見出し画像

テルアビブのタクシー運転手との会話

テルアビブ滞在の最後の日の午前中、弁護士事務所でのミーティングがありました。出国フライト時間には余裕をもって空港に到着しないと搭乗できなくなるので弁護士に伝えると、自分の知人のタクシー運転手が送り届けるから心配ないと言ってくれました。

ミーティングが終わると弁護士が言ってたように真っ白な大型ベンツが事務所の前で待機してました。早速、乗り込みベングリオン空港まで行くようにお願いすると、結構なスピードで走りだしました。内装は総革張りのシート、どう見ても普通のタクシーじゃない。しばらくすると運転手は「どこへ行くのですか?」と尋ねてきたので「日本に戻ります」と答えました。運転手は続けて「日本のどこですか?」と尋ねてきました。まあ地方の名前を言っても分からないだろうけど「福岡という県です」と答えると、「福岡のどの辺ですか?」とまたも続けて訊いてきました。流石にもうこれ以上訊かれないと思い「福岡市です」と答えると「じゃあ天神とか良く行きますよね?」とまた訊いてきました。「行きますけど、なんで知ってるのですか?」、「2年くらい福岡に住んでたんです」と。「ええっ何してたんですか?」、「世界中を旅して、たまたま福岡に寄ったら気に入ってちょっと長めに生活してたのです」、「でも、どうやって生計を立ててたのですか?」、「宝石とか針金細工のアクセサリーを大通りで売ってました」と。

へえ~でした。そして彼は続けて「ヤクザは、まだいるのか?」、「いるよ」、「奴らは酷いよ、ショバ代とか言って売上金を巻き上げるんだよ」、「それが彼らのビジネスだよね」。「暴走族はまだいるのか?、渡辺通りとか走り回ってたよ」、「流石に暴走族は天神なんか走れないよ、今は」。

そして運転手は、福岡で彼女ができたと言ってました。凄く良い娘だったけどイスラエルに戻ることにしたと言ってました。今も思い出すと胸が痛むと言ってました。「世界は狭いもんだね~、テルアビブで福岡の話をするとは思ってもみなかったよ」、、。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?