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ペルー産アルパカ毛の輸入中止について

今朝、知人でリマ在住のフリーライター原田慶子さん(地球の歩き方などの他、色々な雑誌に執筆)のSNS投稿で知りました。どうやら米国の動物愛護団体PETAが、ペルーでのアルパカの毛の刈り方が動物虐待にあたるとして取り引き停止を大手アパレルメーカーに圧力をかけ、GAP、H&Mそしてユニクロまで賛同したとありました。

当然、アンデスの山々でアルパカ飼育をしてる人々の実情を知ってる日本人の間で猛反発(怒り)でSNS上で盛り上がり、ペルー政府も迅速に取引停止の撤回を図る動きをしてるようです。動物愛護、反捕鯨、地球温暖化対策、菜食主義(特にビーガン)など、動物、自然、食事に対する欧米系の人たちの考えはどうも理解に苦しむことが多々あります。アルパカの毛の刈り方のどこがどのように虐待なのかを明らかにして改善すればいいだけだろうと思うのが当たり前だが、そうはならないのが彼らのマインドか⁉︎

随分前に米国で”アマゾンの森の木を伐採するな自然を保護しろ”との叫びに、当時のブラジル政府は、「開発で自然を崩壊させた国に言われたくない。我々は森と共に生きて来た、これからも森と共に生きて行くんだ」と痛快な反論をしました。アマゾンの森の赤土は酸性で木々の根は地下には潜らなく、地面を這うように横に拡がり落ち葉や腐って倒れた木々から養分を吸収しています。人が耕作しようとすると焼畑によって灰のアルカリで中和しなければなりません。昨年のボリビア国境まで拡がった森の火事は別の原因があると思いますが、焼畑は普通にやられています。違法伐採があるのは事実でしょうが、何にしてもどれだけ実情を知ってるのか疑問が出るのが欧米人のこの種の活動家の言動です。

大体、南米に関わった日本人はハマってしまいます。熱いです。多分、圧倒的な大自然、ギアナ高地、アンデス山脈、アルティプラーノと言われる高原地帯、アマゾンの深い森、延々続く砂漠、イグアス大瀑布、大牧草地帯、パタゴニアなどなど規模の大きさに圧倒され、感動するからだと思います。そして、その中でずっと自然と共に生きている人たちの素朴な生活を見たら日本人のDNAに刷り込まれた何かの波長と同期してしまうのかも知れません。

原田さんは、実際に取引の実態を知ってる人のネット上の文章を紹介してます。そこに標高4000mのところでアルパカ飼育で生計を立ててる人々の実態が書かれています。均一化された日本の生活からは想像もつかないものです。日本に住んでると、中南米のニュースなど一切存在しないような錯覚になりますが、当然沢山あります。

一時期、コカの葉の栽培を生活の糧にしていたアンデスの山の人たちに、日本茶の栽培を紹介し、普及させようとしたニュースがありました。産業が無く、これまでの伝統的なやり方で無いと生活できない人々には代替の何かを提供しないと直ぐに生活できなくなってしまいます。いつかは役に立ちたいと思っています。日本企業のユニクロくらいは撤回してもらいたいです。

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