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チチカカ湖、タキーレ島の思い出

タキーレ島は、世界最高地にある淡水のチチカカ湖(標高3800m)にある1つの島です。良くTVで紹介される葦でできた浮島(ウロス族)とは異なり、岩盤でできた島です。今は、どうか分かりませんが、私が訪れた時(1988年頃)は当然電気も水道もありませんでした。

タキーレ島に行くには、チチカカ湖沿いにあるプーノと言う街の船着場からタキーレ!タキーレ!と叫んでる船頭を見つけ船に乗せてもらえば行けます。途中、お約束のウロス族の浮島によって民芸品を買ってもらうようになっています。葦の浮島は、水深の浅い場所(湾内)にあり、それなりに厚みがあるので全体的に沈んで浸水が進むと乾いた葦を被せて踏み固めて保守を繰り返しているような島です。

タキーレ島の船着場には村人が待ち構えています。島にはホテルなどありませんから村人の家に泊めてもらうのです。村のリーダーのような人が、船から降りてくる旅行者1人1人に貴方はこの人について行けと、村人を割り当てられます。もうここからはスペイン語は通じません。ケチュア語かアイマラ語なのでしょうが、全く分かりません。

この島の平地と言える場所は、学校か集会所の前の広場だけ。そこには食堂があり食事はそこでします。基本、目玉焼きと湖で取れた小さな淡水魚をソテーしたものにジャガイモかご飯が付く。一つの皿に盛ってある。広場には小さなバレーボールのコートがあるので子供たちが遊んでいます。彼らは外国人の旅行者を見るとバレーボールのゲームをしようと誘ってきます。旅行者がそれに応じるとチームを作って対戦してビールを賭けようと言います。旅行者は、その辺から集まり6人くらいで1チーム、子供たちも1チームで試合をします。

ビールを子供が賭けるってことも誰も不思議がらずにバレーボールに熱中して、第一セットはだいたい旅行者の圧勝です。ここで油断するのが旅行者です。第二セットが始まると途端に動きが鈍くなります。高山による酸欠で体が動きません。子供たちは、どんどん得点をマークして第二セットを取り、その勢いで第三セットへ行きます。私は中学校の時にやってたバレーボールを思い出し、ボールを拾い続けましたが、周りの旅行者もバテバテで結局、旅行者チームが負けてしまいます。そしてビール代を払うことになります。ただそのビールはどうやら子供達から彼らの親へのプレゼントだったようです。そこでやっと気付くのです、彼らはいつもこのパターンで旅行者からビール代を稼いでたなと、なんとも微笑ましい子供たちです。なぜか子供たちの目が綺麗なのにはヤラレます。

夜は寝るだけですが、暇つぶしのつもりで島の一番高い丘に座って夜空を観て腰を抜かしました。信じられない程の星の数、夜空一面が星だらけでまるでプラネタリウムです。視界のぐるっと360度その丘よりも高く遮るものは無く、その上は全部星だらけの夜空です。満点の星空とはよく言ったもので、こんなに空が隙間なく星で埋まっていると思いもよらなかったです。昼間の広大なチチカカ湖の眺めも素晴らしいですが、夜空の星は圧巻です。いい思い出になりました。

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