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『仮面ライダーリバイス』における悪魔とはなんぞやを考える日。

お疲れ様です。夏休みが半年ぐらい欲しい井の中の蛙ですっす。

毎週日曜朝9:00より放映している『仮面ライダーリバイス』、
皆さまは楽しめているでしょうか。
私は正直楽しめてはいませんでした。
割と設定厨なところがある私にとって、「悪魔とはなんぞや」等が
語られない本作は、私の消費傾向とは噛み合っていない印象を受けていたからです。

しかしつい先日友人より、「こういうことなんじゃないか?」と解説(?)を受け、目から鱗が落ち、涙を流したことで、『リバイス』が少し楽しめそうになってきております。

ので、その解説をお裾分けする旨の記事となります。
第47話までの情報を基に考えているため、今後の情報で破綻する可能性が大いにあります。
また、私が『バトルファミリア』以外の本編外作品情報を仕入れていないので、そこで誤解している点が含まれる可能性もございます。予めご了承ください。

余談となりますが、件の友人を「まるでリバイス博士だ」と褒めたら割と怒られました。何故。

1.悪魔とは①-悪魔と悪魔獣

「悪魔とはなんぞや」は本編では語られていないのですが、
公式サイトには以下のような記述は(辛うじて)読み取れます。

https://www.tv-asahi.co.jp/revice/vistamp/giffstamp.html (2022/08/14 02:00閲覧)
https://www.tv-asahi.co.jp/revice/enemy/ (2022/08/14 02:00閲覧)


さっそく悪魔と悪性で表記揺れしているように見えて辛いです。

ここで認識しておきたいのは、悪魔と悪魔獣(デッドマン)は別種とされている点になります。
悪魔獣は悪魔の進化系のように書かれており、悪魔=悪魔獣ではないんですね。
こう定義すると、五十嵐兄弟が悪魔獣を倒しながらも「人間に悪魔は必要なんだ」と発言した点に矛盾は発生しません
悪魔ノットイコール悪魔獣は成立するでしょう。

それでは悪魔=人間の悪性は成立するのでしょうか。すると考えます。
と言うのも、本編でのギフ様への言及並びに本人(?)の言動と一致するからです。

ギフ様は(人間の)悪性エネルギーを食料とする旨の言及と、
ギフ様の「人間が悪魔と呼ぶものを食べる」旨の発言です。
それぞれ第何話だったかは覚えていませんが、言ってたはず。

このことから、悪魔=人間の悪性は成立すると言えます。
言えると定義して本記事は進めます。

本項のまとめ
①悪魔とは人間の悪性の言い換え
②悪魔と悪魔獣は異なる
③悪魔獣とはバイスタンプ/ギフスタンプによって強制排出/具象化された悪魔(人間の悪性)

2.悪魔とは②-バイスとカゲロウとラブコフと

それでは次に考えるべきは、バイスとカゲロウとラブコフは悪魔獣なのか、という観点です。
これは悪魔獣ではないと考えます。

「人間には悪魔が必要なんだ」発言と矛盾しそうになる、というのもあるのですが、それ以上に、彼らはバイスタンプ押印前から具象化を始めていたからが理由です。

過去の火事のタイミングで現れたバイスについて、スタンプを使って契約していたかどうかは定かではありません。
しかし、カゲロウとラブコフについては、スタンプを使う前から身体の制御を取られていたり、声が聞こえていたりする描写がありました。

バイスについてもスタンプを使用したとは考えづらく、その理由としては、バイスだけ契約者の記憶が消えるデメリットが発生しているからです。
スタンプ契約によって現れる悪魔獣について、記憶が消えるような描写は特にない。
このことからスタンプ契約ではないと考えられます。

また、補強として、当時の一輝がプロトブランクバイスタンプを入手できるとは考えづらいという点もあります。
バイスの姿は特定生物の遺伝子に影響を受けているとは考えづらく。
しかし、ブランク以外のスタンプを使ったのであれば、他の生物を模した姿になっていたはずです。
このことから、プロトブランクバイスタンプを使ったorスタンプを経由せずに契約したのどちらかであると考えられます。
前者であれば悪魔獣のカウントになりますが、可能性としては非常に低いでしょう。

そして、スタンプを使っていないのであれば、彼らは悪魔獣ではなく悪魔になるのです。

本項のまとめ
①バイス/カゲロウ/ラブコフは悪魔獣ではなく悪魔と捉える

3.悪魔とは③-バイスとカゲロウとラブコフとギフ様

では、そもそもとして悪魔がスタンプなしに具象化できたのは何故か。
それは本編でもさんざん言われているように、五十嵐兄弟にはギフ様の遺伝子が宿っているからが有力でしょう。

ギフ様の遺伝子と具象化に関係があるのかについては、ギフ様の性質を考えれば納得できなくはない気がします。
ギフ様って概念体ではなく、現実で傷つく肉体をお持ちなんですよね。
肉体を持つギフ様が悪性エネルギーという概念のみで活動できるのかを考えるとちょっと疑問。

そこから、ギフ様の肉体(遺伝子)には、悪性エネルギーを具象化する機能が宿っていると考えるのは、さすがに苦しいでしょうか? 具象化させることで肉の身体でも満腹感を得ているみたいな。

苦しい気もしますが、そうでも考えないと三人の悪魔の特異性に説明がつかないので、こう定義しましょう。

バイス/カゲロウ/ラブコフの性質がそれぞれ違うのは、各自の宿している遺伝子量に差異があったからとかじゃないですか?

本項のまとめ
①バイス/カゲロウ/ラブコフはギフの遺伝子で具象化した悪魔

4.悪性①-カゲロウとコンプレックス

ここまでで頑張ってバイス/カゲロウ/ラブコフは悪魔と定義しましたが、
それ以前に本記事は悪魔=人間の悪性と定義しています。

すなわち、バイス/カゲロウ/ラブコフは人間の悪性と定義することもできます。
各自の悪性を考えることで、本編での描写に説得力が持てるのではないか、という試みを実行します。

一番わかり易いのはカゲロウでしょう、本人が「兄へのコンプレックスから生まれた」と自白していますから。
コンプレックスが悪性なのかは分かりませんが、本人がいうからにはそうなんでしょう。

実際、大二が仮面ライダーとして活躍を続けたことでカゲロウは弱体化し、消滅しています。
仮面ライダーとして兄と並んだことで、コンプレックスが薄らいだのでしょう。

そんなカゲロウが復活しました。何故?

ってのはタイミング的に、ヒロミさんに対してのコンプレックスが生まれたからでしょう。

本編での描写では兄へのコンプレックスが再燃したようにも見えますが、あれらは兄を狂信するウィークエンド民への感情であって、兄へのコンプレックスではなかったように見えます。

また、父親とベイルの対決についてですが、大二のコンプレックスは兄のヒーロー気質由来なので、悪魔を受け入れる云々を見せられても別にコンプレックス再燃はしないでしょう。

ヒロミさんに対しては、引退したくせにもう一度表に出てきて、その上で(ウィークエンド民から)自分よりもヒーロー視されている男として、コンプレックスを感じてもおかしくはないんじゃないでしょうか。

ってことで、コンプレックスが解消されたから消滅し、コンプレックスが再燃したから復活した。
カゲロウについては非常に分かりやすい存在のように思えます。

本項のまとめ
①カゲロウは他者へのコンプレックス由来

5.悪性②-ラブコフと現実逃避

ラブコフも比較的分かりやすい存在です。「弱さの象徴」と作中で散々言われているので。

しかし、弱さって悪性なのでしょうか? そもそも弱さって何?
弱さを武器にして戦う仮面ライダーって何?
弱さが成長するって何?
無敵な割に蛇ンヌの戦績良くなくない?

ラブコフは弱さの象徴なのではなく、弱い自分=強くない自分を受けいれられない、すわなち自分に都合の悪い現実を見たくない=現実逃避的観点での存在なのではないでしょうか。
だからラブコフは戦場を逃げまわっていた、みたいな。

本編でのさくらは「どうしてこうなっちゃったの」的な発言も目立ちました。
また、ギフ様との決戦に至るまでラブコフと会話しようとしなかったのも、説得力を強めているように思えます。

ラブコフの成長(脱皮)も、弱さがどうこうしたのではなく、目を逸らしたものが増えていった結果なのではないかな、とか。

弱さを捨てた=都合の悪いものは見ない自分から、弱さを受け入れる=都合の悪いことから目を背けない自分に成れたことで、
インビンシブル蛇ンヌに成れたというのはいかがでしょう。

本項のまとめ
①ラブコフは不都合な現実への逃避由来

6.悪性③-バイスと責任放棄

バイスは非常に分かりづらい存在です。一輝がそもそも良く分からない存在です。責任感は強そう?

バイスといえば初期の食人衝動が目立ちますが、別に食人についてはバイスに限らないんですよね。
『バトルファミリア』でカゲロウ/ラブコフも食人衝動を見せていたので。
食人衝動はギフの遺伝子由来の、共通的なものなのでしょう。

よって、一輝の悪性は食人等の禁忌への憧れではないと思われます。

他にバイスといえばで思いつくのは、自由に振る舞いたい、みたいな描写。これが目立つように感じるのは私だけではないはず。
自由への憧れ自体は悪性と呼べるものではないでしょう。

しかし、「自由に振る舞う」を「責任を放棄したい」と言い換えることはできないでしょうか。

一輝のエピソードのひとつにサッカーで友人を怪我させて、彼の分まで頑張らなきゃといったものがあります。
その責任は重かったでしょう。投げ出したいと思うのは別におかしなことではないのでは。
実際、一輝は忘れました。

このエピソードを一輝が忘れているのも少し変な話で、銭湯家事で契約した代価の記憶は銭湯家事に関してのもののはずなんですよね。
未来の出来事であるサッカー怪我に影響があるはずがない。

ってことは一輝、覚えていないだけで、銭湯家事以外のタイミングでもバイス使ってない?

この仮定は、ジョージが不審がる程度に五十嵐パパが動画撮影している理由にもなります。
一輝、バイス使ってこれまでも記憶を失ってたことが多々あったのでは?
だから五十嵐パパは、もの忘れを起こす一輝の為に動画撮影という記録を残そうとしていたのでは?

何かをやらかして、バイスに尻拭いをしてもらう。その度にバイスのことを忘れる。
このように考えると、記憶を失うデメリットも、自分がやった行為の責任を忘れている=放棄していると言い換えられてしまいます。

バイスは自由に振る舞いたい=責任を投げ出したい悪性の考え、いかがでしょうか。

本項のまとめ
①バイスは責任を投げ出したい欲求由来

7.悪性④-シックとギフ遺伝子

余談として狩崎ダディの悪魔、シックについても言及します。
シックが悪魔獣か悪魔かは断言しづらいですが、概念の存在である悪魔を排出/排除ではなく、移植した点で、スタンプは使っていないと考えています。
具象化したなら倒せば良いし、倒せないのに具象化することはしないでしょう。
シックの見た目も特定生物由来とは思えませんし。狩崎ダディならプロトブランクバイスタンプ持ってそうなのでこの点での説得力は弱いんですけど。
とは言え悪魔判定で良いでしょう。

狩崎ダディの悪性は恐らくギフの遺伝子を扱うことでしょう。人間を滅ぼし得る危険物を自由に扱いたくなる気持ちは悪性で良いはず。
その悪性を切り離したからこそ、ギフ様に対抗する意識に成り、ウィークエンドに参画した(設立した?)と考えられます。
シックがギフの遺伝子を集めて培養しようとしてた点(『バトルファミリア』)からも、説得力はあるように思っています。

そしてシックは狩崎ダディ由来の悪魔ですが、ジョージにも影響を与えているはずです。移植されちゃったから。

そのシックが『バトルファミリア』で倒された。
だからジュウガというギフの遺伝子に依存しないライダーシステムを完成させたのは、実は筋の通った展開なのではないか。
ジョージのライダーシステムの最終形であるセンチュリーがスタンプすらも不要にしている点を含めても筋が通っています
スタンプって元々ギフ様由来の技術だし。狩崎ダディ由来技術ってのも大きそうですけど。

これ、結構衝撃的でした。『リバイス』ってしっかりしてる、ように思えてきた。

本項のまとめ
①シックはギフの遺伝子を扱うことへの欲求由来
②ジョージは①を失ったことでギフ遺伝子を排除したライダーシステム(ジュウガ/センチュリー)に着想を変えた

8.おわりに

いかがだったでしょうか。
本記事は7.を書きたいが為に始めました。
7.について少しでも心を揺さぶられる方がいらっしゃれば狙い通りです。私は揺さぶられました。

そして7.を理解するには『バトルファミリア』を見ておいたほうが良いんですよね。
ってことで皆さま『バトルファミリア』見ましょう! 殺陣すごいですよ!
『ドンブラザーズ』も面白いですし。

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