縁切り榎・縁結び考察①

板橋区にある縁切り榎に行ってきた。縁切り寺のなかではかなり有名で効果のあるスポットらしく、日本全国から悪縁に困った人が訪れる。

絵馬に書いてある文章を読むと、職場のパワハラ上司が異動しますようにとか、上階に住む騒音一家が引っ越ししますようにとか、◯◯さんが××さんと別れ、私と結ばれますようにとか、それぞれの切実な願いが神様の耳に届くのを待っている。

筆者は都内のスーパーマーケットに勤めているが、店長がパワハラ気質の人で、特に自分に厳しくあたるものだったので、縁切り榎に足を運ぶことになった。絵馬は使わず、1000円程度のお賽銭を入れ店長と離れられますようにと願ったら、1ヶ月ほど経ってから異動が決まり、結果的には願いは叶った。本当は店長が異動してほしかったのだけれど。まあ叶い方まで叶ったら流石に恐れ多くある。

異動がいきなり決まってしまったので、気になっていた従業員の女の子を遊びに誘った。誘ったその瞬間はその子は顔を真っ赤にして「はい」と言ってくれたけれど、そのあと連絡先を渡したときにはもうその子は普段通りクールに振る舞っていて、嫌な予感が背中を走った。連絡は来なかった。
僕は縁切り榎には縁結びの効力もあることを知っていたので、縁切り榎に駆け込み、絵馬を近くの蕎麦屋で買い、「すべての悪縁をたちきり、(自分の名前)と(女の子名前)が結ばれますように」と書いた。そのあとその女の子の出勤の前に待ち伏せして、直接ラインを交換したが、少しトークをして、結局遊ばないことに落ち着いて、ブロックされた。
僕は何でも叶うとたかをくくっていたのかもしれない、だからよくない行動を起こして自滅したのだ。

僕の願い事では縁切りは叶い、縁結びは叶わなかったことになる。あらゆる悪縁をたちきり、なんて変な接頭辞をつけたせいで、もしかしたら店の女の子との縁も切れてしまったのかもしれない。それはそれでその子が悪縁だったってことになってしまうんだけれどね。ちなみに付き合っていた彼女とも音信不通になった。願いとは裏腹に、人を呪えば穴二つ。僕は自分勝手な絶縁要望の代償を支払ったのかもしれない。あるいは、希望的観測だが、縁結びはまだ叶う途中なのかもしれない。絵馬は今もぶら下がっている。

スピリチュアルの嫌なところは、偶然起きたのかスピリチュアルのおかげなのか判断できないところだ。

もし縁切りと縁結びを上手に使いこなすことができれば、そしてそれが人々の心に作用して僕に対して離縁を突き付けたり愛情を感じるようになるのであれば、それは遠隔的に他人を洗脳してるのと同じなのではないか?と思う。もし店の女の子と再び縁が重なれば、もう縁切り榎の効力を、神の存在を疑う余地はなくなる。使いこなすというよりかは、どうかより良く生きるために力をお貸し頂きたいものである。すぐには叶わないかもしれない。足元をすくわれるかもしれない。だけど心を占めるものがあるなら、皆さんも縁切り榎で人間関係の整理を頼んでみてはいかがだろうか。おしまい。

※①とありますが、②があるかどうかは今後の展開次第です。次回は別のスピリチュアルをテーマにします。

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