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エクアドル、キト警察学校での射撃体験

エクアドルは、南米の中では比較的治安は良い国です。大人しく真面目な国民性だと思います。一方で銃を使った犯罪もあります。基本的にそのような事件に遭遇したら犯人を刺激しないで従うことが鉄則です。しかし、銃の破壊力など全くの無知では恐怖心だけが募ることになります。

安全対策を担当してた私は、射撃の経験は一度だけグアテマラの取引相手の営業部長宅の裏庭(と言っても大きな山全部が自宅で通行人も居なければ隣近所の住人も居ない)でマグマム44を食事の後の余興で撃ったことがありました。しかし、銃を突きつけられたこともないので恐怖やそもそもその破壊力も知らなかったので、何かそのような事を学べる所は無いかと事務所の安全対策クラークに相談しました。すると警察学校で射撃教官を付けて1日の射撃体験の機会を設けてくれました。場所は、キト警察学校内の射撃訓練場、準備された銃は、回転式のリボルバー、自動拳銃、自動小銃、マグマム44、カービン銃(ライフル)、ショットガン他、銃弾は数百発分。まだ銃は色々あったと思いますが、印象に残ったのがこれらの銃です。

射撃場の的(標的)までの距離は約20mです。教官は、まず取り扱いについて、「銃は引き金(トリガー)を引かない限り絶対に弾を撃つ(発射される)ことは無い」と説明し、持ってた実弾入りの拳銃を宙に放り投げて地面に落としたり、投げて地面をコロコロ転がして見せました。こちらはビクビクしながら見てましたが、実際その様にできてるのだそうです。そして撃つ時は頭を真っ白にして集中する事を助言されました。射撃は、銃を地面にズラっと並べてある左端の回転式のリボルバーから始めるように助言されました。両手で構えて呼吸を整えて照準を合わせれば的に当たる。が、銃撃戦でそんなことはやってられないから10mくらいでは的に当たらない。ましてや片手で撃てばもっと当たらないことが分かる。自動拳銃も同じく、銃身が短いと命中精度はもっと落ちる。やはり5m以内の近距離でないと当たらない。

自動小銃は、1秒間に数発自動的に撃つので反動で銃口が上に跳ね上がっていく。タタタタタタって音がして気付くと銃口が空向いてる。脇と腕でしっかり押さえて引き金を引かないととんでもないところへ銃口が向く、慣れが必要。マグナム44は、反動が強すぎて連射などできない、腕の肘を少し伸ばして撃たないと危ない。映画ダーティーハリーのハリー・キャラハンが片手でバンバン撃ってるシーンを見ると簡単そうに見えるけど、強力な銃で人に向けるものでは無くクマとか鹿とかを撃つらしい。

カービン銃(ライフル)は、最も長い照準距離(400m)の相手を射止めることができるらしい。また、銃弾は体を抜ける時に花びらのように開く為、入り口は小さな傷でも弾の出口は大きく裂傷してしまうと言う。殺傷能力が一番高い銃だと。スナイパーなどが使うような銃。ケネディ元米国大統領暗殺に使われ、銃弾が抜けた頭部が吹き飛んでるのが映像で残ってます。

最後にショットガン(教官は別名マッチョだと言ってました)、ターミネーターがハーレーダビッドソンに乗って片手で運転しながらもう片方の手でこの銃を撃ちまくるシーンがありますが、あれはターミネーターだからできるのです(笑)。実は、教官がショットガンを最後にしたのには訳がありました。私が1発、ドガーンと撃ったら的(標的)が全部消えて無くなりました。影も形も無く粉々になったのです。これがその理由でした。最初に撃つとまた的を設置しないとならないから最後にしてたのです。スゲ〜しか言葉が出なかったです。ここで疑問が湧きました。ショットガンって何を狙うの?です。これは人に向けては使えないでしょう?と言うのが疑問。教官は、「その通り、これは人へは使えません。使うのは犯人が車で逃走してるような場面で車のエンジンを狙って撃ち抜き、エンジンを大破させる為です」と答えました。

良い体験になりました。教官曰く、「興奮したり息が上がった状態では、ほぼ的に当たる事はない」と言ってました。また、銃に慣れてない人は持っただけでドキドキしてくるので的に当たらないとの事です。犯罪に使われるのは、やはり小型の反動の少ない銃のようです。従って至近距離で狙うようです。

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