にもやもやしていたのか、配信から丸二日ほどたって理由がようやくわかった。

「ネージュ・リュバンシェのファンであり、ポムフィオーレ寮 副寮長であり、そしてNRC代表としてVDCに出場したルーク・ハントがRSAに投票した」

推しが出場するイベントに、自分も投票権を持って、尚且つ出場者として参加する。
仮にも自分達のチームの優勝を目標に掲げていたにも関わらず、推しのチームに投票してしまう。

ルークが広義に言うファン活動を行う者として、そして自分と同じオタクの端くれとして、「それはやっちゃダメだろ」って思う行動をしてたからだ。

自分で例えると非常にわかりやすい。

社外活動とは言いつつもほぼほぼ仕事の一環で、社員代表として職場の同僚とチームを組み、詩を興じる大会(テーマを与えられて即興で詩を書くとか、あらかじめ準備していた詩を発表するとか、そんな感じのやつ)に出場することになる。

その大会で優勝することは非常に名誉なことであり、優勝することで会社の知名度アップや業務受注率向上などが見込まれることは、公然の事実となっている。
もちろん優勝に貢献した社員は、社内での評価も得られる。

しかし出場を決めた直後、大好きな、否大好きという言葉では表現できないほど全身全霊をかけて追っているミュージシャンが同じく同志と共に大会に出場することになった。

そのミュージシャンは自分にとって、闇に飲まれがちな己の人生をその楽曲とライブやラジオで語りかける言葉で照らし、生きる希望を繋いでくれるミュージシャン。
もはやファンというよりも信仰と表した方が近い。

そんな状況になったら、自分はどうするだろう。

即決だ。出場を辞退する。
同僚・上司に辞退を告げるだろう。
たとえ自分がそのチームの要の存在だとしてもだ。
そしてもし辞退の理由を問われたら、正直に話す。

「命の恩人に等しい大好きなミュージシャンが大会に参加する」
「自分はそのミュージシャンのチームに投票しない自信がない。会社の代表として出場しているのに、自分達を差し置いて、そのミュージシャンが生み出す言葉に心奪われ、涙し、酔いしれてしまうかもしれない」
「そして己の1票を彼らに投じてしまうかもしれない」

私にとって推しとはそういうものだ。

生きる意味の一端。
一瞬ですべてを覆せる存在。
時に理性すら奪う、抗えない存在。

投票しないように努めることはできても、絶対に投票しないとは言い切れない。

ルークがVDCの投票システムに対してどのようなスタンスで臨むか事前に明かされていなかったから何とも言えないが、少なくとも先述した可能性は孕んでいたはず。
それなのにVDCに参加した。よりによってVDCで勝利への執念を燃やすヴィルの片腕として。


ルークはNRC生という肩書きを取っ払えば

・美を探求する心
・狩猟趣味
・ネージュ・リュバンシェのファン

これらの要素を内包しているキャラであるように見受けられる。(2021年1月時点)

彼は「RSAに投票したことと、ネージュのファンであることは関係ない」と言っておりヴィルも納得しているが、正直5章のシナリオ中での彼の言動・行動をもってきっちり根拠付けてくれなかったと感じた。
ちょっとエビデンスが足りなさすぎる。少なくとも自分は疑ってしまった。

本当に、本当に本当にファンであることは関係ない?0.0000000001ミリも「ネージュのファンである自分の想い」を挟まなかったと言い切れるか?
それはルーク、君の思い込みではないか?

同じ「寝食を忘れ、時間と金を惜しみ無くそそいで夢中になれる、人生を変えてくれた存在を持つ人間」として思う。
だって君がネージュに抱くそれは、私が大好きなミュージシャンに抱く想いととても似ている。

「人生を照らされた」
「希望を胸に生きられるようになった」

そういう想いは、人生とは、命とは切り離せない。
本人が切り離したつもりでも、必ずそこにあるもの。
己のすべての行動、言動、判断の無意識化に存在する。
その想いが今の自分を育み形作り、人生を歩む上での大きな光になっているなら尚更。

彼は自分の存在や行いがもしかしたらNRC代表生徒としての役目、ひいてはヴィルの優勝という目標を妨げる要因になるとは、少しでも思わなかったんだろうか。
(NRC代表生徒としてVDCに出場することに同意した時点で、優勝を目指して練習に励み、本番に臨む覚悟でいたと仮定する)

まだ10代の高校生だ。自分ならネージュのファンである自分とは切り離して、NRCトライブの一員として完璧に役目を遂行できると思ったのかもしれない。

もしくは最初から「いざとなったらヴィルもネージュも関係ない、己の美への感性に従おう」と思っていたのかもしれない。

ヴィルに出場を打診されてから実際に本番のステージに上がるまでの間、この中のひとつも頭をよぎらなかったなんてことは、ないんじゃないのか。

だってヴィルにネージュのファンであることを言っていなかったということは、少なからず事実を告げることでヴィルとの関係に何かしら影響があると考えていたからでは。
それはNRCトライブの一員になることしかり、さらに言うならポムフィオーレの副寮長という役職を担うことしかり。
もし本当に何も影響しないなら、告げるタイミングはいつくらでもあったはずだ。

「自分はネージュ・リュバンシェのファンだけど、それとは関係なく、ポムフィオーレの寮長である君の下で副寮長としての仕事を全うする」と。

重ねて、ルークがネージュのファンだと事前に知っていたら、ヴィルはどうしたかな…とも思う。
あれだけVDC優勝にそして打倒ネージュに心を燃やしていたヴィルが、ひどい言い方をすると「不確定要素」になり得るルークをチームの一員にしていただろうか。

学園行事や寮関連の仕事に関しては、意志決定のプロセスのひとつとして副寮長のルークの意見を聞いた上で決定をしていそうだけど、VDCに関しては、少なくとも現在公開されている5章のシナリオの情報を見る限りでは、彼はルークには辞退してもらったんじゃないかと思う。


オタクとしての自分を過信しなかったかい、ルーク・ハントよ…


「自分に正直」「最後の最後まで己の信念を貫いた」と言えばそうなのかもしれない。
私が厄介オタクじゃなければ、「最後まで自分を貫いたルークかっこいい」と思えたのかもしれない。
でも私にとって5章の彼は、総括すると「己の立場を放り出し、欲に目がくらんでしまった最悪なオタク」になってしまった。

ルークのことを嫌いになったわけではないが、5章の彼の諸々の行動・言動は、今後私が彼を推す上で壁となるのは間違いない。

実体験として、そういう壁を覆してくれるのは、そのキャラ(人)が1度固定された解釈や感情をも凌駕するような活躍を見せてくれる他、乗り越えようがないと思う。

自分にとってそういうルークの活躍が今後のシナリオで見れることを切に願うばかりだ。

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