『仮面ライダーリバイス』における悪魔契約の代価はすべて「家族の記憶」で整理できるんじゃあないかと妄想した日。

お疲れ様です。『風都探偵』の最新刊でエンジンブレードの心配をしている井の中の蛙ですっす。修理できるのアレ?

みなさま、「デザイアドライバー」は楽しく遊べているでしょうか。私は未だに『リバイス』に心を囚われています。明日からの『ギーツ』が楽しめるかも不安です。
そんな不安を抱えたくないので、必死に『リバイス』について妄想しました。その妄想をお裾分けしたい旨の記事となります。

今回のテーマは「悪魔との契約とは一律で、家族の記憶を代価にギフの細胞由来の超常の暴力を振るってもらうもの」です。今回?

01.一輝とバイス

作中で示されているように、彼らの契約における代価は家族の記憶です。ここは疑いようがありません。これ疑い出すと『リバイス』は何もかも分からなくなります。
では、契約における恩恵は何だったのでしょう?

これを考えるには、代価が支払われたタイミング、すなわち一輝が記憶を失ったタイミングを見れば良いはずです。
一輝が記憶を失ったタイミングは次の3点に集約できます。

・幼少期のベイル撃退タイミング
・サッカーでジーコを怪我させたタイミング
・仮面ライダーリバイ/バイス/リバイスに変身したタイミング

この中でサッカーについては、失ったものは家族の記憶ではありません。
家族の記憶に限定するのであれば、どちらもバイスが何かと戦った=超常の暴力を振るったタイミングにおいて、家族の記憶である代価が支払われていると捉えることができます。

このことから、『リバイス』における悪魔との契約あるいはギフとの契約とは、家族の記憶を代価にギフの細胞由来の超常の暴力を振るってもらうもの、と一律で捉えることができるのではないか、というのが今回の妄想の根底となります。

尚、この前提とジーコについての記憶喪失については大いに矛盾するのですが、その件については後述とします。
まずは他の悪魔についても目を向けてみて、上述の家族の記憶代価/超常の暴力が恩恵説の説得力を持たせてみたく存じます。

02.アヅマとギフ

アヅマと赤石のふたりはギフとの契約者であり、ギフテクスであることが語られています。実際、赤石は本編において人間離れした数々の能力を披露しています。
しかし、何故かアヅマが人間をジャッジする時にはナイフや拳銃を用いており、ギフ由来の能力を見せたような描写がありません。

人間の行く末を見定める赤石と人間の行く末をコントロールするアヅマでは契約内容に差異があった可能性もありますが、むしろそれならば人類に積極的に介入するアヅマにこそ、ギフの超常暴力は必要だったのではないでしょうか。

ここで、契約代価は家族の記憶説を持ち出してみます。
アヅマは過去に何人ものパートナーを得ており、同時にパートナーに先立たれています。そのパートナーとの記憶を失いたくないから、極力ギフの細胞由来の暴力を使わなかった、とは妄想できないでしょうか?
一輝に人生を楽しむことを忘れている的な指摘をされていましたが、実際に楽しかったパートナーとの記憶を忘れていたとも妄想できます。

『バトルファミリア』においてキメラドライバーを用い、(ギフの瞳を除いた)ギフの細胞由来の能力を使わなかった点も、妄想を補強します。もちろん「ギフの消滅により能力行使ができなかった」や「ギフを倒せる相手にギフ由来の能力では不足」等の理由も考えられますが、アヅマはパートナーとの記憶を失いたくなかったからギフに関係のない戦力(キメラドライバー)を求めた的な理由も、一考には価しないでしょうか。
※『ばーすおぶきめら』未視聴です。

03.赤石とギフ

家族の記憶が代価なら、超常能力を行使しまくってた赤石はどうなるんだよ。アヅマ以上にパートナー/家族をつくりまくってたとでも?
尤もな疑問です。
そして、アヅマ以上に家族をつくっていたが理由だと回答します。しかし、それはアヅマのような最愛のひとりが複数いたわけではないとも考えています。

何故赤石は、アルティメットが登場するぐらいまでの間、五十嵐家族を全滅させなかったのでしょう? ギフの細胞を持つ五十嵐家族も、自身の家族/親戚だとでも思っていたのでしょうか? 家族を手にかけるのは忍びないとでも?

それが事実なんじゃないでしょうか。赤石はギフの細胞に関わった人間をみんな家族だと捉えていた。五十嵐家族に限らず。すなわち、デッドマンズのメンバーも家族だと捉えていた。
こう仮定すると、デッドマンズなる組織の役割も見えてきます。デッドマンズは赤石の家族ストックを増やすための組織でもあったのです。

赤石と牛島父の会話についても、この説を採用したい理由となります。明石、妙に家族というものにこだわっている節があるんですよね。大二を息子と思っているとか。赤石にとって家族とは、ギフ様の能力を振るう為の代価でしかなかった。しかし人間がその家族を大事にしている場面を目撃することで、自分も大二を代価ストックとしてではない家族と思えるようになったとか。

悪魔との契約における家族の定義は、血の繋がり等ではなく、本人が家族と感じているかどうかってのは一輝が証明してます。したがって、こういう可能性もあるんじゃないかなあ。赤石ではないですが、アギレラはデッドマンズを家族のように捉えていたって演出もありましたしね。赤石も一方的に、彼なりの理屈で家族認識してた可能性はあると思います。思ってください。

04.御子柴朱美とギフ

朱美さんも、本人が望んだわけではないものの、ギフの契約者です。但し、彼女はアヅマ/赤石と異なり、自我が消えていくような描写がされていました。ふたりと朱美さんの差異は何だったのか。
代価である家族の記憶が消えていったからだったのではないかと考えられます。

そもそも、「家族の記憶が消える」の行き着く先は何なのでしょう。払えるものがなくなったから契約満了、ではないでしょう。
家族、とは、どこまでが家族なのでしょうか。自分自身は家族に含まれないのでしょうか

含まれると仮定してみてはどうでしょう?
例えば家族ですき焼きを食べたや、家族でドミノ倒しに挑戦したって記憶は、家族のエピソードでもあると同時に、自分自身のエピソードの喪失とも言えるんじゃあないでしょうか。

自身以外の家族の記憶を失い、最後には自身への記憶がなくなっていく。そうして人間社会への帰属意識を失わせ、ギフへ帰属させることが、契約の背景にあったりはしないでしょうか。

家族の記憶には自身への記憶も含まれる仮定は、自分でも飛躍が過ぎると思いますが、朱美さんの自我が消えていったことを考えると、なくはない可能性なのかなあなんて考えたりもしています。

05.白波純平とベイル

※『仮面ライダーベイル』見ていないのでかなり妄想が過ぎます。

白波純平はベイルの暴力を行使する内に、両親の記憶を失っていった可能性はないでしょうか。
家族の記憶を失うプロセスは、エピソードを順次忘れていき、最終的に対象人物のことを忘れるなので、両親のことは覚えているがエピソードをどんどん忘れていくってことが起きててもおかしくはないです。

そうして家族のエピソードを忘れていく喪失感の中で幸実に惹かれた的な展開、いかがでしょう?

また、五十嵐元太が家族写真を飾ったり、ジョージが不審がる勢いで動画配信をしているのも、記憶を失うことへの恐怖から、記録を残そうとしているから、みたいにも捉えられないでしょうか。

06.狩崎親子とシック

契約はしていないとは思うのですが、家族の記憶を代価に超常の暴力を振るえると仮定すると、少し面白い可能性が見いだせます。シックが暴力を振るう場合、代価は真澄とジョージのどちらから支払われるのでしょう?

真澄から支払われる場合、ジョージ観点ではデメリットは皆無となります。
真澄観点でも、ジョージを守れる可能性があるので問題なしです。

ジョージから支払われる場合、ジョージにとってはデメリットかもしれませんが、真澄観点では問題なしです。何故ならジョージ目線での家族の記憶とは真澄についての記憶になるので、真澄観点では忘れられても、最愛のジョージを守れるので問題なしなのです。

後者の場合に、代価は最終的に自身の記憶って仮定を持ち出すと厳密にはアウトになりそうですが、一時的にでもジョージを守れるなら真澄観点ではOKではないでしょうか。そも、ローリングバイスタンプ辺りからも分かるように、真澄って後先考えずにその場その場の対応をする癖がありますし。何だったの、本編でのローリングバイスタンプ。

何にせよ、どちらのパターンでも、悪魔の暴力を用いてジョージを守りたかったって理屈は成立するんですよね。そもそも、ウィークエンドが動き始めるまでジョージは真澄が他界してると思ってたのも、真澄観点でのデメリット軽減の理由になります。

狩崎真澄が悪魔=自身の悪性を息子に移植した理由はさっぱり分かりませんが、一輝の話した「息子であるジョージを見守る為」ってのも、上述の理屈なら成立する可能性はあるのかなあ。

07.大二とカゲロウ

彼らは契約していません。契約してないからカゲロウは悪魔としての身体を持ちません。では何故カゲロウは契約を持ちかけなかったのか。悪魔との契約は、家族の記憶を代価に超常の暴力を振るうもの仮定で考えてみたいです。

カゲロウの存在の根幹は、兄である一輝へのコンプレックスです。旅行エピソード見るに家族そのものに対して思うものがあったようですが、根源としては一輝へのコンプレックスによって生まれたとカゲロウ自身が語っています。

カゲロウが悪魔として超常の暴力を振るう場合、その代価として一輝についての記憶を失う可能性があったのではないでしょうか。一輝の記憶を失うことは、すなわちコンプレックスの元となるエピソードを忘れることになり、カゲロウの存在意義がなくなってしまう。だから契約を持ちかけられなかった。

また、一輝へのコンプレックスは、別に一輝にいなくなってほしいというものではなく、大二が一輝を超えたいという願望からのものだったのではないでしょうか。
つまり、大二ではなく悪魔としてのカゲロウが、悪魔としての超常の暴力を用いて一輝を倒す(超える)ことができたとしても、コンプレックスの解消には繋がらず、大二の望みは叶わない
大二が一輝を超えるために、大二の身体で、大二にも使えるツーサイドライバーによって一輝を倒す必要があり、それもカゲロウが悪魔としての身体を求めなかった、契約を持ちかけなかった理由なのではないでしょうか。

つまり、カゲロウはやろうと思えばバイス同様に大二に契約を持ちかけることができたが、上述の理由からあえてそうしなかった。
カゲロウのみが悪魔の中でもトップクラスに異質な理由、これで解消できないでしょうか。私は解消したとしたいです。

EX.さくらとラブコフ

彼女らは契約をしていないので、今回の仮説とは何も関係ありませんが、せっかく悪魔について書いているので、ラブコフについても言及したく存じます。
さくらの悪性/捨てたかった弱さ。それは、(末妹として)守られたい願望だったのではないでしょうか。

実は序盤の空手のシーンで、空手をしている間は妹の役割から解放される的なことを言っています。
さくらは、妹として扱われたくない、自立した存在として扱ってほしい願望があり。それと同時に、妹として守られたい願望もあった。大二たちにさくらは戦わなくて良いと言われた時に、その反発心と安心を同時に抱いたのが、さくらが混乱していた=初回で変身に失敗した原因だったと捉えています。

そして守られたい願望を弱さ/悪性として、ラブコフの形で強制排出。弱さ=守られたい願望を担う存在となったので、ラブコフは他のデッドマン(悪魔獣)とは異なり戦場を逃げ回る、守られる存在として現界したと思われます。
※バイスタンプによって排出+コブラのゲノムを模した姿をしているので、ラブコフは限りなくデッドマン(悪魔獣)に近い悪魔と言える。きっと。

また、ここまで言うと本当に妄想が過ぎますが、守られたい願望だけでなく、与えられた役割を演じてしまう点も、弱さと認識してた可能性があります。
何故かと言うと、弱さを担ったラブコフが、リスタイルなる求められる武装への変身を実施するからです。
妹なる役割から解放される云々は、上述の通り空手シーンで語られていますしね。なくはないかなあ。

しかし、弱さを担おうが悪性を担おうが、結局悪魔も本人の一部なので、時間が経つにつれさくら同様にラブコフも自立した存在として扱われたい願望が強くなり、インビンシブル蛇ンヌへと繋がったのだと思います。

なお、インビンシブル蛇ンヌになるまでさくらがラブコフと対話しようとしなかった点に言及している方が一定数いらっしゃる認識ですが、ラブコフはさくらの認めたくない自分として分離しているので、関わろうとしなかったのも当然かなあ、と。インビンシブル蛇ンヌによって、初めてさくらは弱さを受け入れられたんですね。
弱さを受け入れた私は無敵とか言ってる割に戦績が良くなかったのも、弱さを受け入れられれば(受け入れることができれば)無敵であって、受け入れてはいなかった蛇ンヌの時点では当然のことだったのかなあって。インビンシブル蛇ンヌの戦績は割りと良かったですよね?

08.バイスが消えたら記憶が戻った理由+そもそも何故バイスが消えたのか

カゲロウが悪魔としての身体を求めなかった理由は、大二が一輝の記憶を失って存在意義がなくなる可能性があったからと仮定しました。
その仮定をバイスにも当てはめることで、最終話の展開にも納得ができるようになります。

最後の変身と言いながらも、一度変身解除しまた変身した点についてはどちゃくそ簡単です。
一輝の記憶喪失のプロセスは、まず対象人物とのエピソードを忘れ、最終的に対象人物のことを忘れる順を踏むからです。一度目の変身でバイスとのエピソード喪失が開始され、2回目の変身でバイスそのものへの記憶喪失が開始された。だから2回になったということです。

では、何故一輝から忘れられたバイスは存在が消えたのか。+最後の変身と認識してたのか。
これについて思い出したいのが、バイスに限らず悪魔とは、人間の悪性であるということ。つまり、バイスにまつわるエピソードを忘れるということは、一輝が悪性を感じたエピソードを忘れることにならないでしょうか?
一輝から悪性(を感じたエピソード)がなくなったことによって、存在意義がなくなってしまい、バイスは消えた。こういう理屈なんだと捉えています。

悪性エピソードが消失する時点でバイスの消失は確定してたので、変身解除(2回目の変身)の有無に関わらず、最後だった。
サッカーシーンで明るくなったなって言われてますが、過去の悪性を感じたエピソードが消失してるなら、そりゃあ明るくもなるでしょう。

最後に、バイスが消えたら一輝の記憶が戻った点について。
これについては、代価である家族の記憶は、消えるものなのではなく、封印される/思い出せなくなるものだったと捉えるしかないと思います。なかったことにはなっておらず、でも本人は自覚できない情報となる。封印をしていたバイスが消えたことによって、封印が解除され、記憶が戻ってきたという理屈。

さすがに、「代価を支払えなくなったので契約満了です。これまで支払った代価を返してください」って理屈ではないはずです。それができるなら実質的に代価なしで契約できるのと同義なので。

すき焼きによってバイスっぽい振る舞いが現れたのは、一輝がすき焼きによって悪性を感じたからなのでしょう。悪性を感じたことでバイスが復活しかけているみたいな。
すき焼きで悪性? ともなりますが、元々第一話第二話のバイスは母弟を食べようとした=一輝は母弟を疎っていたと言えるので、成立はするかと。家族団欒は楽しいと同時に、嫌なもの的な側面もあったんじゃあないかなあ。

09.ジーコ事変について

最後の課題として、悪魔の契約は家族の記憶を代価に悪魔の超常の暴力を振るう仮定には当てはまらない、どころか、『リバイス』の中でも群を抜いて異質なジーコ事変について考えます。

まず、ジーコを怪我させた記憶については、何かしらの暴力の代価として封印されたのではありません。何故なら、一輝が忘れたいと願ったと語っているからです。バイスはそれに応えたと。そもそも、ジーコは家族ではありませんしね。バイス同様家族同然に思っていた、というのもありえないと思います。仮に怪我をさせる前にそう思っていたとしても、怪我させた後は無理でしょう。

ならば、もうバイスが記憶を封印したと考えるしかありません。契約の代価として家族の記憶を封印するってことは、悪魔(ギフの細胞)には人間の記憶を封印する機構が存在すると言えます。その機構を応用して、ジーコにまつわる記憶を封印したのでしょう。代価は、まあ、本編で語られなかったテキトーな記憶を封印したんでしょう。手巻き寿司でも食べたんじゃない?

契約代価としてではなく、裏技を用いての記憶封印だったので、ラフレシアデッドマンによって記憶を思い出すことができた、という展開にも繋げられるかと思います。
でないと、テキトーなデッドマンズ、と言うかオルテカとまた司法取引してラフレシアデッドマンを召喚させれば、一輝の記憶を全て取り戻せることになってしまうので。作中の登場人物が誰ひとりとしてそれを提案しなかった理由は、その方法ではジーコ事変以外の記憶は取り戻せないものだったからと考えるしかありません。

何故ジーコ事変の記憶のみ取り戻せたのか、を考えると、本来の契約に則らない例外事象だったからと考えるのが一番納得できてしまいます。

例外を持ち出してしまうと、全ての事柄が例外で片付けられてしまうので好きくはないのですが、何度考えても、ジーコ事変のみは例外として処理するしかできませんでした。他の方はどう処理したんでしょう?

10.終わりに

いかがでしたか?
私は『リバイス』のストーリーやら展開やらよりも、何より設定面について語られないことが一番の不満でした。今回その不満を、妄想という形ではありますが処理できたとことで、ようやく『リバイス』の呪縛から開放されそうです。結局例外を出してしまったのは残念なところですが、ジーコはマジで仕方ない。誰か助けて。

今回悪魔について整理したことによって、赤石の狙いやギフの活動理由についても、何となく妄想できるようになりました。せっかくなのでこの辺りも整理して、書き散らかしたいと存じます。1年間追った時間を、ただつまらなかったで終わらせたくないので。時間の無駄だったと切り捨てたくはないので。

いつになったら『リバイス』の呪縛から開放されるんだ。

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