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怪しい中南米スペイン語講座 歌詞解読編 その3"Deja vu" Prince Royce y Shakira

コロンビアの歌姫シャキーラとニューヨークのバチャータ歌手プリンス・ロイスのデュエット曲。なぜ彼らがコラボレーションしようと思ったかは分かりませんが、ラテン系の人は気が合う人は直ぐにピンとくるのだと思います。タイトルの”déjà-vu”(デジャヴ)は、フランス語由来の英語で「実際は一度も体験したことがないのに、既にどこからで体験したことのように感じる現象」と定義されているようです。

Ay ay ay ay ay ay ay
Ay ay ay ay ay ay ay

Tú me abriste las heridas que ya daba por curadas
(トゥ メ アブリステ ラス エリーダス ケ ヤ ダーバ ポル クラーダス)
Con limón, tequila y sal
(コン リモン、テキーラ イ サル)
Una historia repetida
(ウナ イストリア レぺティーダ)
Solamente un déjà vu que nunca llega a su final
(ソラメンテ ウン デジャブ ケ ヌンカ ジェガ ア ス フィナル)

Tú me abriste las heridas(あなたは私の傷を広げた)動詞abrir(アブリール:開く、開ける、広げる)の2人称単数過去形abristeの目的格 me ですが、傷を広げたことを私に対して行ったことになります。そして接続詞que以下で傷を広げた説明が続きます。que ya daba por curadas(もう既に治った)の形容詞curadas(治った)は、las heridas(傷)にかかっています。広げたやり方は、Con limón, tequila y sal(ライム、テキーラと塩)を動詞dar(ダール:与える)の線過去形dabaで、テキーラを飲んで昔の心の傷が蘇ったとの意味になります。注:テキーラにはライムと塩は必須です。 Una historia repetida(繰り返されるひとつの物語)、Solamente un déjà vu que nunca llega a su final(決して結末を迎えないただのデジャヴ)副詞solamente(単に、~だけ)、nunca(決して~ない)は良く使われる単語です。

Mejor me quedo solo
(メホール メ ケド ソロ)
Y me olvido de tus cosas, de tus ojos
(イ メ オルヴィド デ トゥス コサス、デ トゥス オホス)
Mejor esquivo el polvo
(メホール エスキヴォ エル ポルヴォ)
No quiero caer de nuevo en esa foto
(ノー キエロ カエール デ ヌエヴォ エン エッサ フォト)
De locura, hipocresía total
(デ ロクーラ、イポクレシア トタル)

形容詞 mejor(より良い、より好ましい)に続き、再帰動詞 quedarse(ケダールセ:留まる、居残る)の1人称単数現在形 me quedo(メ ケド)、形容詞 soloを副詞的(ひとりで)に使っています。で(一人でいた方がよい)の意味。Y(そして)に続けて再帰動詞 olvidarse(オルヴィダールセ:忘れる)、~についての意味 de の後に tus cosas(あなたのこと), de tus ojos(あなたの瞳)を忘れるとの意。更にMejorの後、動詞esquivar(エスキヴァール:避ける、かわす)の1人称単数現在形 esquivoで el polvo(埃、塵)、No quiero caer de nuevo(また転びたくない)、en esa foto(その写真の時のように)。De locura, hipocresía total(まったく錯乱と偽善のよう)と続けます。

¿Quién puede hablar del amor y defenderlo?
(キエン プエデ アブラール デル アモール イ デフェンデールロ)
Que levante la mano por favor
(ケ レバンテ ラ マノ ポル ファヴォール)
¿Quién puede hablar del dolor y pagar la fianza?
(キエン プエデ アブラール デル ドロール イ パガール ラ フィアンサ)
Pa' que salga de mi corazón
(パ ケ サルガ デ ミ コラソン)
Si alguien va a hablar del amor
(シ アルギエン ヴァ ア アブラール デル アモール)
Te lo aseguro, esa no voy a ser yo
(テ ロ アセグロ、セア ノー ヴォイ ア セール ヨ)
No, esa no voy a ser yo
(ノー、エッサ ノー ヴォイ ア セール ヨ)

疑問詞 quién(誰) の文¿Quién puede hablar del amor y defenderlo? (誰が愛とその擁護について話すことができますか?)動詞 poder(ポデール:することができる)は、この場合不定詞 hablar(話す)を伴って助動詞的に機能します。仮定的に接続詞 que を使ってQue levante la mano por favor(もしいるなら手を挙げてください)。動詞 levantar(レヴァンタール:上げる、持ち上げる)の接続法の3人称単数の動詞変化 levanteとなっています。そして同様に¿Quién puede hablar del dolor y pagar la fianza? (誰が苦痛を話し、担保を払うことができるできますか?)Pa' queは、para queを短縮した表現でque以下は接続法で(~するために)のような文章になります。動詞 salir(サリール:出る、出ていく)接続法3人称単数変化形 salgaに続き de mi corazón(私の心から)となります。接続詞 Si(もし~ならば)と代名詞 alguien(アルギエン:誰か)、未来形[ ir a 不定詞]の形で va a hablar del amor(もし誰かが愛について語るならば)、Te lo aseguro(あなたにそれを保証する)、 esa no voy a ser yo(それは私ではないでしょう)、No, esa no voy a ser yo(いいえ、それは私ではないでしょう)。

Esta idea recurrente
(エスタ イデア レクレンタ)
Quiere jugar con mi mente pa' volverme a engatusar
(キエレ フガール コン ミ メンテ パ ヴォルヴェールメ ア エンガトゥサール)
Una historia repetida
(ウナ イストリア レぺティーダ)
Solamente un déjà vu que nunca llega a su final
(ソラメンテ ウン デジャヴ ケ ヌンカ ジェガ ア ス フィナル)

Esta idea recurrente(循環するこの考えは)、Quiere jugar con mi mente(私の知性をもてあそぶ)、pa' はpara の省略、動詞 volver(ヴォルヴェール:変える)pa' volverme a engatusar(口車に乗るように私を変えるため)。

Mejor me quedo sola
Y me olvido de tus cosas, de…

この歌は意味が分かりにくいですが、多分傷付いた過去が無いにも拘らず、思い出して一人が良いと決め込んで、誰が愛を保証してくれると問いかけているような歌だと思います。しかし、シャキーラの歌の上手さが際立ちます。

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