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エル・パライッソ(天国)という村の雑貨店

ホンデュラス国の首都テグシガルパから西へ車で2時間ほど行ったところにあるエル・パライッソ県へ市場調査のため訪問したことがあります。当時は、開拓農地の最前線といったところでした。広大な農地を切り開いて農作物を作っていました。当時は苺畑が続いてたと記憶してます。

何を調査するかというとエンジン発電機やエンジンポンプの用途を確認することが主な目的でした。訪問した村には広大な畑の中にぽつんぽつんと多分農民の家が点在するような眺めでした。各家庭には電気や水道も通ってないとのことでした。エンジン発電機は、その開拓農地の村に1軒ポツンとある雑貨店で15年くらい使われていると言うので訪問して見せてもらいました。その雑貨店は夜は酒場になりビリヤード台もあるのでその地区で働く農民の憩いの場のような所だと思いました。

店内の電気といえば白熱球が天井からぶら下がっているものが1つだけ。これだけが用途だと、、。畑の中に点在する民家は蝋燭で灯りをとっていると、。これは結構驚きました。雑貨店で使っている発電機はET1500というモデルでした。これで白熱球の電源として15年間毎晩使っていると、、。何枚か写真を撮って帰国後、このモデルの設計、開発者へ見せることにしました。エンジンポンプYP20は、近くに流れる川の水をどんどん汲み上げて苺畑内の水路へ流し込んでました。発電機やポンプが毎日使われているような場所を訪問する機会が無かったので見聞したことも写真と合わせて帰国後、開発者に話すと溢れんばかりの笑顔で喜んでました。

エル・パライッソへ連れて行ってくれたホンデュラスの代理店スタッフは、半分からかいながら「どうですか?地の果てって感じでしょ?」、「そうだね」、「ここから一人でテグシガルパまで戻らなくなったら戻れますか?」如何にも都会しか知らない日本人と思われてたんだと思います。「言葉に不自由してないし方角も分かってるから全然問題無いよ」と答えて一同笑いました。まあ、それほど畑以外何も無い地の果てだってことだったんでしょう。

この国の第二の都市、カリブ海側のサン・ペドロ・スーラは一時期人口当たりの殺人件数が世界最悪になったことがあったようです。長閑な畑と凶悪犯罪、中米はなんとも複雑です。

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