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イスラエルのアイアン・ドームの防御力 その5

あるYouTuberが今回のハマスの1500発にも及ぶロケット弾のテルアビブ攻撃を茶番だと言ってました。これを聞いた時に確かにそうかも知れないと思いました。と言うには、イスラエルの軍事力は世界トップクラスであることは良く知られていて、確かにアイアン・ドームの防御力は凄まじいものがあるけど迎撃したのは9割ですか?と正直思っていたからです。そのYoutuberは、そもそもハマスが拠点にしているガザ地区なんて365㎢の面積に200万人が生活しているような場所で、ロケット弾など発射させないようにするのはできるし電力を止めたりも直ぐにできるのにわざと撃たせて9割くらいを迎撃で破壊して郊外に向かったロケット弾は着弾させてイスラエル人の犠牲者を出してしまったと言ってました。

では、なぜそのようなわざと撃たせたかと言うと、イスラエルのネタニヤフ首相の求心力の低下を止め国民の危機感を煽って高めようとしていると言ってました。ネタニヤフは元軍人で強硬派と言われています。随分と前にたまたま私が出張でテルアビブの北にあるリゾート地区のホテルのカフェテリアでイスラエルのビジネス・パートナーとコーヒーを飲みながら話をしていると、そのパートナーが目で合図して「彼を知ってるか?」と訊かれて2〜3テーブル離れた所にネタニヤフが座っているところを見ました。そして彼に「CNNによく出てくる人だね、ネタニヤフだろ」と言うと「私は彼は好きではない」とそのイスラエル人は言ってました。どうもインテリ層のイスラエル人にはあまり人気が無いようでした。2000年か2001年頃ですから首相の座を降りて政界から退いた時期かも知れません。強硬派過ぎたのではと思います。それでも彼を見た時は奥さんに喫煙を咎められて消すように言われて、強面も頭が上がらないのだとそのパートナーと笑ったものでした。本人は米国MITとハーバード大学で政治学を学んでいるようなのですが、バリバリの強硬派のようです。その彼の支持率向上が背景にあるとそのYoutuberは分析してました。

でもどうでしょうか?軍隊が臨戦中にそのような手加減(郊外へ行くのは見逃す)すらも制御する余裕があるのかどうか分かりませんが、そのYouTuberが言うようにガザ地区は狭い場所なのでどのような武器が搬入されているのかもイスラエル軍は把握していると思いますからなぜ撃たせたかの疑問は残ります。郊外についてはもしかしたらアイアン・ドームの防御範囲を超えていたかも知れません。何れにしてもイスラエルは北はレバノンのテロ組織ヒズボラがミサイルを撃ち込んで来たりもするし、北東はシリアがあり常時臨戦態勢の国です。ネタニヤフ首相の求心力だけが理由ではないように思えます。

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