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ジャズ音楽の面白さ〜コード編 その10

ジャズ・スタンダード曲、Fly me to the moonのコード進行の簡単な分析をやってみましょう。メロディ譜には符号が何もないのでキーはCメジャー或いはAmです。

コード進行は、以下の32小節です。
Am7  | Dm7  | G7  | C△7|
F△7  | Bm7♭5 | E7♭9 | Am7|
Dm7  | G7  | C△7  | A7♭9|
Dm7  | G7  | C△7  | Bm7♭5  E7♭9|

Am7  | Dm7  | G7  | C△7|
F△7  | Bm7♭5 | E7♭9 | Am7|
Dm7  | D#dim7 | Em7  | A7♭9|
Dm7  | G7  | C△7  | Bm7♭5  E7♭9|

譜面でキーがCメジャーとAマイナーと分かっていますが、アドリブを行う場合、モード・スケールで考えるとそれぞれのコードの役割を分析することがポイントになります。例えば、最初の4小節までは、以下のようなディグリー・コードで表すことができます。

VIm7  | IIm7  | V7  | I△7|⇒ 6-2-5-1(典型的なコード進行)

特にツー・ファイブ・ワンの流れはジャズでもっとも多いパターンかもしれません。V7(ドミナント・セブンス・コード)を起点に分析すると転調のタイミングが分かります。次の4小節にはE7からAm7への流れがあります。Cメジャーのダイアトニック・コードには無いE7は、Aマイナー・スケールのドミナント・コードになります。5~8小節をAマイナー・スケールと見た時のディグリー・コードは、以下のように表すことができます。

VI△7  | IIm7♭5 | V7♭9 | Im7|⇒ 6-2-5-1(典型的なコード進行)

最初の4小節はCメジャーの明るい雰囲気で始まり、途中でAマイナーに転調します。その後も転調を繰り返しますが、各調でのディグリー・コードの並びは、6-5-2-1となり、それぞれの調のトニック・コードに向かって進んでいくような構成です。

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