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米国、サンフランシスコとシリコンバレーを訪れる その2

シリコンバレーは、ITエンジニアのコミュニティが多々あり、その中の一つの活動を視察させてもらいました。集会場は、大きな住宅でいくつもの居間のソファに座ってメンバーがそれぞれの仕事(多分将来起こすであろう自身の起業アイデアの構想)を友人に相談しながら作成している様子が伺えました。我々福岡県ミッションの訪問理由を告げると、メンバーの数人が自己紹介をしてくれました。

このようなコミュニティに集うエンジニアは、自身のアイデアを下に起業を考えている人がほとんどで、どこでもラップトップを持ち出して事業構想のプレゼンをしてくれます。自己紹介をしてくれた若い女性のエンジニアは、Googleで働いていると言い、何かプロジェクトをやっているのかと思いきやデータセンターの夜勤で壊れたハードディスクの差替えをずっとやっていると言ってました。マウンテン・ビュー本社を訪問した後だったので聞いて唖然としました。彼女は、それでもGoogle勤務が何かプラスに作用することを期待しているようでした。

ところで当時Googleは、自身の技術力を自負していてアマゾンを多少甘く見てたような話を聞きました。アマゾンのクラウドサービスAWS(アマゾンウェブサービス)なんてまともに動きはしないなどと陰口も聞かれましたが、なんのことはないアマゾンは相当な実力を持っていたことが後々世界中に知れ渡ることになりました。

カーネギーメロン大学の交流会で私は、eラーニングのオープンソースLMSのMoodle(PHPとJavascriptで実装された)をRuby on Railsを使って実装したクローンのデモを行いました。福岡県のRuby開発拠点への活動アピールで応募した案件の成果品です。話題作りです。このミッションでプレゼンをした人が少なかったことから米大学の教師陣に向けてプレゼンする機会があったことは良い経験になりました。

サンフランシスコではPivotal Labs他、いくつかのベンチャーを訪問しました。印象に残ったのはやはりPivotal Labsです。広い倉庫のような事務所にiMacがずらっと並んで壁には大きなスクリーンが至る所に掛けられ、それぞれのプロジェクトの進捗が一目で分かるようになっていました。デスク上のiMacは開発用で、連絡用のマシンは共用のiMacを利用します。そのiMacは立って操作するような背の高いデスクに設置されていました。メールチェックは手の空いた時にやるようにしてました。この会社の特徴は、ペアプログラミングという仕事のやり方でした。一人が仕様書(設計書)を読みながら、ペアのもう一人がコンピュータ画面を見ながらコーディングしていくやり方です。自動車のラリーレースのドライバーとナビゲーターといった役割で働くそうです。入社試験もペアを組むであろう人と一緒に10分ほどコーディングをすれば相性は直ぐに分かると言ってました。

最近ではシリコンバレーのIT企業も新たに起業した話よりも既存のGAFAへどんどんエンジニアを吸収する形で巨大化が進み、併せて政治力も得てきているようです。訪問したのが10数年前ですから時代の変化も著しいものがあります。若者が起業して成功し、巨万の富を手に入れて社会的な影響力を行使するのはそれなりに理解できることですが、社会や人類のために正しいことをやっているのか?と自問自答してもらいたいと思っています。


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