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ひとりがたり「この世は地獄」

  長い地獄のトンネルを抜けるとまたしても地獄だった。

 現世に生きていると、そのように感じる瞬間が多々あります。底辺校を脱出したはずが、また愚痴とコンプレックスの吹きだまりだったり。運命的な恋に落ちたと思ったら、相手が借金持ちのモラル崩壊している人間だったり。結婚して幸せになったかと思えば、旦那が密かに120万円もの奨学金未返済を隠していたり。初めて出会った時、羽根が見えた相手と結婚したのに、流産した時に役に立たず、離婚をしたらうっかり銀行のカードを渡したままで、全財産をパクられたり。天使の羽根ではなく悪魔の羽根だったという……(フォロワーさん説)

 念のため、これらは最初を除いてすべて私の話ではありません。

 ゴールした! と思ったら「はい! まだ42.195キロあるよ!」と言われて愕然とすることってありますよね。ない? それは幸せな無知ですね。(毒)

 とにかく、この世には差別、カースト、対人関係の問題、個人が持つそれぞれのコンプレックスがあります。他人から見ると針の穴のような問題も、当人にとっては巨大な欠損感です。それに付き合うとこれまた地獄を見るのですが。

 2018年は各種ハラスメント、体育会系の暴力、女性差別が白日のもとに晒される機会が多く、いい世の中になったな、と個人的には感じました。
 逆に「男山根」に象徴される「言葉が通じない宇宙人」の存在を知ることにもなり、頭痛を感じた人もいるのでは……。

 とは言え、人はきちんと生きて、きちんと死なねばなりません。それは「正しく」ではなく「なんとかかんとか、生まれてきた限りは死ぬ」をやらねばならないことなのです。
「綺麗に死ねる」と言うことはほぼないな、とこの歳になると様々な場面で痛感させられます。
 また、死ねないほうが苦しいな、と甲状腺癌除去後の約1年半の寝たきり期間、感じていました。
 知人いわく「その間、瞑想していたようなもんだよね」
 そうかもしれません。
 瞑想は、ひらめきやインスピレーションをくれるわけではないようです。体験談として、瞑想中、嫌な父のことばかりを考えてしまう人がいたと聞き及びました。

 動けないと、脳の海馬が活発に動きます。過去を振り返り「あの時、ああ言っておけばよかった」「ああしておけばよかった」から「殺しておけばよかった」「殴っておけばよかった」と過激な思考へ変遷し、それを朝から晩まで、時には夢の中まで繰り返していました。
 ところが体が動かないので、殺しに行きたくてもいけないわけです。これ、なんて言う地獄? いや、行かなくてよかった。刑務所に入ったら映画も見に行けない。(そこ?)

 おかげさまで、この9月から外出もできるようになりました。世界はまぶしかった。暑かった。高校生らしきカップルがいちゃついたり、けんかをしていたりしていた。最初にひとりきりで出かけて観た映画が「銀魂2 掟は破るためにある」だったのは微妙です。柳楽優弥さんのトッシーが観たくて頑張りました。柳楽さん、ありがとう。

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 映画の出来としては「ワーナーと集英社とサンライズがイケメンを使い、札束で顔をぶったたいてくる」「アニメのパクリ」「中村勘九郎さんが、アニメ版の千葉進歩さんの役作りをそっくり真似ている」「コスプレ映画として最高」という感想しかありません。

 次回作は「柳生編」をお願いします。

 病気をしたから私は生まれ変わった。とは言えませんし、言いたくありません。その程度で変わるなら、その辺に転がっている雑誌の隅にある似非スピリチュアル体験談と同じだからです。

 ただ、もうやりたくないことはしない、言いたいことは我慢しないだろうとは感じています。自分を抑圧するものとは常に戦っていくでしょう。

 その一方で、この地獄のような現世を生き抜くためには、自分がおかしくなるか、何か愛するものを作るかが適しているな、と思い至った次第です。
 ですが、人や猫、犬、命あるものは死ぬので、揺らがないものを求めたほうがいいでしょう。
 そこで引用したいのが杉本亜未「ファンタジウム」の言葉です。「人は裏切るけれど、芸術は裏切らない」
 仕事や勉強、芸術は「人から認められよう」とすると裏切ることがありますが、「人」を介さなければ裏切ることはありません。
 それぞれに抱く芸術の解釈はあるでしょうが、千年、万年の時を経た芸術、2.5次元舞台、アニメ、ゲームetcに縋ってもいいのではないでしょうか。

 力説しておきたいのは、やはり腐った人間として「萌え」は大切だなと。 

 アイドル、芸能人への「萌え」もいいですが、彼らは人間なので、麻薬で捕まったり、引退したり、死んだりもします。
 ただ、二次創作による所謂「生存if」などもあるので、そこは救いでしょう。すなわち「萌え」=「妄想」こそ、この地獄をできるだけ楽しく生き抜く手段なのです。「萌え」で苦難を乗り越えている人のなんと多いことか。
できれば、その「妄想」を作品にしていただきたい。できれば、それを享受したい。
 なので、瞑想や似非スピリチュアルに頼って大金を払うくらいなら、お手軽に妄想する訓練をし、そして萌える対象を見つけることをおすすめします。

 そして「薄い本」も出してください。別に200Pもあるような本でもいいんですよ。(クレカを出しながら)

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