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南米大陸太平洋沿岸を北上するフンボルト海流の影響力

南極大陸から南米大陸の太平洋岸を北上するフンボルト海流はペルー沖で水温が変化すると、ある年はエル・ニーニョまたある年はラ・二ーニャ現象などと呼ばれ世界規模での異常気象を招くと言われています。

この海流の水温は低く、海水浴には適していません。この海流は、チリからペルーの太平洋沿岸を北上して、ペルー北部からエクアドル南部の海上で赤道付近の暖流と混じりあうように流れているそうです。冷たいフンボルト海流は、豊かな海産物をもらたせてくれます。豊富な魚貝類、またそれを求めてアザラシなどの動物も多く生息しています。

チリ、ペルーの太平洋沿岸は乾燥地帯です。一年中雨が降りません。地上絵で有名なナスカもこの地域です。乾燥しているため、砂漠地帯が広がっています。海水は冷たく海水浴には適していないと言いましたが、その砂浜は砂漠に繋がっています。日差しが強く、素足で歩くと火傷をするくらいになります。かと言って海水へ足を入れると10秒も我慢できないような冷たさです。このような自然がもたらすものは、雨ではなく海水が蒸発してできる霧です。見渡す限り霧に包まれた海から風によって霧が陸に流れ込みます。その僅かな水分で植物が生息するような地域です。その為かチリのワインの産地、ヴィーニャ・デ・マールにしてもペルーのワイン/ピスコの産地のイカにしてもこの乾燥地帯に位置します。

面白いことに南米大陸の大西洋側(ブラジル、ウルグアイ、アルゼンチン)は、貝類が少ないと言われています。海流の影響が大きいのだと思います。ペルーでは、30年くらい前までウニは現地の人は食べませんでした。市場では二束三文で売られていましたが、今日では日本と同じ高級食材になってしまいました。魚介類が豊富であること、ワインの産地もあることからも分かるように果物も豊富です。フンボルト海流のお陰でリマは、食通には堪らない街になっています。

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