『王様戦隊キングオージャー』の読み取れなかった行間を自分なりに補間する日。

お疲れ様です。怖くてスピンオフを観に行けなくなったままの井の中の蛙ですっす。

『キングオージャー』はどちゃくそ面白かったですね。撮影/映像技術の凄さも然ることながら、個人的には前年/前々年と異なる緻密な設定が好きでした。
(お約束を壊すってのは最近ずっとやっていたのでピンと来なかったのもあります)

しかし、緻密すぎてとても本編の時間(約30分×50話≒25時間)ではすべてを語ることはできませんでした。とてもモヤモヤするので個人の妄想で補間しようとの試みです。
資料引用等を行ったわけではないので、「○○で記載されてたよ」等あればご教示いただけますと幸いです。


Q.二千年後の巨大な危機とは何だったのか

A.ライニオールが絶滅戦争のタイミングをダグデドと交渉した

ギラ達年代の物語のきっかけともなる巨大な危機。王たち(ラクレス除く)はバグナラクのことだと認識していましたが、バグナラクとの終戦後で訪れたハーカバーカでのライニオールとの会話を踏まえると、初めからダグデドのことを指していたとも読み取れます。
しかしダグデドは常にチキューの様子が見られるとされており、実際ラクレス戴冠時(神の怒り時)にチキューにいたことから、ダグデドを指して巨大な危機とするのであれば、二千年後とタイミングを固定しているのが変な話です。

この違和感の正体は、バグナラクと見せかけたダグデドのこととするのが自然です。
ライニオールとバグナラクの戦争はバグナラクが地下にこもることで停戦となりました。が、この時点でダグデドから絶滅させろと言われないのはおかしい。ダグデドと交渉し、二千年の猶予を貰ったのでしょう。ここでダグデドと交渉したからこそ、ハスティー家はダグデドのお気に入りになったとの理由付けもできます。

二千年も待てばバグナラクはまた繁殖するので、地下にこもった残党狩りをするよりも、繁殖後のバグナラクとの全面戦争のほうがダグデド向きだとでも言ったのでしょう。さらに、全面戦争時はダグデドが介入しないようにとも交渉したとすれば、ギラ世代のバグナラク戦争でダグデドが介入してこなかった説明にもなります。

尤も、ダグデドからすれば素直に約束を守る必要もないのですが、それまでのハスティー家の貢献(バグナラクの代わりに同種族のンコソパを虐めてたとか)で一応様子見してあげたとか、地球(キョウリュウジャー)で遊んでたのでチキューは見るに留めてたとか、その辺りだと思います。

尚、ライニオール独りでやったように書きましたが、実際はジェラミー父も貢献しています。二千年待つという条件をバグナラク側にも守らせないといけないので。
子を成していることからネフィラとの恋愛は事実なんでしょうが、バグナラクに向かった理由はその辺りもあるはずです。

Q.ライニオールはハーカバーカから復活して何をしようとしたのか

A.他の王を屈服させて王の力を復活/集約しようとした

ギラを優し過ぎるとしてハーカバーカから復活しようとしたライニオールですが、復活したところでダグデドに刃向かうつもりだったのか、それともこれまで通り服従するつもりだったのかはハッキリしませんでした。
ギラが優し過ぎるからこそ、民に苦痛を伴うダグデドへの服従はできないだらうみたいな文脈も成り立ってはしまうからです。

しかし、王の力云々の設定が明かされたことで話は変わってきます。王の力がひとつになるとは、各王が並び立つとも読めますが、同時に一人の王の元に集約するとも読めます。

ライニオールはギラを観察していたと言いますが、同時に他王についても観察をしており、彼らの足並が揃うことはないこと並びに、優し過ぎるギラが他王を屈服させることはできないと判断。自身が地上に戻り他王を屈服、場合によってはハーカバーカ送りにすることで王の力をひとつにし、ダグデドに刃向かうとしたのでしょう。

Q.ギラがオージャカリバーを奪う前のラクレスは何がしたかったのか

A.基本的にはライニオール同様王の力を集約しようとした

オージャZEROを開発したりダイゴーグを復活させたりと何がしたかったのかがイマイチ分かりづらいラクレスですが、元々の方針はライニオール同様王の力の集約と考えられます。
但し、ラクレスはライニオールと異なり王の力の内訳を知らない為、さらに奥の手となるオージャZEROの開発やカブト城の解析をする羽目になっていました。

ヤンマを執拗なまでに配下にしようとしていたのもその辺りが関係しており、国外出身=宇蟲王のスパイではない技術者を求めていた結果です。
(配下に置かないと優秀過ぎて危険なのも理由でしょう)

その辺りが揃えばダグデドに反旗を翻せると考えており、ダグデドに刃向かえる戦力ならダイゴーグなんてどうにでもなると考え、バグナラクとも交渉したのでしょう。バグナラクにも宇蟲王のスパイがいると考えられなかったのは玉に瑕。

Q.ラクレスはライニオールに会ったのか

A.会っていない/会ったとしてもギラ戴冠式時とタイミングは変わらない

ギラは戴冠式時にライニオールに会っていますが、ラクレスはライニオールに会っているのかという疑問。会った/会っていないによって、ラクレスの知っていた知識にかなりの差異が発生する為、抑えておきたいポイント。

ラクレス戴冠式時は神の怒りとタイミングが重なっている為、ハーカバーカに向かうような時間はなかったと考えられます。そもそも正式な戴冠式が執り行われたのかすら怪しい。
また、コーサスが時間がないとしてラクレスに直接いくつかのハスティー家の真実を伝えていましたが、後にラクレスがライニオールに会えるのであれば不要な行動です。すなわち(理由はともかく)コーサス視点でラクレスはライニオールに会えないと判断していました。
コーサスはライニオールに会い真実諸々を聞いた人物の為、彼が会えないと判断したのであれば、ラクレスはライニオールに会えなかったと捉えて問題ないでしょう。

尚、ラクレスはギラ戴冠式の辺りで仮死薬を服用している為、仮にライニオールに会えたとするならこのタイミングかと思われます。
このタイミングで会っても互いに話すことがなさそうですね。

Q.ハーカバーカとは何なのか

A.肉体から離れた魂が向かう場所

ライニオール周りの話が続いたのでハーカバーカについて。
ハーカバーカはソブンガルデ(『Skyrim』)のような、魂が行き着く場所。ノルドの英雄しか辿り着けないソブンガルデと異なるのは、チキューで亡くなった生物全ての魂が行き着いていそうな点。

ハーカバーカとの往来自体は可能(実際何度も行われている)ですが、ライニオールたちの現世(?)来訪時には扉が保たない的な発言があったため、扉を開いて往来するにはある程度のエネルギーのようなものが必要な模様。魂が現世で活動する為の物質(『女神転生』生体マグネタイト)を用意したり、現世の肉体のままでも活動できるように霊子変換(『BLEACH』霊子変換機)したりしてるんでしょう。
そのエネルギーを蓄える為に、一定の周期でしかハスティー家もライニオールに会えないとすると、戴冠式時とタイミングを固定している理由になりそうです。
ラクレスがライニオールに会えなかった理由にもなります。

ライニオールはデボニカを犠牲に復活しようとしたため(代替の肉体さえ用意できるなら)『キングオージャー』において死は絶対的なものではなさそう。しかし、ライニオール以外に登場した人物が比較的最近の逝去(没後が長めなのはネフィラぐらいで、他は前王時代の逝去)であることから、いずれは個人を保てなくなるのでしょうか。
グローディも怨嗟の声に苛まれている描写がありました。

バグナラクを斬り続けたライニオールも怨嗟の声に苛まれていそうなものですが、それでも存在を保っている辺りがおかしい人。

Q.グローディの死体操作能力とハーカバーカの関係性

A.あまり関係は無い

『キングオージャー』において死に関連する存在としてはハーカバーカとグローディがありますが、両者に接点はありません。
強いて言うのであれば、グローディが認識している死体とは、魂が離れた=ハーカバーカへと向かった肉体のことを指している程度の関係性。

Q.第二部で戦っていたバグナラクはグローディの操作死体だったのか

A.グローディではなくダグデドの操作死体

ずっとずっと不思議に感じていた第二部でのバグナラク戦闘ですが、グローディがダグデドの息子的な存在と判明したことで疑問は氷解。
第二部でのバグナラク戦闘はダグデドが操作していた死体に対してのものだったと捉えると自然です。
また、ダグデド産の操作死体とグローディ産の操作死体があることで、喋る死体と喋らない死体があった理由も判明しました。ダグデドは反応が見たいから喋らせて、静謐を好むグローディは黙らせる。
イロキ死体はダグデド産だからグローディの頭が上がらなかったのでしょう。

但し、王様戦隊側がどのようなロジックで生身バグナラク/死体バグナラクを見分けていたのかは不明。ギラはネフィラが死体だと見抜けていませんでした。
現世代のバグナラクの民は全員ジェラミー王に忠誠を誓った=逆らう時点で死体バグナラク的な判断?

Q.宇蟲組でグローディだけ人間態/怪人態があるのは何故か

A.バグナラクが今の姿になる前の下賜だから

ダグデドたちは所謂怪人態でしか活動していないのに、グローディだけは人間態を持っており、また普段から人間態で活動しているのは何故かという疑問。
グローディがダグデドからバグナラクに下賜された、ギラの前身とも呼べる存在と分かったことから、グローディもギラ同様、当時のバグナラクに産ませたと考えられます。

バグナラクはシュゴッドソウルを食べたことであの姿になったと言われており、またシュゴッドソウルを除けばチキュー人と遺伝子は酷似していると判明しています。
グローディが下賜されたのはバグナラクがチキューに来る以前の為、グローディの人間態はシュゴッドソウルを食べる前のバグナラクの姿であり、グローディにとっての本来の姿もそちらになります。

怪人態についてはシュゴッドソウル摂取によってダグデドに近づいた結果でしょう。恐らくギラに対してもシュゴッドソウルの供給を止めなければ、あのような怪人態を得ていたものと考えられます。

Q.ダグデドは宇蟲五道化の能力が使えるのか

A.使えない

グローディの死体操作能力をダグデドも使えることからの疑問。他の道化の能力も使えるのではないか、だからトップにいるのではないか。
作中描写から考えると、使わないよりも使えないとしたほうが自然です。石田彰のASMRは無いのです。

ダグデドが使えるのは息子(?)であるグローディ/ギラと同じく
•不死身の肉体
•死体操作
•シュゴッド操作
辺りものみ。加えて隕石操作や瞬間移動辺りもできていそうですが、いずれも他道化の能力とは異なります。

ダグデドは全知全能だから宇蟲組のトップにいるのではなく、彼らの中で最も強いや血統等の理由でトップに位置されているのでしょう。シュゴッド操作が宇蟲組にも有効みたいな可能性もあるかもです。

Q.ダグデド/ギラの不死身は不死身なのか

A.特定の因果以外では死なないという意味での不死身

不死身と言われつつ寿命で死ぬとも言われたり、そもそもダグデドの能力を付与されたカリバーZEROなら滅ぼせたりと、よく分からない『キングオージャー』における不死身。
特定の外傷(ダグデド由来)以外では死なない(そもそも傷つかない)という意味での不死身と捉えると諸々に筋が通ります。

ダグデド自身が与えた外傷でないと死なないのであれば、人間の観点では実質的に不死身でしょう。
ギラが寿命で死ぬのは、恐らく母親由来の人間としての身体の限界なのではないでしょうか。またダグデドと異なり度々ボロボロになっていたのは、人間側の肉体が傷ついていたのでしょう。

尚、グローディも元々は特定の外傷以外では死なない不死身だったと思われます。彼も寿命的な問題で死体となり、その上で自身の死体操作能力が働いたと考えると、ギラとの差異が少なくなります。

余談ですが、決闘裁判においてラクレスがギラの急所を外した/外していない問題について。ラクレスはギラの不死身を知っていた為、全力で攻撃したと考えて良さそうです。手を抜いて他国に怪しまれるのも困りますし。

Q.グローディとギラのダグデド由来能力が異なるのは何故か

A.スキルツリーが異なるだけで最終的には同じになる

何故ダグデドの息子なのに能力に差異があるのか問題。
単純に目覚めた能力の順番が違うだけだと思われます。
恐らくギラもシュゴッドソウルの摂取を続ければ、死体操作能力も得ていました。

言い換えると、グローディもシュゴッド操作できていて不思議ではないというか、恐らく操作できます。
しかし彼は死体愛好家の為、生きているシュゴッドの操作はしなかったのでしょう。ギラ曰く、シュゴッドは結構お喋りみたいですし。

Q.ジェラミーの永遠の命とは何か

A.本来産まれるはずの子孫の寿命を奪う能力

不死身に近しい(?)概念として、ジェラミーの永遠の命について。
『キングオージャー』において永遠の命とは、果て無き連なりのことを指します。要するに子孫繁栄。
永遠の命としてジェラミーの胸に生えた結晶は、自身の子孫をつくれなくする代わりに生体マグネタイト(『女神転生』)の蓄積/供給機関の役割を果たしていました。

このように考えると、ジェラミー父に永遠の命が分配された理由も検討がつくようになります。
•五王国内での永遠の命の奪い合いによる戦争回避
•バグナラクに対して二千年待機するよう伝える語り部にする為
•ネフィラとの寿命差問題の回避
•ネフィラとの間に子が産まれないようにする
(ハーフは間違いなく二千年後の戦争時に問題の種になる)

ライニオールの目的を果たせるだけでなく、ジェラミー父側にも一定のメリットがあります。特にネフィラとの寿命差問題の回避は喉から手が出るほどに欲しかったはず。

しかしジェラミー父は自分がネフィラと共に生きることよりも、ネフィラとの間に子を成すことを決意。胸の石を何らかの手段で破壊した後に子であるジェラミーを成し、彼に王の証(蜘蛛仮面=クモノスレイヤー)を継承させたのでしょう。

胸の石の破壊方法は特定できませんが、当時のイシャバーナ国王に頭を下げたや、そもそも王の力の継承を拒んだ=胸の石は生えていなかった等、いくつも可能性はあります。

Q.ジェラミーはいくつ王の証を持っているのか

A.クモノスレイヤーひとつ

ジェラミーの王の証がクモノスレイヤーなのか胸の石なのかで揉めている話題を稀に目にします。ここに関してはそこまで不思議ではなくて、王の証はクモノスレイヤー/王の力は永遠の命の集約/胸の石は王の力で生まれた副産物の関係性で解決します。

永遠の命があるのにジェラミーが成長しているのが不思議云々の話題も目にしますが、『キングオージャー』における永遠の命の定義が子孫繁栄であることから、子を成せる肉体年齢に達しないと王の力が機能しなかっただけの話でしょう。本来産まれるはずの子孫の寿命を奪う為には、そもそも先に子をつくれるようにならないとねってお話。

Q.王の証と王の力の関係性とは何か

A.秘伝技マシンと秘伝技(『ポケモン』)

カーラスが王である時からリタが氷の秘術を使えたり、リタが王になった後もカーラスがグローディに対して氷の秘術を使っていることからの疑問。
王の証に秘められた力は一度取り出したら終わりなのではなく、何度でも使えるわざマシン(『ポケモン』)なのでしょう。

余談として。リタの瞳に術式が宿ったように見えるのは、ジェラミーと同じく王の力の副産物と捉えられます。あくまでも王の証は手飾り。王の力は氷の秘術であり、発動の為の術式が瞳に宿る関係。

Q.王の力が国の事業と対になっているのは意図的なものか

A.対ではなく興国に必要な能力を分配した

テキトーなことしか言わないジェラミーのせいで生まれた疑問。
例えばンコソパに雷の力が与えられたのは、国を滅ぼしかねないからだったのか/王に対しての抑止力も兼ねていたのか。

テクノロジー分野を主力にする為の電力目的でンコソパには雷の力が分配されたと考えたほうが自然じゃあないでしょうか。興国から電力供給を安定させるまでの道程って大変なはず。最初期は王の力の雷で電力を賄ったほうが発展も早そう。

イシャバーナも同じく、医療が発達するまでは安楽死を与えるのもある種の救いだったのではないでしょうか。特に感染症とか。
触れずに命を摘出できるのは、製薬の観点でも有効に思えます。

トウフは焼畑農業方式で開墾した可能性を考えられます。また、作物の調理という観点で火の操作能力は欲しいはず。

ゴッカンは言わずもがな、罪人を収容する牢が準備できていたか怪しい。法を無視した裁き云々は、そもそも氷の秘術で裁かなきゃ良いだけですし。

(プロではないので的外れかもしれませんが)それぞれが興国時に必要な能力を分配されたとしたほうが、興国後にどうなるか分からない国の事業と対になる王の力の関係性よりも、よっぽど自然です。

Q.シュゴッダムの王の力とは何か

A.始祖光来=変身能力

他国の王の力については明言されましたが、実はシュゴッダムに分配された、すなわちオージャクラウンに宿った王の力は明言されていません。
オージャクラウンの登場によって発動したものは始祖光来とキングコーカサスカブト城の変形ですが、前者が王の力ではないかと考えます。

理由のひとつはライニオールの反応。始祖光来したギラに対して懐かしいと発言しており、ライニオール自身が始祖光来を使用していたことを暗示しています。

理由のふたつめはコーカサスカブト城が個人に依拠しない外部の存在である点。他の王の力が個人に宿り単独で機能する能力であることに対し、コーカサスカブト城なる別存在を前提にする能力はかなり異質な文脈になります。
前線に立つ王が負けたら、城が宇宙船に変形できずに民が避難できなくなるのも不自然です。
(登場時にコーカサスカブト城が変形できなかったのはパーツ破損が理由で王家云々は関係ない)

王の力は始祖光来=変身能力であり、コーカサスカブト城には王家の人間=オージャクラウンの所有者しか動かせないプロテクトがかけられていたとするのが自然でしょう。持っているだけで良いのなら、王が負けそうになったらテキトーな民にオージャクラウンを託せば済みます。

余談として、始祖光来を王の力と仮定するなら、王鎧武装についても妄想が進みます。ライニオールの王の力である始祖光来を、各王も成せるように研究したのが王鎧武装であり、オージャカリバーZERO(並びにクモノスレイヤー)に機能を持たせ、量産化したのがオージャカリバーだとルーツがハッキリします。

ライニオールの王骸武装はオージャカリバーZEROがどうこうではなく、自身に宿った変身能力がオージャクラウンへの封印+ハーカバーカの影響で変質したことが理由。ライニオールがオージャクラウンやオージャカリバーZEROなしで変身できるのは本編で判明しており、ハーカバーカから現世に駆けつけたライニオールは王骸武装していたにも関わらず空手でした。
(この点はリアルな役者都合だとも思いますが)

このことから、恐らく本編最終時のギラはオージャカリバー無しでも変身できます。

Q.何故ヒメノは王の力でギラをハーカバーカ送りにしようとしたのか

A.ギラのことを宇蟲組と認識しているから

グローディに通用しなかったからギラでテストしようとし、死んじゃうから嫌だと拒否られれば不死身だから大丈夫と返し、好きで不死身じゃないと言えばブチ切れた後に不死身じゃないとか言い出したシーン。
役者はどうやって気持ちをつくったのか、役者ってすげぇなあと感嘆するシーンですが、疑問であることには変わりません。

結論としてはヒメノの王の力が宇蟲組に通用するかをテストしたかったからです。本来はグローディに通用してOKとしたかったものの、通用しなかったのでテストケースを増やそうとした形。
ギラはダグデドの息子なので、ギラに通用するならダグデドにも(即死させられるかはともかく)通用すると判断したかったのでしょう。

なお、ギラが死んじゃうのに大丈夫なのか問題については、そもそもヒメノの王の力は命の"摘出"な為、戻すこともできる想定だったのではないでしょうか。実際ジェラミーから摘出した命をグローディに戻しています。

仮にギラが死んだとしても、ダグデド戦にギラの王の力は別に必要ではありませんし、不死身の身体も通用しません。ダグデド攻略の為の必要な犠牲の範疇にはなります。
そもそもハーカバーカにて復活の儀式をすれば良いだけとも言えます。

このことから、不死身だから大丈夫発言は、上記の長々した説明を省いてギラを安心させる為のテキトーな発言。そうしたらギラが地雷を踏み抜いてきたのでテストどころの気分ではなくなってしまったと読み取れます。

Q.グローディを氷の秘術で封印しなかったのは何故か

A.封印が解けた際に被害が即時発生する為

グローディに対して氷の秘術ではなく命の摘出を用いたのは、前項と同じくダグデドに通用するかを試す為でしょう。
しかし、通用しなかったのに命の摘出にこだわった点は疑問です。テストならギラ相手で構いません。
ヒメノの我侭としたかったところですが、ヤンマがそれしか方法はなかったと発言し、周りも異論を唱えていないことから、彼らの中での合理的な理由があったと考えられます。

氷の秘術は一度解かれている為、短期はともかく長期的には不安が残るから避けた可能性は高そうです。その場合、氷の秘術で済ませたミノンガンとグローディの差異を考える必要があります。

ミノンガンは攻撃するとダグデドが増える可能性があります。つまり触れてはならない存在です。しかし攻撃を受けるという受動的な能力でもあります。能動的な被害は周囲の年齢操作ですが、即時老衰死(『仮面ライダーW』オールドドーパント)は起きていません。

対してグローディは神の怒りという能動的かつ影響の大きい被害を出します。神の怒りがなくとも、死体操作に依拠する混乱が起こる事態は避けようがないでしょう。

総じて、グローディは封印で済ませて後の世代に残して良い相手ではないと判断されたものと思われます。
ミノンガンも現世に留めるにはかなりの不穏分子なので、カメジム同様、門を通じてハーカバーカに送ったほうが良さそうではあります。ギラの次の世代の戴冠式に合わせて送るのかもしれません。

Q.ダグデド他宇蟲組はハーカバーカにいるのか

A.いる

ダグデドを倒してめでたしめでたしですが、ハーカバーカにいるなら危険なままなのは変わりないんじゃあないかという疑問。

そもそも移民である人間/バグナラクがハーカバーカに向かっているので、宇蟲組だから行かないって理由はなさそう。あの星で死んだらハーカバーカ送り。

その上で危険かどうかについては、そこまで恐れなくても良さそうに見えます。
復活の為には生身の肉体を用意する必要がありますが、宇蟲組の肉体を用意する手段がありません。ASMRで操ったところでハーカバーカから出られなければどうしようもないです。
チャンスがあるとすれば戴冠式時の扉を開くタイミングですが、戴冠式で扉を開く=ライニオールが存命(?)なので、好き勝手はできないんじゃあないでしょうか。

そもそも不安なら扉を開かなければ良いだけの話でもあります。ダグデドを倒した時点で、ライニオールがこそこそ真実を伝えるようなことをしなくとも、現世で堂々と語り継げば良しです。

Q.二千年前のバグナラク戦争でシュゴッドがライニオールに味方したのは何故か

A.バグナラクがシュゴッドソウルを食べ出したから

ギラと同じくシュゴッドに選ばれたとされるライニオール。だからこそキングオージャーはバグナラク側ではなく人間側に付いた文脈になりそうですが、この文脈は割と疑問が残ります。

ギラはシュゴッドに選ばれたとされますが、実際はダグデドの息子だからシュゴッド操作能力が備わっていただけです。移民であるライニオールとは前提が異なります。

そうなるとダグデドに操作されて人間側に付くように強制された可能性が考えられますが、戦争開始時点のダグデドがどちらかに肩入れする理由もありません。戦争ではなく一方的な蹂躙になってしまいます。つまらないはず。

となると、そもそもシュゴッドは人間の味方をしていたわけではないことになります。バグナラクの敵として、人間と利害が一致したから味方のようになった形。
シュゴッドがバグナラクを敵と見做す理由はあって、彼らってシュゴッドソウルを食べて戦力を増強していました。シュゴッドソウルはシュゴッドの命そのもの。シュゴッド目線ではバグナラクこそが侵略者です。
その為、シュゴッドはバグナラクと敵対し、結果としてライニオールの味方のように語り継がれるようになったのでしょう。

余談として、三大守護神に人間嫌いがいた説明にもなったりします。バグナラクを倒す為に戦ったに過ぎないのに、人間の守護神という名の兵器のように扱われることに納得いかなかったみたいな。

Q.キングオージャーが身体を犠牲にダグデドに刃向かったのは何故か

A.彼らもシュゴッドの王だから

最終話におけるキングオージャーの捨身の活躍は非常にエモーショナルでしたが、彼らは人間の味方ではない以上、捨身の献身をしてくれたや、種族を超えた絆があったみたいなシーンではなかったりします。
あのタイミングでならダグデドを倒せると考えたに過ぎないのです。

ダグデドはシュゴッド操作能力を持つ為、シュゴッド目線でも厄介な存在です。倒せるなら倒したいに決まっています。
キングオージャーは自身の身体を犠牲にしてでもダグデドを倒す道を選びました。それは、彼ら以外のシュゴッドの未来を考えてのことでしょう。

もちろん、当代の王であるギラやジェラミーであれば、残されたシュゴッドを悪いようにしないとの判断もあったと思います。シュゴッド目線で彼らとの交流が無駄だったわけではありません。
ンコソパの技術なら身体を新造してくれる打算もあったかもしれませんが、それも交流の結果です。

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