僕の友人が結婚するまで

先日、友人Sの結婚式に出席した。
友人Sは僕と妻が出会ったグループで一緒に出会ったメンバーの1人で、僕らの結婚式にも主賓で出席してもらうくらい大事な友人だ。
今回はその時のことを書こうと思う。

元を辿れば、僕らの結婚式が終わって一か月ほど経った頃。
慶弔休暇を取り、もうすぐ新婚旅行を控えた夜にSからのLINE通知が来た。

『こんばんは!この前は素敵な結婚式お疲れさま!』
僕(時間がちょっと経って落ち着いた所で連絡くれるの律儀だな)
『実は・・・この度結婚することになりました!!!!』








ん????????????????????????



結婚???????????????????????



誰と???????????????????????



Sとは僕らが結婚する半年ほど前に、結婚おめでとう飲み会をひっそりと開いてもらっていたがその時には特に何も言っておらず、それ以外でもなかなか連絡を取っていなかったので、Sに恋人がいたことすらも知らなかったので妻共々大変驚いた。
聞けば恋人がいたことは僕らの仲間内では誰にも話していなかったようで、本当に寝耳に水だった。
僕と妻は驚きと共に冷蔵庫に取っておいたビールとおつまみで慶びを共有した。

Sが結婚、、、、、感慨深かった。
僕から見たSは昔から優しかったが、優しすぎるというか意見をあまり強く言えない印象があった。
そんなSが一人の女性ときちんとお付き合いして向き合って、人生を共にする決断をしてプロポーズしたことを想像した。大変な勇気だ。
上から目線かもしれないけど、男としての成長を感じた。


それからは披露宴の招待状がいつ来るかいつ来るかと心待ちにし、ふとした時に当日の喜びを想像して、胸がグッと締めつけられた。


迎えた当日。
今まで多くの友人の結婚式に招待してもらったけど、連絡を貰ってからこんなに心待ちにしたことはなかった。
これまでが楽しみじゃなかったなんてことはもちろんないんだけど、自分が結婚して、結婚する人の気持ちがより分かるようになったからだと思う。
自分の人生の門出に大好きな人たちが集まってくれる喜びは、代えがきかない喜びの1つだと思った。


挙式が始まり、新郎が入場する。
緊張しているんだろうから表情は硬かったが、時折見知った笑顔を見せていた。
新婦も入場すると引き締まった顔つきになり、男らしい表情になっていた。
こういう顔が見たかったんだ。
披露宴では2人の共通の趣味である「映画」の要素がふんだんに盛り込まれていて、それもまた新郎新婦の結婚式に懸ける思いや2人の仲睦まじさ、友人を大切に思う気持ちが感じ取られてキュンキュンさせてくれた。
乾杯の挨拶では、職場の上司から普段の仕事ぶりや職場での振る舞いと言った知らない一面が紹介され、いつも彼らしく真面目に頑張っている様子が見てとれた。
僕が一番気になっていた馴れ初めや普段の付き合い方なんかもプロフィールムービーで紹介され、彼がプロポーズした時は彼女は嬉しくて泣いてしまったらしく、それだけで「僕(ら)の大事な友人をそんなに好きでいてくれて・・・」と涙腺が緩んだ。

披露宴を通して、彼は年上らしく新婦をリードするかっこいい男になっていたけど、ケーキカットの2人の空気の場面では今まで見たこともないような笑顔を見せていた。
本当に幸せそうで「もう何も心配いらないな、おめでとう」と心から嬉しかった。


素敵な結婚式を終えて、振り返る。
僕らが知らなかった彼がたくさんあった。
職場での彼、学生時代の友人との彼。家族との彼。
もちろん全てを知ることはできないけど、彼に限らず、身近の友人のことをもっと知りたいなと思った。
どんな町に住んでいて、どんな生活をしていて、どんな仕事をしていて、家族はどうで、どんなことを考えているのか。もっとちゃんと分かりたくなった。


そんなことを思わせてくれる、素敵な結婚式でした。
末永くお幸せにね。

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