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8mmフィルム映画の世界

8㎜フィルムと訊くと、ちょっとレトロな8㎜ビデオテープと勘違いをする人がいると思いますが、テープではなく現像作業が必要なフィルムなのです。映画を撮るためのフィルムです。劇場映画だと35㎜が一般的で、たまに70㎜とかあります。教育用映画は16㎜フィルムが使われていました。当時、キャノンのカメラ2台、エルモのカメラが1台、編集用のエディター、フィルムカッター、映写機、スクリーンを持ってました。

8㎜フィルムは、スーパー8の場合毎秒18コマ。劇場用35㎜映画は毎秒24コマですから少々解像度は荒い感じになりますが、フィルム自体が当時のビデオとは比較にならないくらい高解像度でしたからまったく問題ありませんでした。スクリーンに投影した時にあまり大きくできないことくらいでした。それでも綺麗な映像だったと記憶しています。当時はビデオがベータだVHSだと言われだした頃でしたから、流れはフィルムからテープへと変わるだろうとは思っていました。しかし、コダック社と富士フィルム社は8㎜フィルムを随分と引っ張って生産していたと記憶しています。

8mmフィルムは元々サイレントで販売されてたようですが、音声の需要が多くフィルムに現像されたようになる光学式と現像後に塗布する磁気式がありました。こちらはアフレコになります。現像、編集、そして音声を入れるのであればアフレコをやらなければなりません。昨今の簡単にビデオ編集できる環境がパソコン上に実現できることを考えると淘汰されて当然と言えば当然です。結局、15分程度のサイレント映画を3本くらい作って使わなくなりました。

今思えば映写機のカチカチ音や手でオープンリールを回してエディター画面を覗き込みながらフィルムを切って繋ぐ作業が結構楽しかったんだと思います。イタリア映画「ニュー・シネマ・パラダイス」のラストシーンにその映画館で上映された映画のラブシーンばかりこっそり切り取ったフィルムを繋げて上映する場面があります。8mmフィルムは家庭用ですが、あんな感じです。映画は、映画館の空間を含めて楽してたんですね。

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