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三つの飛行機事故が同時に発生した日

出張で上海に滞在中、当時からテレビで流れるニュースは検閲されていたので常時短波ラジオから情報を得ていました。やはりVOA(ヴォイス・オブ・アメリカ)とBBCは世界のどこでも受信でき出張中は大変役立ちました。アジアでは、時間帯が限定されますがラジオ・ジャパンも受信できますが、VOAとBBCは圧倒的でした。

その日、短波ラジオから西安発の旅客機が上空で大破、墜落したと聞こえてきました。多くの乗客はイタリア人観光客だと、、。慌てて、同行している香港人を呼んで確認すると、「いや、飛行機事故は香港空港でドラゴン・エアーが着陸時に滑走路をオーバーランして海に機首から突っ込んだんだよ」と、まったく違うことを言い出した。別の同行者は、「いや、北京発の広州行きフライトがハイジャックされて台北に行ったんだよ」と、、。どれが一体本当のことか分からなくなりましたが、、どうやら全部同日に発生したことが分かりました。

次の日、広州へ移動する飛行機は主翼の周りに乗客をぎっしり座らせて、機体の前方と後方は空席になってました。なんでこんな座り方するのかとキョロキョロ周りの中国人の顔を見ていると皆神妙な表情で無言でした。西安のニュースは流れてないはずだけど、皆知ってたんだと思います。

広州に到着して北京から移動してきた同僚と再会すると、昨日のハイジャックされた便に搭乗してたようで、中国人から「昨日は、台北に行ったんだよね?」とからかわれてました。知らぬが仏とは言いますが、やはり正確なニュースを得る大切さを気付かされます。

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