DIABOLIK LOVERSキャラソン初心者向け解説~切断★舞踏会~【ディアラバ最恐ソング】
大前提
ディアラバ=DIABOLIK LOVERS。吸血鬼のイケメンたちにドSに吸愛(きゅうあい)されちゃう乙女ゲーム。ヒロインは人間で、確か教会出身の娘だったはず。でも「イブ」と呼ばれる、吸血鬼たちを引き寄せる極上の血の持ち主。
※ディアラバのキャラソンを異常な回数聞きまくってる奴裳嵐すぴかの超個人的観点からのディアラバキャラソン解説(妄想)です。超個人的観点!
※ゲームやCDはうろ覚えやあまり詳しくないので、「歌詞がゲームのこのシーンとリンクするよ!」みたいな気づきのある方はコメントください★
※にわかによる、初見者様向けの導入紹介みたいなものなので大目に見てください★
※何番煎じ?うるさい!何回煎じても美味いんだよディアラバはよぉ!
※略称って「ディアラヴァ」が正しい?でも自分的に「ディアラバ」ってずっと読んでたので「バ」で統一します。
※歌詞、動画、画像の著作権は全てRejet、LEVEL-5など各社および岩崎大介氏に帰属します。
ツイッター(@SpikaDomoran)でアホほど男塾から読み解く「男」の思想について語ってた文脈で、ディアラバのキャラソンについて語る流れになったのでいくつかの曲に着目してみようと思う。(「男」思想今回は関係ないけど)
『切断★舞踏会』。
まず、諸君らはこれが読めるだろうか。「きりさきカーニバル」である。
この「ルビの多用、コーラス、台詞の導入など、超高密度に多重化された構造」(「Rejet岩崎大介の愛と暴力 ~ DIABOLIK LOVERSにおける救済の仕組み」より引用)こそが作詞者・岩崎大介氏の最大の特徴であり魅力である。この多重ルビ・ミーニングの技法についてはtalko氏が非常によくまとめてくれているためそちらに解説をゆだねるとして、私は単純にディアラバキャラソン初心者向けに楽曲を紹介するのが目的である。
概要
切断★舞踏会はDIABOLIK LOVERSの攻略対象の一人、逆巻カナトくんのキャラソン。CVは梶裕貴さん。イナズマイレブンにおいて一ノ瀬一哉や不動明王など、数多くのキャラの声を当てている人であり、かわいらしいながらも陰のある少年ボイスが魅力だ。
https://twitter.com/namibf_kazi/status/457418230500315136
そしてこの切断★舞踏会は「乙女ゲーム」であるはずのDIABOLIK LOVERSにおいて一番怖い曲であり、ガチホラーである名曲である。その世界観と梶さんの甘い少年声のアンバランスさが余計に恐怖と耽美を創り出している。ちなみに、カナトのキャラソンはだいたい女の悲鳴がSEとして入る。怖い。(好き)
なぜ解説シリーズの第一弾がこの曲なのか?怖すぎるので皆さんに恐怖をおすそわけしたいからです。
※ここからカニ〇リズムなどの残虐表現が入るのでガチで注意※
ようこそお姫様
最初に結論を述べてしまうと、この曲は「裸にひん剥かれて人気のない城に監禁されているヒロイン」の様子が目に浮かぶ。
監禁しているのは誰か?勿論カナトである。カナトはディアラバの攻略対象の中でも特に嫉妬深く、癇癪を起こしたりするほどの人物。「僕だけを見て」の感情が特に強い人物なのだ。おそらく、攻略対象の中で一番愛に飢えているのは彼だ。
では、カナトと彼女はどのような暮らしをしているのか?
「誰も知らない」「お城」で二人で孤立して暮らしているさまは読み取れる。
実は一番だけを読んだだけだと、不穏な気配はあれど、その真の意味を理解はまだできない。
素敵な悲鳴?饐えたバター?深紅の紅茶?ジンジャークッキー?
これらは、単純にゴシックな世界観に基づいた装飾的な美辞で書かれたものではない。この真意は、二番で語られる。
※ただ、「ヒトツ」「フタツ」「ミッツ」あたりの囁きは梶氏の素晴らしい演技もありこの時点ですでに怖可愛凄い(こわかわすごい)。
彼らはジンジャークッキーと紅茶とバターを食べて暮らしているようだが…それ、どうやって作ってるのだろうか。
さあ、切り裂いてアゲル
そもそもタイトルの「切り裂きカーニバル」とは何なのだろう。「複雑怪奇な傷」がつくほどカナトがナイフで傷つけている相手とは、誰なのだろう。二番を見ていくと、彼らの生活の全容が徐々に見えてくる。
まず、ヒロインは衣服を着せてもらえていないことがわかる。ディアラバはちょいHな乙女ゲーなので、ちょっとドキ///とさせられるシチュの一つとしてこうなっているのだが、もう一つの理由として、「逃げ出しづらくするため」ではないかとも思う。…逃げる?ヒロインはカナトの元から逃げたいのだろうか?なぜ?
もう、見えてきたでしょう?
「醜悪(みにく)い姿」つまり「有象無象な男(したい)」
これが全ての謎の答えだ。カナトが切り裂いているのは、恋敵の男達。ここからは私の解釈なので違うのかもしれないが、「摩訶不思議なJINGER COOKIE MAN」とは、カナトが殺した男達の死体なのではないか?
だって、ただのジンジャークッキーではない。わざわざ「摩訶不思議な」と形容しているジンジャークッキーなのだから。つまり、彼らはカナトの殺した恋敵の男達の死体を食べて暮らしているのだ。今まで歌詞に出てきた食べ物をおさらいしよう。
深紅い紅茶は、一番解釈が簡単。殺した男の血だ。(あるいは、カナトはヒロインの血を啜ってるかもしれない)
次に、二番に出てくる「臭う実芭蕉(バナナ)ジュース」。バナナはその形状から男性器ではないだろうか。ジュースと言うからには精液か。臭うのも道理だ。
これを元に一番に出てきた「饐えたバター」を解釈すると、バターは乳白色のどろっとした調味料。「饐えた」は「腐ったような酸っぱい匂い」を指す。つまりこれも精液を指していたのではないか。しかも殺して腐敗しているから饐えた匂いなのだ。エロ的な意図で書いているというよりは、死体が男であることを装飾的に強調している描写だと思われる。
カニバリズム生活。だからヒロインは「食べ切れず」、「吐瀉き散ら」しているのである。次第にヒロインはこの狂った城から逃げ出したくなる。だから電話を取る。「バレないコト信じ電話(TELL)」、カナトにバレずに逃げ出せることを信じ外部へ電話をかけるのである。しかしカナトにはしっかりバレてしまっている…。
「ずっと笑っていてね」
笑えるかい!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
※人肉を吐瀉して絶望号泣している全裸の女に「綺麗だよ」と言えるカナトの狂いっぷりがまた凄い。
※カナトは吸血鬼なので人肉を食べても抵抗ないのかもしれないが、ヒロインは人間である。
カナトの苦しみ
「悲しいコト辛いコト」
「キミが産み出す苦しい現実(せかい)」
カナトは大好きなヒロインを監禁して、悦んでいるのか?否。この曲の中で、ひたすらカナトは苦しがっている。一番では「悲しいコト辛いコトぜんぶ忘却(わす)れて」と言っているが、二番で「キミが産み出す苦しい現実(せかい)」と言っており、結局彼の苦しみはヒロインとの生活でも消えていない。
なぜか?
ヒロインの「愛」が彼だけに向けられていないからだ。
ゲームをやるとわかるのだが、カナトの要求する「愛」、「僕だけを見て」のレベルはかなり厳しい。文字通り「僕だけのことを考えないと許さない」レベルの、思考に侵食するレベルの激しい束縛なのだ。
別のカナトの歌になるが、『快感DEATH-TRUCTION』で「その『心』を刳り貫いて、僕のスベテ 詰め込みたい――……!!!!」とあるのがこれを端的に説明している。(!の多さも原文ママ。同曲には「愛されたい、どうしても!!!!!!!!!!」という歌詞もある)
この歌に「男」が登場する。カナトとは別の男達だ。おそらくヒロインは普通に男友達として接しているに過ぎないかもしれない。ただ、ヒロインは吸血鬼を引き寄せる特別な血の持ち主なので、他の男に奪われるかもという恐怖はあってもおかしくない。嫉妬深く愛に飢えたカナトなら、なおさら。男とのいかなる接触も許せないだろう。
ヒロインはおそらくカナトを愛しているのだが、カナトにとってそれでは足りない。だから衣食住全てを支配する。すると、ヒロインの愛は逆に減ってしまう。カナトから逃げ出したくなってしまうのだ。カナトのやっていることが、裏目に出てしまっているのだ。そんな生活を繰り返せば、カナトの「愛して」に反比例するように、ヒロインの「この人から逃げたい」が増幅するに決まっている。このすれ違いこそが「キミが産み出す苦しい現実」だ。
さよならお姫様
そして、最終的に「誰も居な」くなってしまう。ナイフの閃く音と、女の悲鳴と、カナトの高笑い。
彼女もとうとう、狂ってしまったカナトに殺されてしまうという結末だ。
どうだろう、肝胆を寒からしめられただろうか?私はこの曲を一番に紹介したことを後悔している。(怖すぎて)
しかしこの怖悲美しさ(こわかなうつくしさ)こそがカナトのキャラソンの魅力であり、なんだかんだでよく聞いて/歌ってしまうのだ…。
ディアラバのキャラソンは多重ルビや掛詞をふんだんに使いゴシックで耽美な世界観がどれも魅力なので、気に入った曲があったら是非CDを買ったりデジタル販売からDLしてみてね★
そして私がカラオケでこういう歌を歌い出しても引かずに暖かい目線で見守ってください。
余談
書き出すことで志向が整理され、ただひたすら怖い曲という解釈だけではなく、カナトの悲しみという解釈も追加できた。カナトはもしかしたら漢字だと「悲人」なのかもしれない。。。
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