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ナスカの地上絵を空から眺める

ナスカの地上絵は、1920年にペルー航空のパイロットが砂漠の中に十字の線を発見したのが最初と言われています。地上絵が描かれたのは紀元前200年から紀元後800年のナスカ文化の時代だとほぼ確定されているそうです。

ナスカは、首都のリマから南へ約447㎞ほどに位置しています。街は小さく郊外の荒野に地上絵があるのでそれほど街が観光化されることもないのでしょう。地上絵を見るには、昔から展望台へ上って観る方法とセスナ機に搭乗して空から観る方法があります。最近、高さ20mのTorre Mirador de Nasca(ナスカ展望タワー)ができたと原田慶子さんの「ペルーなひととき」https://www.keikoharada.com/の記事で知りました。日本から1000万円の寄付で建てられたそうです。

私が訪れたのは多分1988年頃、セスナ機の遊覧は40分で200米ドルくらいしてました。バックパッカーには高額過ぎて、パイロットに「僕は観光客じゃなくてペルーに居住しているんだけど、外国人向け観光客料金を請求しないで欲しい」と言うと、「分かった、ちょっと待ってて後3名観光客が乗れば20米ドルでいいから」と言ってくれました。この辺がペルーだなあと思います。しっかり3名が乗り込み、パイロットは目で合図をくれてセスナ機に乗り込みました。

空からの眺めは流石に気持ちがいいものですが、当時でも線が曖昧な絵も多々あり、さるだ!アリだ!と言われれは「そうだそうだ」と気付く感じでした。現在では、当時の何倍もの面積に絵が描かれているようですから、遊覧飛行の範囲も広がっていると思われます。

ナスカに住み着いて地上絵の謎解きと保護を生涯続けた数学者のマリア・ライヒェ(1903年~1996年)が有名でした。私の知人が当時、彼女に直接会って謎について質問したと話してくれましたが、まだ全く分からないと言われたそうです。それから時が過ぎて近年では山形大学の研究で色々解明されるとともに新たな地上絵も発見されています。2012年10月30日にはナスカ市にナスカ研究所を開所したそうです。実は、ペルーの考古学の世界では日本人研究者の貢献が多くあります。

私が訪問した当時のナスカ市は、気付かずに通り過ぎてしまいそうなほど小さな街でした。近年、やっと自分たちの土地が黄金でできていると気付いたペルーは観光資源開発と保護に力を入れています。僭越ですが、30年前から気付いてたと言いたいですね。Viva Peru!

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