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エクアドル、賭けサッカーで稼ぐ日本の若者

エクアドルの首都キトは、旧市街と新市街とあり、新市街のモダンなつくりの街の中心地になっているのがラ・カロリーナ公園(Parque la Carolina)です。公園と言っても随分と広くて、例えばテニスコート18面、バスケットボールコート10面やサッカーコート14面の他、多目的広場などあり週末は早朝から多くの人々で賑わいます。

この公園の横を走るロス・シリス大通り(Av. de los Shyris)を右に曲がってスイス通り(Suecia)から一区画目の十字路を左折してフィンランド通り(Finlandia)に入った行止まりのロータリーに面したコンドに居住していたことから、公園には徒歩で直ぐに行ける距離でもありました。この公園の3つの角には大型のショッピングモールも併設されていました。

早朝の公園は、思い思いに運動をする人たちが集まってきます。そこでは決まって2~3回は声をかけられます。それは「サッカーやらないか?」です。これはただのリクレーションではありません。お金を賭けたサッカーゲームです。腕に覚えのあるような若者から中年まで参加者は、小遣い稼ぎをここでやるのです。しかし、うまく1チームができるわけではないので公園に来るサッカーをしそうな人に声を掛けてメンバーを揃えるのです。

賭けの細かいルールは知りませんが、全員から参加費を徴収して勝ったチームがすべて持っていき、もしかしたらチーム内で分け方のルールもあるかもしれませんが、このような賭けサッカーはそこら中でやってます。試合の後、別の試合を探しているような強者もいました。

ある時、JICA調整員事務所に協力隊員に連れられて日本人の若者が来ました。彼はサッカー選手として生計を立てているプロです。東南アジアのプロリーグで活動しているがシーズンオフには、南米など季節が逆の国へ移動してプロリーグのチームとの1シーズンだけの契約をして渡り歩いていると言ってました。事務所に来たときは、エクアドルのプロチームでプレーができる機会が無いか探している時でしたが、査証の期限も間近で早く契約するか、別の国へ行くかを迷ってたようでした。

その間の生計はどうしているのか?と尋ねると例のラ・カロリーナ公園で賭けサッカーをやっていると言ってました。笑っちゃいましたね。そりゃあ素人相手にまずいんじゃないの?と、、。本人は、プロであることは隠して参加しているようですが、プレーのうまさが目立ってどうやら顔が知られてしまい、公園に行くと色々なチームから声がかかるようになったと言ってました。参加したチームは、ほぼ間違いなく勝つのでお小遣い稼ぎはできると言ってました。ただし、プロと知られてしまったらお声がかかるかが微妙なところ。

彼はどうやらトップリーグではなく各国の二部リーグを狙い、入団後トップリーグへと考えているようでした。当時は、日本でJリーグが発足して、それなりにプロサッカー選手が出てきた頃でしたから、海外で活躍してJリーグにスカウトされる道を目指していたのかもしれません。もう20年前ですから今はコーチかサッカーの上手なおじさんになっていることでしょうね。


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