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ペルー、アンデス地方でフィンカ運営にチャレンジする その6

日本のコーヒー市場は3兆円とあるYouTubeの動画(10分でわかるコーヒー栽培のすすめ)で発信されていました。その市場には何が含まれているのか?詳細は分かりませんが、動画が言いたかったことはこれだけ多くの市場があるにも拘らず殆どが輸入されている。コーヒー豆栽培は亜熱帯の気候でしか出来ず、日本では沖縄で栽培されてはいるが他の地域では無理と思っている。しかし、ハウス栽培でも十分に儲かるというのが結論。だから皆さん、我々から苗を買って技術指導を受けませんか?という営業も付いていました。

この動画で面白かったのは収益の試算でした。1反(≒300坪)で200本の苗を栽培できると。1本当たり5㎏のコーヒーチェリーが収穫できる(※5年以上の育成株)。従って、1反当たり1000㎏のコーヒーチェリーから160㎏の生豆ができ焙煎豆にすると140kgほどになるとのことでした。

一人で管理できる耕作面積は5反(≒1500坪)を基準としていました。そこから上記の試算を使って算出すると5トンのコーヒーチェリーが収穫でき、そこから800㎏の生豆を得て、焙煎豆では700㎏になります。動画で紹介されていた日本の市場買取価格は、生豆で約1万円/kg、焙煎豆(ブルーマウンテン同等の価格の場合)では3万円/㎏だそうです。それぞれの単純販売価格は生豆800万円、焙煎豆2,100万円になる計算です。動画では約300万円/反の売上として、5反で1,500万円と試算しています。販売単価を21,400円/kgとしています。

日本国内の気候を考慮するとビニール・ハウスの設置が必須となり、年間13℃以上を保つための冬場の暖房費用等、肥料含めた運転費用として600万円(内訳:暖房80万円/反、肥料修理40万円/反)を試算していました。これだと生豆での商売は単純粗利200万円ではビジネスにはなりませんから、焙煎豆の販売しか選択はありません。そうすると運転費用に追加して加工費・販売経費の200万円が発生します。合計800万円のコストと経費が必要になります。結果、焙煎豆を2.14万円/㎏で販売できたとして1,500万円、これからコスト・経費を差引くと700万円の営業利益(収入)となります。本来、ここから次年度へ向けての再投資へとなるのでしょうが、それは個人事業として割愛されているようです。

耕作地面積と想定収穫量、市場買取価格等の試算は参考になります。消費地での買取価格ですから海外からの輸送経費などは含まれません。しかし、生産性の指針として例えば、ペルー国内の耕作地面積(9万5000ヘクタール)と収穫量の関係や市場買取価格、品質との価格の関係等を考慮して現状分析できそうです。

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