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”人類が神になる日”とNWO(新世界秩序)

イスラエルのヘブライ大学の歴史学者ユヴァル・ノア・ハラリ(Yuval Noah Harari)氏の著作「ホモ・デウス」が話題になっているようです。前著「サピエンス全史」では、人類はなぜこのように発展してきたのかという過去の視点で書かれ、未来の姿を書いたものが「ホモ・デウス」、そして現代の視点で書かれたものが「21 Lessons」だそうです。イスラエルのヘブライ大学と聞いただけで世界最高峰の頭脳の学者であると思いました。これらの記述はいくつかのYouTuberのコンテンツからの抜粋を文字にしたものです。

「ホモ・サピエンス全史」では3つの重要な革命が起きたと言います。彼は人類の過去の歴史はウソとフィクション(虚構)の歴史と言います。そもそも人類の進化の歴史がウソであると言う。猿人がだんだんと進化してネアンデルタール人になって我々ホモ・サピエンスになったのは大嘘だと言います。原始時代には複数の人類が同時代に存在していたそうです。それらはホモ・サピエンス、ホモ・フローレス、ホモ・エレクトゥス、ホモ・ネアンデルターレンシスだったそうです。その中でホモ・サピエンスが勝ち残り、生き残って来たと言います。ホモ・サピエンスが脳が発達してた訳でも身体が大きく屈強な訳でもなく、他の人類の方が脳容量や骨格は優れていて身体的な戦いでも頭脳戦でも勝てる見込みが無いほど比較すると貧弱だったそうです。もちろん他の動物、像の祖先、鳥、ライオンなどの猛獣と比較してもホモ・サピエンスは非力でした。

では、何故ホモ・サピエンスは戦いに勝ち、唯一の人類として生き残って来たかと言うと『認知革命(7万年前に起きた)』によるとハラリ氏は言います。これが第1の革命です。つまりウソを吐く能力を得て、またそれを信じる能力を得たことだと言います。他の人類はウソを吐くこともウソを信じてしまうこともなかったと言います。ウソを吐くことも、またそれに騙されることもなければそちらの方が良いように思えますが、実際コミュニティを構成したりチームで活動する場合には虚構を信じる方が団結力が増すと言います。つまり優れたリーダー(戦いが強い)と言われる人が居ても、自分の目で見て本当に強いことを確認するまでは信じない人たちだと、そのリーダーの実力を実際に目で見て自分で確認できる人の数は多くはなりません。一方、そのような優れたリーダーが居るとの噂を信じて集まる人たちがいる方が多くの人に影響を与えることができます。いわゆる数の優位性を容易に得ることができるということです。もっと言えば、物事を抽象化する能力が備わり、その抽象化された概念を頭の中で操作して新たな概念を作り出す能力も備わっていたのかも知れません。その能力によってホモ・サピエンスは、集団を形成して他の人類との戦いに尽く勝利して生き残ったと言います。即ち、人類の進化はネアンデルタール人⇒ホモ・サピエンスへの進化ではなく、種類の違う人類だったが虚構を信じる力が備わったホモ・サピエンスが生き残り、今では地球上に70億人もの数に達していると言います。

信じる力を得たホモ・サピエンスの原始時代では自然の森羅万象、人の生き死、他の動物や天気など自分たちでは全く想像もつかないような現象は、ある時からそれぞれの現象やモノの神によってなされていると信じられるようになったと言います(アミニズム)。従って、水の神、山の神、木の神などなどそこら中に神が存在すると信じられていたそうです。多神教の世界です。それからあるリーダーが現れその人の言うことが予言も含めて人々が神と信じるようになり、一神教の世界が始まったと言います。

現在でもこの信じる力は強力で、お金、政府、宗教はすべて「虚構」フィクションですが、その力は有効です。人類はフィクションで生かされていると言ってもよいと言います。さらに会社、国家、結婚、宗教、人権、法律、すべてがフィクションであると言います。

次に農業革命(1万2千年前)が起こります。それまでの狩猟採取生活から一変して農作物や家畜を飼育するようになります。世の中の森羅万象全てが神による創造だと信じられていた一部がホモ・サピエンスの手によって再生産されるようになりました。つまりホモ・サピエンスは地球上の生物の1種に過ぎなかったものが植物や動物を支配して管理し、搾取することができるようになったのです。即ち、これまでホモ・サピエンスが信じていた神の領域に足を踏み入れたことになります。ここでは有神論宗教主義という考え方が出てきて神を頂点にその神に近い人たちが特権階級に形成するようになったと言います。この農業革命によって人類は定住して、子孫を多く増やすことができるようになりました。しかし、ハラリ氏は、それが良いことかも含めてそれ以外は全く良いことは無かったと言います。農耕を行うには労働が伴います。家畜も餌を与えるなどの日々の作業が発生します。収穫時には重労働となることもあったようです。狩猟採取の生活では労働は長くは無く収穫すると終わりですが、農業は労働がずっと続き人類にとって大きな負担になったと言います。ハラリ氏は、移動生活⇒定住生活に変化したことで人口が増え、人類は穀物の奴隷になってしまったと言います。

そして科学革命(500年前)によって虚構、フィクションを疑い始めました。神というフィクションに頼らず無知を潔く認め、実証主義による科学が発展しました。これまで神の成せる技だと思っていたものを科学でそのメカニズムを証明して自らが再現できるようになったことでこれまで以上に神の領域とされていたところへ人類が入り込んで行ったと言います。そして、科学の発達によって人類は神に変わって地球上の階層の頂上に立ったと思うようになったと言います。人間至上主義になりました。

著作「ホモ・デウス」では人類の未来の姿を語っています。本のタイトルのように人は神になると言うものです。ホモ=人、デウス=神ということです。

人類は、飢餓、疫病、戦争による多くの人が亡くなる問題を克服して来ました。科学技術の発達で今後、サイボーグのような体で不老不死の体を手に入れたり、幸せ成分を身体に直接注入して人工的に幸せを感じることすらも出来るようになりました。しかし、ここで人類は究極の悩みを持つようになったと言います。それはやっていいのかやってはダメなのか?の判断が人類は分からなくなったのです。これまで神や宗教で判断され信じられて来た人を殺してはいけない、ウソを吐いてはいけない、結婚は一夫一婦制でなければならないかなど科学的な根拠が無くてもそう信じられて来たことに対して判断出来なくなったと言います。なんでもできるようになったけれど人類はどうしても神のように決めてもらうものが必要だということが分かってきました。結局、人間至上主義で地球上のヒエラルキーのトップに人間が君臨することはできないと分かってきた。その人類に代わりデータがその座に座るとハラリ氏は予言します。つまりデータ至上主義の時代になると言うことです。

YouTuberが例として掲げていたのは、レストランを選び食事をする時、どうか美味しい食事でありますように!と神に祈る人はいません。友だちに訊くこともあるでしょうが、殆どの人が食べログなどのSNS上の情報や評価のデータを参考に選択する行動です。既に物事の判断をするためにデータを参照している時代になっていて、そのアルゴリズムやビッグ・データをカーナビにしてさまざまな分野に提供しているビッグ・テック企業が圧倒的な優位性を持つことになります。

データ至上主義の時代になるとデータが神になると言いましたが、実はそのデータを管理してAIを操作する極一部の人たちが神になることから著書名の「ホモ・デウス」が生まれたそうです。即ち、医療、AI ロボット技術が爆発的に発達していく中でデータ及びアルゴリズムを決める少数の人間が神になるということです。そして残りの大多数の人類は家畜として管理されることになるとハラリ氏は言います。

ここに来てやっとNWO(新世界秩序)を実現したいディープ・ステートの目標と一致した訳です。労働自体がロボットやAIにとって代わる時代に於いて食料、医療、教育を管理することで人類の家畜化を実現するということでしょう。ハラリ氏は自身はこの未来予想については実現して欲しくはないようです。その為には我々が何をしなければならないかを著書「21 Lessons 」に書いたそうです。

ざっくり言えば、「つくられたストーリーに踊ろされる側になるか、それとも自らストーリーを生み出す側になるか」そして瞑想により「自分を観察する」ことに言及しているようです。

刺激的な内容だと思います。

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