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スペイン、グラナダの思い出

スペイン南部のアンダルシア州にグラナダ県は位置しています。ここはなんと言ってもアルハンブラ宮殿が世界的に有名です。クラシック・ギター曲でも定番のフランシスコ・タレガ作曲、Recuerdos de la Alhambra(アルハンブラ宮殿の思い出)でも知られています。宮殿自体は、Parador Nacionalと言って国営ホテルとして宿泊もできるようでしたが、価格が高いのとバックパック旅行者が滞在するようなところではないことで、門前街のような宮殿へと向かう道にあるPuerta de las Granadasの手前の安いホステルに宿泊しました。

宮殿は小高い丘の上に位置しています。北側は谷のようになっていて向かい合うように向こう側がアルバイシンと呼ばれる丘があります。この地区はジプシーの居住区としてよく知られています。

アルハンブラ宮殿は、説明するまでもなく世界遺産となるくらいですからスペインがイスラム帝国の占領下約800年間の中でも最も立派な建築物です。訪問した時が12月、昼間は日差しで少しは暖かく感じますが、夜はシエラ・ネバダから吹き降ろされる風のせいか、凍えるような気温へとなります。スペイン語でシエラは、連なる山々を言い、ネバダとは雪を被ったという意味になります。名前からして寒そうな山です。

アルハンブラ宮殿と向かい合わせの丘陵、アルバイシン地区はちょっと怪しげな雰囲気の場所です。タクシーに乗って「おすすめのラブラオ・フラメンコへ行ってもらえますか?」と訊くと「観光用か?それとも本物のジプシーか?」と訊き返されたので「本物が見たい」と答えると、「じゃあアルバイシンにあるラス・クエバスだな」と連れて行ってくれました。

ラス・クエバス(las Cuevas)の内部は20~30人も入れば満員になるようなライブハウス、と言っても山の斜面をくり抜いた洞窟(クエバス)の中にあります。歌(カンテ)、踊り(バイレ)、手拍子(パルマ)、ギターが入れ替わり凄まじく濃い内容のフラメンコでした。華やかというより、苦悩や辛さを絞り出すような内容の舞台です。舞台と言っても分厚い板を客席と同じ床に敷いただけのもので、すぐ目の前に歌ったり、踊ったりするような感じです。いやあ~凄いものを見たと時計を見ると、9時過ぎくらいに始まったと思ったら12時を回ってました。

ラス・クエバスの舞台を見終わって外の通りへでると辺りは光もなく真っ暗、時たま走り抜けていく車のヘッドライトの光があるだけ、。凍えるような風を受けながらトボトボと宿泊してるホステルまで戻ったことを覚えています。兎に角、グラナダの冬は寒かったと記憶しています。

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