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バルパライッソのチリ海軍基地を訪問

首都サンチアアゴ・デ・チレから西北西の方角へ車で1時間半ほど高速道を走ると太平洋に面した港町のバルパライッソに到着します。チリ・ワインの産地で有名なヴィーニャ・デ・マールは、バルパライッソ(Valparaiso)の北隣に位置します。チリは、南北方向には長いですが、東西方向は短く、標高520mくらいの首都から比較的早く沿岸へでることができます。

このチリ海軍基地では、2日間のディーゼル・エンジン発電機のメンテナンス講習会を実施する目的で訪問しました。海軍の整備・保守部隊とは言え、軍人相手の講習会ですから多少は緊張しましたが、彼らは気さくな紳士といった感じの人たちばかりで初日から一気に打ち解けました。スペイン語を話す日本人だから彼らも面白がって色々話しかけてみたかったのだと思います。

2日目がちょうど金曜日に当たりご馳走していただいたものがエンパナーダという大きく厚めの皮でできた揚げ餃子のような食べ物がでました。どうやら毎週金曜日の昼食は、エンパナーダだそうです。日本の海上自衛隊のカレーの日のようなものなのでしょう。その食事(昼食)には士官のような人も同席して、私に質素な食事の説明をし、そして日本に立ち寄った時の海上自衛隊に夕食を招待された思い出話をしてくれました。後日、チリ海軍も食事会のお返しに自分たちも海上自衛隊を招待したけど、日本は物価が高い上に彼らの交際費予算が少ないことから格差のある食事会になってしまったと冗談を交えて話していただきました。

軍人との話題は、何が良いのか分からずかと言ってチリの歴史や文化もあまりしらない。しかし、1974年から1990年まで続いたピノチェット軍事政権については当時は大きなニュースになっていたので、それとなく訊いてみました。「私はあまりチリの歴史を知らないので会話の糸口を持ちませんが、ピノチェット氏のことはなんどか読み物で読んだことがありますが、当地ではどのように評価されているのでしょうか?」と話しかけると、それ訊く⁉っといった表情から苦笑いをして「そんな時代もありましたね」と返ってきた。ピノチェット氏は元々陸軍出身、それも出身地がバルパライッソだから、ちょっと拙い質問をしてしまいました。

この訪問時にチリの代理店がぜひ飲んで欲しいと招待されたのが、Concha y ToroワイナリーのCasillero de Diabloカベルネ・ソーヴィニョンでした。美味しかったですね。また、当時は日本食レストランで山盛りにウニを載せたうに丼など安価でした。サーモンなどは、まだ養殖プロジェクトが始まったばかりだったかも知れません。今日では日本はもちろん色々なところでConcha y Toroのワインもチリ産サーモンも入手できます。チリには、フライフィッシングで世界的に名の知れた人がアンデス山中でロッジを経営していて世界中からフライフィッシングを楽しみに訪れるそうです(もう古い情報だと思いますが、)。チリも随分変わっただろうと思います。

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