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ジャズ音楽の面白さ〜コード編 その5

マイナー・スケールはメジャー・スケールと違って少々ややこしいです。と言うのは3種類あるからです。一つは平行調で説明したナチュラル・マイナー・スケールです。2つ目のスケールは、ナチュラル・マイナー・スケールの短7度に♯を付けて長7度としたハーモニック・マイナー・スケールです。ナチュラル・マイナー・スケールでは短3度、短6度、短7度で、特に短7度から次のオクターブとのインターバルが全音であることから導音にならず、繋がりが弱いことを補うことができます。それとドミナント7のコードを作ることができます。例えば、Aマイナー・スケールのドミナントの位置のコードは、Em7です。ドミナント7のコードE7にするには短3度を長3度にしなければなりません。ハーモニック・マイナー・スケールの長7度のソ(G)がドミナント7の長3度になり明確なドミナント・コードを得ることができます。ジャズではハーモニック・マイナー・スケールが使われます。

そして3つ目のスケールは、ハーモニック・マイナー・スケールの短6度に♯を付けて長6度したものをメロディック・マイナー・スケールと呼びます。マイナー・スケールには、ナチュラル、ハーモニック、そしてメロディックの3種類があるのです。

コードのバリエーション(テンション)は、あるキーのダイアトニック・コードに更に9度、11度、13度を加えて作ります。Cメジャー・スケールのI△7では、4音部分はド(C:ルート)、ミ(E:長3度)、ソ(G:5度)、シ(B:長7度)で、これにオクターブ上のレ(D:9度)、ファ(F:11度)、ラ(A:13度)を重ねたものになります。ここで音の数が7つになりましたが、4声の部分をコード・トーンと呼び、9度から上はテンションと呼びます。テンションは音によってコード・トーンの上下半音になる音をアボイド・ノート(避ける音)と呼び弾きません。I△7の場合、テンションの11度がコード・トーンの長3度と半音関係になるので削除します。従って、I△7には9th、13thのテンションが使えることになります。これと同様にIIm7以降もテンションを加えてアボイド・ノートを確認してコード・トーンに追加することができます。

ダイアトニック・コードのコード・トーンにテンション9度、11度、13度を加えた7つの音をモード・スケールと呼びます。

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