F2Lを捨てよ

この記事はSpeedcubing Advent Calendar 2019の21日目の記事です。
20日目の記事はK•八幡さんの「【CSP】スクエアのパリティについて」です。あの謎すぎたCale式を日本で初めて解説しているらしい。(頭弱いので僕はやらなかったです。)
22日目の記事はほかさんの「pyra top first発展」です。

今回、僕が書くのはどうしてもFBでF2LをしてしまうRouxerに向けた記事になっています。
昔、F2Lを学んだ時に手数のかかるものを学習して、効率のいい方法を覚えてもなかなかスイッチ出来ずに苦しんだ覚えがありますが、FBもF2Lの考える癖、および手癖が抜けるのが非常にかかると思います。この記事はそういった癖が抜けれるよう手順をまとめたので参考にしてもらえれば幸いです。(自分の健忘録のためにも書いています。)

トップRouxerにとっては確認事項になります。
Roux全般に関することは前の日にルーメソ君がいい記事を書いてあるはずなのでそちらを参考にしてください。

FirstBlock(FB)とは

画像1

First Block(FB)とは、RouxMethodにおける最初のステップであり、CFOPで言うところのクロスです。
左手側のL面に3x2x1のブロックを作ります。
クロスと違い、エッジ3個、コーナー2個、センター1個あるので量としては多めです。

前書き

そもそも揃えるだけならFBはCFOPと同様にF2LのようにDLエッジを入れてやればいいんです。なぜそれをしてはいけないかというと手数がかかりすぎるからです。F2Lだけだとおそらく+10手くらいにはなるんじゃないでしょうか。

作り方は「自由」。どんな作り方でもいいです。効率を追求して、コンスタントに10手以内で作れるようになればOKです。引用: かそきゅーぶ

効率を追求して10手以内。簡単そうで難しいですが、これを一つの指針にすると良いかと思います。

当然CFOPのクロスと同じくすべてのパターンは説明しきれません。
ただいくつか参考になるサンプルを出していきたいと思います。

パターン

※ 生成する際はリバースしてください。リバースとはD L' D'ならD L D'とすると元の状態にできるということです。

いくつかのパターンを紹介します。

D L' D'

はじめはLDエッジを崩しちゃだめだという認識だと思いますが、ブロックをつくるためには自由に動かしてしまいましょう。それで世界がかなり広がると思います。

r' B' ( r B', r2 B' など )

F2LでいうところのI型をLBスロットに入れています。センターはずれても問題ないです。2層回したくさん使いましょう。

D U' R' D'

キーホールもどきです。こういうDを使ってコーナーを入れるものはよく出るので押さえておきましょう。

D U' M D'

エッジもキーホールのようにいれることもできます。これは意外に盲点だったりします。

E M' E'

センターも入れれます。当然といえば当然ですが、認識はしておいてください。

U' R2 F

当たり前といえば当たり前なんですが、はじめのうちはどうしてもFDをU面にあげたりしてしまいがちですが、ただしくペアリングしましょう。

l U' r U L'
(UF反転時は L U M2 U' L')

CFOPだとやっかいなこのパターンもこのように2層回しが使えるので楽に処理できます。この時rをする際にM'としないほうが手順が回しやすくなります。FBはM列をなるべく使わないよう意識するといいかもしれません。
ちなみにUFが反転してるときはL U M2 U' L'でできます。

R u R2' u' 

という入れ方も出来ます。ケースバイケースで対応して使ってください。どっちもよく使います。でも2層回しそんなに速くないかもしれないですね。という疑問が湧けばこれを使う必要もないです。考えてください。

M U M' F'
M U' R2' F
U2 M2 U2 R' F
U2 M2 U R' F
M2' U' R B'

いくつかサンプルを出しましたがM列を使いペアリングします。手数は減るはずです。DFもしくはDBにエッジを運びうまくペアリングすると手数がぐっと減ると思うので色々試行錯誤して考えてみてください。

r' U' R' F

このパターンはr'で代用ができるので先述した通りMはやめましょう。

自由とはいえ…

自由なブロッキングとはいえ気をつけないといけないこともあります。
最初のうちによくやりがちですが、例を出したいと思います。

画像3

この場合は、(緑F面です)

M U' R' F

で揃えると思います。ではこのようにU2されている時はどうしますか?

画像4

もしかしてM' U' MのようにしてI型を作っていませんか?
そのように解くと

M' U' M U2 r' F

と6手もかかってしまいます。これは良くないですね。自由だからといって無理にすると手数が多くかかってしまいます。U2 M U' R' Fして1手減らせる方が効率的だと思いませんか?正直どっちでも良いと思う人はいると思います。でもMを2回あったり手数以上の差はあるように感じます。

ではこの場合はどうでしょうか?

画像5

M U M' F'

お気づきかと思いますが、このパターンの場合はU2した場所でI型を生成しても手数に差がありません。おそらく手順の回し具合もほとんど差はないでしょう。いろいろ他にも試してみてください。

実践編

R2 B R2 B2 D' U2 F2 D F2 L2 F2 D F2 R' B U' L D2 L' D F

まず初めにU面F面以外でセンターと同色のエッジがくっついてる、もしくはF2LでいうI型になっているものを探します。F面に緑、R面に赤、B面に青がありますね。そこからブロッキングするとやりやすそうです。

ここではまずy z2 した位置から初めましょう。

U' D' R' D'

すると2x2x1ができそうですね。ここまでは読めると思います。
ここでU面にあるLBスロット側のペアを見てみましょう。BUR+LUのペアですね。
ここで先程の動きをしてもU'の動きしか影響を受けないことが見て取れます。ですので先程の動きをしたあとにU'した形が残ります。
あ、だかといって、読めたと思って残りをM U2 M'とかしてI型に持っていったりしないでくださいね。

M2 U2 R2 B'

が最適な解になると思います。

次はスライスムーブを使ってみます。

B2 D2 R' B2 F2 R' U2 R' F2 R2 B2 D' B R' U2 B L' U B' F'
z x U' R' E' R U' M2 B'

E'も使うとシュッとしますね。もちろんE'を使わずにu U'でも良いと思います。考えてみてください。

またキーホールのようにコーナーだけを入れていくこともあります。

L2 D R2 U L2 R2 F2 U' L2 U' L2 D F' U' L D B D B R2 F'
y x' B' L2 D2 U' R D

これはL面に中層一列揃えることで気づけます。
これはラッキーの部類ですね…。見つけたら狙っていきましょう。

閑話

そういえば

M列はどうしても必要な場合を除き、無闇に回さないようにしましょう。頑張って可能な限りRrUD系を中心に処理しましょう。 引用: rouxing

ルーメソくんがこう書いてるのにこの記事はかなりM列使ってるじゃないかと思われた方も多いと思います。
書かれている「無闇に回さないようにしましょう。」という言葉の度合いは初学者の人には分からないと思います。
だからといって鵜呑するのか、それともM列やE列も使ってみるのか。そこに大きな差があるように感じます。
先人のキューバーが歩んだ道でも再度歩まないと分からないこともあると思います。

もちろんすべて理解して歩み直せとは言いませんが、「なぜダメなのか」「なぜ正しいのか」をまず自分で考える癖をつけてください。まずは問題点の解決に至る仮説を立てて、一次情報をとにかく集めてください。それから検証して実行しましょう。決して闇雲に情報を受け取りそれを正だと考えるのはやめましょう。

ここでも実際M列を使ってほんとうに指のスピードが落ちるか、またはそれでも手数が短い方が速いのか検証すべきです。
特にRouxは解法自体が自由度が高く一次情報を集めて検証するところに面白さがあるとも思っています。

1年前Asatoくんがブログで同じことを書いてますね。まさにこのことです。

キューブはただ解くだけでも楽しいものですが、もっと自分で考えて、解法の改善や新たな発見があったなら、より刺激的で面白いものになるはずです。車輪の再発明でもかまいません。理解の伴わない丸暗記よりよっぽどマシです。

今後に向けて

FBを読めない時が多いと思いますが、FBを読むことに練習時間をかならず割くとよいでしょう。どうしても意識せずに練習すると読まずに開始したりとかしてしまうので、大変だと思いますが必ず読む癖をつけましょう。
その際、インスペクションの時間は気にせず練習するのも有益です。

ここで有名RouxerのKian、Alex、Sean等で検索するとRouxの解法が出てくるので、参考にしましょう。僕はいつも見ています。非常に有意義です。

またこちらにRouxのFacebookグループがありますので気になる方は加入してみてはいかがでしょうか。(英語です)

FBが読めないということはクロスが読めないと同じことなのでタイムが落ちる主要因になります。いつでも読めるような訓練をしていきましょう。

謝辞

AdventCalendarも年々クオリティが上がっており驚くばかりです。
毎年、たくさんの方に参加していただきありがとうございます。
企画者として嬉しい限りです。

来年度もキューブ界隈の皆様よろしくお願いします。よいお年を。

私が知っているのは、自分が無知だということだけだ。 - ソクラテス 

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