先行者はいつか追い抜かれる

昨日は「帰社日」だったので,雇い元の会社の人と雑談を交えた近況報告会だった。まぁ広島のエンジニアの間では公取委に2回目の叱責を受けた某社の話題で持ちきりなのだが(その話はヤバすぎるので)それはそれで置いておいて。

雑談で「スマホの買い替えどうする?」って話になった。というのも,例の総務省による「SIMロック解除義務化」の話があって,本当に義務化されるのならそれを待ったほうがいいんじゃないの? ってことらしい。確かに今使ってる端末があと1年か2年で縛りがなくなったとして,その時に買い換えるのは賢いのかどうか。まぁ私は au なので(義務化されようがされまいが)関係ないけどねー

ここ5年くらいの間にスマホは市場に行き渡った感じで,敏い人は電話(ガラケー)とスマホを分けて使ってるし,私のように通話機能を重視してない人はメインはタブレットに移行してスマホは土管(tethering)と化してるし。おそらくこれからは(かつてガラケーでもそうだったように)ひとつのパイを喰い合う状況になっていくんでしょうな。

どっかの記事で「世界中で iPhone のシェアが高いのは日本だけ」ってのがあって,(本当かどうかは知らないけど)さもありなんって感じではある(そもそも,かつて Apple が世界シェアを握っていたのは「先行者優位性」によるものだったが iPhone はとっくの昔に「先行者」ではなくなっている。このように「先行者優位性」ってのは20年も保護するような大層なものではないのよ)。日本の端末市場がダメダメなのは,結局キャリアへの依存度が高過ぎる点にある(Apple はそうした日本の歪んだ市場構造をうま~く利用してるわけだ)。だからシェアの逆転現象も起きるし,それってかつて日本が自らを「ガラパゴス」と揶揄してた頃と何ひとつ変わってないことになる。

実際,先に挙げた雑談でも「もう日本製品はクールじゃないよね」って感じになっている。かつて世界シェア第5位にかろうじて入ってた Xperia (今は入ってない)も「高い!」以外の印象がない(かといって安くすればブランドイメージのさらなる低下を招く)。

総務省は「SIMロック解除義務化」の前にもっとやるべきことがあるんじゃないのかなぁ。義務化するのではなくキャリア側が「解除せざるを得ない」状況を作り出すほうが大事なんじゃないの? それが「政治」ってもんだろう。そうやって初めて「地に堕ちた日本ブランド」回復の芽が出るんじゃないの?