リャマが作り出す極小の抗体がコロナウイルスの治療に役立つ可能性⁉︎

リャマのナノボディを使った鼻腔スプレーがコロナウイルス対策の鍵になるかもしれない：研究結果
2021年9月25日（土） by：ゾーイ・スカイ 

(Natural News) 雑誌「Nature Communication」に掲載された興味深い研究によると、コロナウイルス(COVID-19)の新しい治療法を作り出すために、思いもよらない供給源からのナノボディや抗体の断片が利用できるという。

リャマからのナノボディ？

この研究に参加した研究者たちは、リャマが作り出す極小の抗体がコロナウイルスの治療に役立つ可能性があることを発見しました。このウイルスと闘う有益なタンパク質は、感染者に鼻腔スプレーで投与することができます。

オックスフォードシャーにあるロザリンド・フランクリン研究所（RFI）の研究チームには、リバプール大学、オックスフォード大学、イングランド公衆衛生局（PHE）の専門家が参加しました。

この研究の中で、研究者たちは、ラマとラクダの両方が産生するナノボディ（小型の抗体の一種）が、コロナウイルスの原因となるウイルス株の一種であるSARS-CoV-2を効果的に標的にできることを発見しました。

その結果、短い鎖状のナノボディを感染した動物に投与すると、病気の兆候が著しく減少することがわかりました。研究者らは、ナノボディは実験室で簡単に大量生産できるため、ヒトの抗体に代わる安価で簡単な方法として、この結果は有望であると述べている。

抗体とは？

抗体とは、感染症にかかった際に免疫システムによって作られるタンパク質のことです。このタンパク質は、免疫系の重要な細胞であるB細胞の表面に存在します。T細胞と呼ばれる他の免疫細胞は、感染症の除去を助けます。

抗体は、ある種の感染症と戦うために不可欠なものです。このタンパク質は、免疫系の他の部分と協力して、SARS-CoV-2のような病気の原因となるバクテリアやウイルスである病原体を除去します。

しかし、このプロセスは簡単ではなく、すぐに終わるものでもありません。これまでに特定のウイルスに対処したことがない場合、免疫システムはすぐにはそのウイルスに対する抗体を持ちません。

抗体は、特定のウイルスの特定の場所に非常に正確に付着します。そのため、免疫システムは、どの抗体がウイルスを中和したり、対抗したりするのに有効なのかを把握するのに時間が必要なのです。

これが、新しいウイルスに感染したときに回復に時間がかかる理由の一つでもあります。抗体の種類にもよりますが、適切な抗体を大量に産生するためには、少なくとも数週間以上の時間がかかります。

ナノボディとヒト抗体

パンデミックの中、重症のコロナウイルス患者には、生存者から採取した抗体が投与され、ウイルスの撃退に役立てられました。しかし、人間の抗体は、病院で医療用の注射をする必要があります。

PHEのNational Infection Serviceの副所長であるMiles Carroll教授は、今回の研究は「非常に大きな可能性を秘めている」と説明しています。特にラマのナノボディは、同機関でテストされた「最も効果的なSARS-CoV-2中和剤」の一つでした。

「キャロルは、「ナノボディのユニークな構造と強度は、コヴィドの予防と治療の両方に大きな可能性をもたらすと信じています。

本研究の筆頭著者であるRFIのタンパク質生産部門長レイ・オーエンス教授は、ナノボディはいくつかの要因から、ヒトの抗体に代わる優れた技術であると説明しています。

ナノボディは、製造コストが低く、ネブライザーや鼻腔スプレーを使って気道に直接投与することができます。これらの方法は、病院に行って注射をしてもらう代わりに、自宅で自分でナノボディを投与できることを意味します。

また、鼻腔スプレーで投与すると、感染部位に直接治療薬が届くことになります。呼吸器系です。

ラマのフィフィの抗体

科学者たちは、フィフィというラマを使って、今回の研究で使われたナノボディを生成しました。

フィフィには、コロナウイルスの外側にあるスパイクタンパク質の一部を注射しました。フィフィは、コロナウイルスの外側にあるスパイクタンパク質の一部を注射されました。この注射によってラマは病気にはなりませんでしたが、ウイルスタンパク質に対するナノボディを生成することで、ラマの免疫系がウイルスタンパク質に対抗するようになりました。

その後、フィフィから少量の血液サンプルを採取し、研究チームはSARS-CoV-2に結合できる4つのナノボディの精製に成功した。

その後、研究チームは、ウイルスに結合する能力を高めるために、タンパク質を「鎖」状に組み合わせた。次に、このナノボディを実験室で作製した。

3つのナノボディ鎖は、SARS-CoV-2のオリジナル・バリアントとアルファ・バリアントの両方を中和した。一方、4つ目のナノボディ鎖は、ベータ型の変異体を中和することに成功した。

ラマの抗体を投与された動物は、"他の人に感染する可能性が低くなった"

研究者たちは、コロナウイルスに感染したハムスターにもナノボディ鎖の1つを投与した。観察したところ、動物がウイルスを撃退する能力が向上していることがわかりました。

投与したハムスターの7日後の体重減少は、投与していない被験者に比べてはるかに少なかった。

さらに、ナノボディ治療を受けたハムスターは、未治療のハムスターに比べて、7日後の肺や気道のウイルス量が減少していました。これは、治療を受けた被験者が他の人に感染する可能性が低かったことを示唆しています。

科学者たちは、今回の発見が、パンデミックを抑制するためのコロナウイルスに対する新しい安価なタイプの治療法の開発に利用できることを期待している。(関連記事 米国人夫がクレイ・クラーク氏に語る、ブデソニド治療で妻をCOVID-19から救った経緯 - Brighteon.TV)

RFIのディレクターであるJames Naismith教授は、今回の研究が、世界中の人々が利用できる、より効果的なコロナウイルスの治療法を生み出すための鍵となる可能性があると結論づけています。特に、"ワクチン免疫を回避できる新たな亜種が出現する危険性がある "としています。

研究者たちは現在、ヒトでの臨床研究に進むための資金獲得に取り組んでいます。

ラマのナノボディの可能性については、他の研究でも検討されている

コロナウイルスの治療法としてリャマが産生する抗体を調べたのは、RFI社の研究が初めてではありません。

2020年11月、ピッツバーグ大学の米国の研究者らは、ウォーリーというラマにコロナウイルスのスパイクタンパク質を注射し、ナノボディを作製した。

昨年初めには、テキサス大学の研究者が、ラマのナノボディがコロナウイルスと密接に関連するウイルスである重症急性呼吸器症候群（SARS）に有効であることを発見しています。

ソースは以下の通りです。

DailyMail.co.uk

VerywellHealth.com

原文：
Nasal spray with nanobodies from llamas may be key to fighting coronavirus: Study
Saturday, September 25, 2021 by: Zoey Sky 

(Natural News) According to a fascinating study published in the journal Nature Communication, nanobodies or antibody fragments from an unlikely source can be used to produce a new treatment for coronavirus (COVID-19).

Nanobodies from llamas?

Researchers who participated in the study found that minuscule antibodies produced by llamas can potentially help treat coronavirus. These beneficial virus-fighting proteins could then be given to infected people via a nasal spray.

The research team from the Rosalind Franklin Institute (RFI) in Oxfordshire included experts from the University of Liverpool, University of Oxford and Public Health England (PHE).

During the study, researchers discovered that nanobodies, or a smaller type of antibody produced by both llamas and camels, can effectively target SARS-CoV-2, the type of viral strain that causes coronavirus.

Findings showed that giving short chains of the nanobodies to infected animals significantly reduced signs of illness. The researchers noted that the results are promising since the nanobodies can be easily mass-produced in a laboratory, making them a cheaper and easier alternative to human antibodies.

What are antibodies?

Antibodies are proteins made by your immune system if you have an infection. The proteins are present on the surface of B cells, which are important cells in the immune system. Other immune cells called T cells help clear an infection

Antibodies are essential to fighting certain types of infections. The proteins work with other parts of your immune system to get rid of pathogens, which are the bacteria or viruses that cause disease, like SARS-CoV-2.

But the process isn’t an easy or immediate one. If your immune system has never dealt with a particular virus before, it won’t immediately have antibodies to the virus.

Antibodies attach very precisely to a specific spot on a specific virus. This is why your immune system needs some time to figure out which specific antibody is effective at neutralizing or counteracting a virus.

This is also one of the reasons why it can take you longer to recover when you’re infected with a new virus. Depending on the specific type of antibody, it can take your body at least several weeks or more to produce the right antibodies in large enough amounts.

Nanobodies and human antibodies

Amid the pandemic, patients with severe coronavirus cases were given antibodies harvested from survivors to help them fight off the virus. However, human antibodies need to be administered by a medical injection in a hospital.

Professor Miles Carroll, deputy director of the National Infection Service at PHE, explained that the study “had huge potential,” particularly since the llama nanobodies were some of “the most effective SARS-CoV-2 neutralizing agents” tested at the agency.

“We believe the unique structure and strength of the nanobodies contribute to their significant potential for both the prevention and treatment of Covid and look forward to working collaboratively to progress this work into clinical studies,” added Carroll.

Professor Ray Owens, head of protein production at the RFI and the study’s lead author, explained that nanobodies are a better alternative to human antibodies because of several factors.

They’re cheaper to produce and can be delivered directly to the airways using a nebulizer or nasal spray. These methods mean nanobodies can be self-administered at home instead of having to go to the hospital to get an injection.

And when administered using nasal sprays, the treatment is delivered directly to the site of infection: The respiratory tract.

Fifi the llama’s antibodies

Scientists used a llama called Fifi to generate the nanobodies used in the study.

For the study, Fifi was injected with a portion of the spike protein found on the outside of the coronavirus. And while the injections didn’t make the llama sick, they triggered her immune system to fight off the virus protein by generating nanobodies against it.

The researchers then took a small blood sample from Fifi and the team successfully purified four nanobodies that could bind to the SARS-CoV-2.

Then, the research team combined the proteins into “chains” to boost their ability to bind to the virus. Next, the nanobodies were produced in the laboratory.

Three of the nanobody chains neutralized both the original variants of SARS-CoV-2 and the Alpha variant. Meanwhile, a fourth nanobody chain successfully neutralized the Beta variant.

Animals treated with the llama antibodies were “less likely to infect others”

The scientists also administered one of the nanobody chains to hamsters infected with coronavirus. Upon observation, they found that the animals were better able to fight off the virus.

Hamsters treated lost “far less” weight after seven days compared to the untreated test subjects.

Additionally, the hamsters that received the nanobody treatment had a lower viral load in their lungs and airways after seven days compared to the untreated hamsters. This suggests that the treated subjects were less likely to infect others.

The scientists hope that their findings can be used to develop a new, affordable type of treatment against coronavirus to curb the pandemic. (Related: American husband tells Clay Clark how budesonide treatment saved his wife from COVID-19 – Brighteon.TV.)

Professor James Naismith, director of the RFI, concluded that their study may be key to producing a more effective treatment for coronavirus that’s also accessible to people across the globe, especially since “there remains a risk of new variants capable of bypassing vaccine immunity emerging.”

The researchers are now working on obtaining funding so they can proceed to clinical studies in humans.

Other studies have also looked into the potential of llama nanobodies

The RFI study isn’t the first to examine antibodies produced by llamas as a potential way to cure coronavirus.

In November 2020, U.S. researchers from the University of Pittsburgh injected a llama called Wally with coronavirus spike proteins to produce nanobodies.

Earlier last year, researchers from the University of Texas discovered that llama nanobodies were effective against severe acute respiratory syndrome (SARS), a virus closely related to coronavirus.

Sources include:

DailyMail.co.uk

VerywellHealth.com