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開高健、プロの作家は凄い!

芥川賞作家としての彼の文学作品は、まともに読んだことはありませんが、釣り紀行「オーパ!」「オーパ、オーパ!」は愛読書です。「オーパ!」の後に別の出版社で「もっと広く!南北両アメリカ大陸縦断紀 南米編」と「もっと遠く!南北両アメリカ大陸縦断紀 北米編」を書いてます。

「もっと広く!南米編」を読むと当時ペルーのリマ在住日系人、ルイス・マツフジ氏に強く誘われて計画したことが書かれています(第5章ゴッドファーザー)。ルイス・マツフジ、通称ドン・ルーチョは、当時は知る人ぞ知る有名人で、兎に角桁外れに豪快な人だったようです。残念ながら一度もお会いすることができませんでしたが、その弟さんのカルロスさん(ペルー、イキトス)、その下の弟ホルヘさん(パナマ)にはお会いすることはできました。

その何年か後に「オーパ!」と同じ出版社から「オーパ、オーパ!」を次々に出してます。写真は、オーバ!同様に高橋昇氏です。オーパ!で、開高健、高橋昇はコンビを組んで色々なところで釣りをしてそれを本にしてます。釣り写真は、素晴らしいの言葉しかありません。

開高健の「オーパ!」は、読んだ人は分かると思いますが、兎に角好奇心を掻き立てられます。舞台はアマゾン川ですので、釣り師にとっては天国です。小職は、ペルーのアマゾン川沿いの街(イキトス)に約2年ほど住んでましたから、アマゾン川がどんな川かジャングルがどんなところかはある程度想像できます(広過ぎてとてもじゃ無いけど知ってるなんて言えない)。書店には、アマゾン紀行に関する書籍が結構並んでます。中には、10年以上住んでたと言う日本人が著者だったりもします。しかし、どれも中をちょっと読むと退屈してしまいます。表現なのかイメージできることが余りにも少ないのか、全くアマゾンが表現されていません。

一方、開高健の文章は素晴らしい。読んでて「そうだそうだ、アマゾンってそうなんだよな〜」ってな具合に実際に住んでた人間も唸らせます。その上、また行きたくさせます。彼は、きっと見た瞬間にその場や人々の雰囲気を表面的な描写だけではなく、その場に居れば感じるだろう気持ちもうまく描写してると思います。この内面の描写力が他の多くのアマゾン本を書いた著者達より圧倒的に優れています。開高健、流石です。

「オーパ!」初版から既に40年もの時間が過ぎてますが、色褪せませんね。残念なのは、この本の完成度が高過ぎて、他の作家がチャレンジできないことかもしれません。因みに「オーパ!」と「オーパ、オーパ‼︎ アラスカ至上編 コスタリカ編」がおすすめです。

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