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発電機をなおしてみました。

ども、spinozamotors です。

小屋に置いてある発電機、もう何年も前に知人から譲り受けたものです。そのときには、なんとかエンジンがかかることを確認しましたが、差し迫って使う予定もなくそれ以来小屋で放置していました。

そんな発電機、ここにきて使ってみたくなって動かそうとしましたが、

エンジン、かからない…


だろうな、随分ほったらかしてたもんな…

動かなければ単なる粗大ゴミ。でもコイツ壊れているわけじゃなさそう。ちゃんと整備してあげればまだまだ現役で活躍できるんじゃないだろうか?

なおすしかないよな…


そんな感じでプチプロジェクトの開幕です。

需要のない話題を唐突にぶっ込んでしまい甚だ恐縮ですが、手短に済ませますのでご容赦くださいませ!


いきなり結論


あーだこーだ、ごにょごにょして(後述)、

とりあえず動き出しました!!


写真では伝わりませんが、うすい白煙を吐きながら動いています。電圧計も100Vを示しています。

やったぁ!


いきなり感想


この発電機、カバーとか油面計だとかいろんなところが壊れていて、もう買い替えたってバチは当たらない代物。

でも整備してあげたら、

「まだ働けるよ!」


まだ使えるものをゴミとして廃棄することの罪悪感。
譲り受けた以上壊れるまで使ってあげたいという使命感。
そして、苦心して「動かないものを動くようにする」喜び!

「動くべきものが動くようになる。」この感覚が何とも言えない。

スズキ発電機(SX650R)を修理してみた(備忘録)


「きみのバラをかけがえのないものにしたのは、きみが、バラのために費やした時間だったんだ」
「きみは、なつかせたもの、絆を結んだものには、永遠に責任を持つんだ。きみは、きみのバラに、責任がある...」

「星の王子さま」サン=テグジュペリ、新潮文庫


そんなことを感じた「プチプロジェクト」でした。






ここから先は自分用の覚書です。そして、もしかすると検索でたどり着いた誰かの参考になるかもしれませんので、noteに残しておきます。

それ以外の方には、何の参考にもならない内容 です。


読まなくていいですよ!!



発電機SX600R


この発電機は、SUZUKI の SX600R という2ストロークのエンジン式発電機。重さ20kg くらい、たぶん10年以上前の製品で、ネットを探しても取説も構造図も見つけられませんでした。なので、先人のネット記事を参考にオーバーホールをしてみます。


トラブル原因推定


トラブルの事象は「エンジンがかからない」。

いやー、機械は苦手ではないのですが、エンジンとか土地勘ないしー、構造図も取説もないしー、…

でもまあ、先人の情報を参考にこのトラブルの原因を以下推定してみました。

  1. ガソリンホースの詰まり

  2. キャブレターの汚れ

  3. プラグの汚れ

  4. キャブレターの詰まり

  5. マフラーの詰まり

  6. ガソリンが古すぎる

よい機会なので、これらを一通り見ていくことにします。

なお、なにせ土地勘のない世界ですので記載内容に妄想や誤りがある可能性が多分にありますがご容赦のほど。


整備内容と結果


1. ガソリンホースの詰まり

キャブレター入り口のホースを外してみるとガソリンが流れ出てきます。ホースの詰まりはなさそうです。


2. キャブレターの汚れ

長年放置したキャブレターには、気化して粘度の高くなったガソリンやオイルがヘドロみたいに溜まってトラブルを引き起こす、ってのがトラブルの定番なようですが、フロート室を開けてみると驚くほどきれい。

前オーナーがきちんとメンテしてくれていたのでしょう。


3. プラグの汚れ

周囲にすすはありましたが、火花が飛ぶあたりは特に問題なさそう。ギャップも0.6mm程度で問題なし。
パーツクリーナーと真鍮ブラシで清掃し、そのまま使います。


4. キャブレターの詰まり

キャブレター内部には、いくつもの細いガソリン通路があって、ここが詰まってエンジンがかからないというトラブルが最もありがちなようです。

見たところ内部は汚れていません。
素人がバラすと厄介なことになりそうなので、これ以上分解はせず穴という穴にパーツクリーナーを吹き付けて洗浄する程度にしておきました。


5. マフラーの詰まり

2ストのマフラーは、汚れた排気ガスが固まって詰まりを起こすこともあるようですが、空気を通して特に詰まりもないことを確認しました。


6. ガソリンが古すぎる

これまでのチェックで、特にトラブルの原因となるものが見当たらなかったのですが、最後に「ガソリンが古すぎる」という疑いが残ります。(て言うか、これが最有力だろ!)

タンクに入っているガソリンは少なく見積もっても5年以上前のもの。
(ちなみにタンク内は、錆とかなくとてもきれいでした。)

タンク内のガソリンを抜いて、新しい混合ガソリンを補充して試運転します。SX600R の混合比は30:1。コメリの「混合ガソリン」 1Litter缶を半分入れました。


試運転(1)


以上の整備・点検を終え、基本部分を組み立てて試運転しました。

チョーク開では、初爆の兆候はあるがエンジンかからず。

逆に、チョーク閉で、

エンジンがかかった!!

ところが、電圧計の指示では20Vも出ていない…
どうやら、

スロットルまわりのセッティングが不適切!


調査

ガバナーのリンク

エンジンの回転数に応じガバナーのリンクが傾き、これがキャブレターのスロットルレバーにフィードバックを与えます。

スロットルレバーとガバナーのリンクをつなぐ「針金のリンクとばね」はネットの写真を参考に組み立てましたが、現状だと初期状態でフルスロットルになっていない!

出典:https://ameblo.jp/yamadagaga/entry-12708797439.html

これが参考にしたネットの写真。(本来はこれが正解なのでしょう)


スロットルのレバーのリンクの位置は上の図が正しいと思うけど、わたしの個体は下の図のセッティングが適しているように思えます。(分解前も下の図の位置だった?)


ただし、下の図のようなスロットルのレバーのリンクの取付けは、ガバナのリンクを外さないとできそうもなかった。
ガバナのリンクを外すために、その下のユニットから外す。ガバナのリンクは、ガバナ軸を締め付けているだけで、どの位相でも取り付けられる。
今回は元の位相を覚えておいて、組立時に同じ位相に取り付けました。

おそらく、停止状態でスロットルが全開の位置になるように組み立てれば、リンクの取り付け方はどっちでもいいように思います(たぶん)。


試運転(2)


スターターを引くと一発でエンジン始動!!

電圧計も100Vを示す!

復活!

後から考えると、スロットルのレバーのリンクの位置はWEBの写真のとおりにして、ガバナ軸とリンクの取り付けの位相を調整しても良かったのでしょう。

後日小屋に戻り、リョービの草刈機AK6000 (560W) を動かしました。

うん、ちゃんと発電しとる!!


おわりに


今回のトラブルは、「ガソリンが古すぎた」が原因だったのでしょう。ならば、「分解しなくても良かったかも」ですが、キャブレターの清掃もできたし、なによりこの発電機のことが少し理解できたことは収穫です。

最近のマイコンを搭載した機械では、マイコンがおかしくなるとお手上げ!
逆にこの発電機のように古い機械は、何かあっても手を加えれば結構なんとかなります。

こうしてモノと向き合うことで、理解が深まり、愛着が生まれ、すこしだけ気心の知れた相棒となりました。