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面白かった空港 〜 モンゴル国のダランザダガッド 〜

首都ウランバートルからゴビ砂漠にある街ダランザダガッドへは、陸路だと1週間以上かかるらしい、飛行機だと1時間半〜2時間くらい。当然、飛行機を選びます。当時のウランバートル空港は、空港の建屋はあるもの滑走路は、舗装も何もされていない地面でした。その為、離陸時や着陸時に小石が跳ねて機体にパチパチ当たる音が聞こえてました。
当時のモンゴルの航空会社は国営のMIAT社(ミアット)だけ、機材は旧ソ連製のジェット旅客機イリュージョンが1機あり後はプロペラ機のみ。ジェット旅客機は国際線のみの利用でした。従って、ダランザダガッドへはプロペラ機で移動しました。
ダランザダガッドは、1週間ほど滞在しました。共産党員宿舎では、朝食、昼食、夕食の3食同じ羊の肉(ミンチですから形は変えてました)でした。肉には味付けされて無く、ソースは羊の皮下脂肪を溶かしたものでした。早く食べないと寒さで真っ白く蠟のように固まって食べられなくなるようなものでした。飲み物は、黒砂糖の塊のようなお茶をナイフで削って湯飲みに入れてお湯と羊のミルク(馬かも知れません)を入れるスーテツァイです。「ザアー(どうぞ)」って差出されますので「バイルッラ(ありがとう)」と応えます。24時間聞こえて来るモンゴル語のラジオ放送、気晴らしは街ブラ。と言っても端から端まで既に視界に入ってしまうような小さな街ですから、歩いても10分の時間も潰せないようなところでした。
暇つぶしに見つけた唯一の商店(看板も何もないから教えてもらった)には、売子のおばちゃん1人、中は保存食品が中心で、暇つぶしのおもちゃと言えば、壁にぶら下げられたエレキベース(アンプも無くどうやって楽しむのか)が1本、それとアコーディオンが大小2台、。小の方を買って宿舎で音を鳴らして楽しみました。
1週間が来て漸く首都ウランバートルへ戻れる日、ところで空港ってどこだっけ?現地の人は、街の外とジェスチャーで教えてくれるけど、どっち方面の外かが分からない、そうすると街外れまで連れて行ってくれてだだっ広い荒野を指差してあの辺と、。到着した時は、気付かなかったけど空港の建屋もなんら目印も無かったんだとそこで知りました。
スーツケースを転がしながらあの辺と指差された方角へ歩いていくもののどの辺で立ち止まれば良いか分からない。既に視界はほぼ360度地平線が見えるところに来た。まあ、この辺でいいかと空を見上げて飛行機を探し始めました。空は快晴、視界良好でした。30分〜1時間くらいボケ〜と空を眺めたり地平線を眺めていると、空に小さな点が見えてきました。飛行機です。だんだん点が大きくなって機体の角度が分かるくらいになってきました。明からに左斜め前から見る角度で機体が見え出したので、その角度から目視で延長線を地面に向かって描いてみました。そうすると自分が立ってた場所から左斜め前方へ200〜300mくらいの場所ではと思いスーツケースを転がしながら移動して行きました。飛行機もだんだん近づいて来てほぼ20mくらい前に着陸して、惰性で数十m走って止まりました。タラップが開くとフライトアテンダントが出てきて荷物を入れてと手で合図するので機体後部へ荷物を入れて、タラップを登りチケットを渡し座席に着きました。多分乗客は私ともう1人いたかいないかぐらいでした。その後、すぐ飛び立ち無事ウランバートルへ戻りました。
ウランバートルでは、同時期に出張してた他部署のマネージャ(モンゴルP/Jリーダー)に、「ダランザダガッドは、凄いとこでしたよ」と告げると、「そうだろ、こっちのモンゴル人が1週間もいると頭がおかしくなると言ってたらから誰に行ってもらうか考えてたんだよ、お前で良かったよ!」って言われました。
ダランザダガッド空港(って言っていいのか?)は、空港の原型でしょうね。気候が雨の少ないステップ気候の土地柄だからと思います。自分で空を飛んでる飛行機を探しながら搭乗する経験は、ここ以外でしたことがありません。 (編集済み)

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