このnoteで使用される用語集2022

以前ははてなブログに載せていた用語集もnoteにお引っ越しです。その際に内容を今風に少し修正しました。

底辺歯科大学(底辺歯学部)

 深刻な国家試験合格率、定員割れ、40以下の偏差値、高い留年率を複数満たす大学を指します。国家試験合格率が悪ければ受験生も集まらず、それでもある程度学生は埋めないと経営が成り立たないため偏差値が低くても入学させざるを得ません。当然学生の質は悪く、留年休学退学等で最初にいたはずのクラスメートも何割かがいなくなります。経営的に厳しいので教官数も削減され臨床教育研究に関する力もがた落ち。少ない学生数から国試に受かりさらに条件の悪い大学に残ろう、などという人はさらに少ないわけで悪いスパイラルは進行し続ける、という悪循環。ただし、一発逆転しつつある大学もあり世の中何が起こるかは分からないところです。全て満たした場合、それはもう最底辺歯科大学と呼ぶしかありません。

表の合格率(見かけの合格率)

厚生労働省や多くの予備校、ネット等で見ることができる歯科医師国家試験の合格率。

表の合格率=合格者数/受験者数

大学側の宣伝でも用いられる数字ですが、いくらでも操作可能な数字なのでこれを全面的に信用すると痛い目を見る可能性があるので注意が必要です。

厚労省は受験者数と出願者数を併記していますが、一部の予備校では出願者数を敢えて外した合格率の表を採用しており、大事なお客様である大学側への配慮がうかがえます。

補正合格率

 私立大学の半数以上は6年生で大量に留年(または後述の卒業保留)させているため、国家試験を受験できるのは元々の60~70%程度の人数になっています。そのためあまり留年させていない大学と多量に留年させた大学の表の合格率を比較するのは無理があります。そこで補正合格率を用いて各大学を評価するようになりました。

補正合格率=合格者数/出願者数

出願者数は厚労省が数年前より発表しており、各大学の6年生のほぼ実数と考えられることから表の合格率に対してこちらの方が真の合格率であり、出願者数と受験者数の差が留年や卒業保留の人数と考えられてきました。実際、他のサイトや雑誌などで真の合格率という名称でこの補正合格率が掲載されています。

しかし複数の大学では国家試験の出願締め切り寸前で大量に留年させることによってこの合格率さえも操作する様になったことが確認されており、もはや真の合格率と呼ぶことは出来なくなったため、当ブログでは補正合格率と呼ぶことになりました。

補正合格率を偽装している大学は各学年の定員数と実際の出願者数に大きな解離が認められる事が多いです。

闇の合格率

 補正合格率も偽装できるようになってしまったため、進級当時の6年生の数を使用して計算する合格率が最もその大学の合格率を直接的に表す物と考えられます。6年生の5月時点の数を多くの大学では公表していますが、公表していない大学も結構ありブラインドされた数字になっています。公表していない大学は総合大学が多く、他の学部と一緒にして学部全体の数字は出しているが、各学年の在籍数は公表していません。

 闇の合格率=合格者数/進級当時の6年生の数

 当ブログでは110回から闇の合格率を発表するようになりましたが、卒業システムが非常に複雑な大学があり入手した情報と実際の受験者数の数が上手く合わなかったケースが認められました。そのためあくまで参考値扱いです。

出願前留年(休学)

 11月末が国試の出願時期なんですが、その直前までに一度進級判定をしてしまえば、落ちた人は国試出願すらできなくなります。これにより大学は出願者数を圧縮して補正合格率を偽装できます。11月に留年が決まった場合、他の学生はまだ卒業レースをしているのに自分はすでに蚊帳の外なので当然大学に非常に行きづらくなります。教室には来ちゃ駄目、という大学もあるらしいです。そこで現実逃避して4月までロングバケーションしてしまうと完全に奈落に落ちる可能性が高くなりますよっと。

 11月にハードルをクリアした学生も残念だがまた1月に最終の試験があったりしてそこで討ち死する人も多いです。まあ信長の野望的にいうと11月にやられたのが姉小路家で1月が里見家ぐらいのイメージ。

卒業保留(延期)

 6年生が溢れた特定の私立大学で不定期に行われています。6年生で卒業はさせるが国家試験受験は認めないという状況となります。中間~やや下位ぐらいの成績の学生に適応されます。国家試験を受験させないために国家試験当日に追加の卒業試験を行う事が多いです。これを受験しなければ卒業できないため国家試験を受験することはできません。学生はそのまま浪人生ということになります。

大学側としては表の合格率を下げずに6年生を減らす事ができます。しかし浪人生の合格率は現役よりかなり悪い事から、次年度以降の現役浪人を合わせたトータルの合格率は低下します。

6年ストレート合格(率)

大学に入学し1回も留年休学せずに卒業してそのまま国家試験に受かる事(またはその率)。大学受験する人が読むと何だ、当たり前じゃないかと思うかもしれませんが、底辺私立大学ではストレート合格できる確率は30%台が当たり前で50%以上でかなり優秀。つまり半分はどっかでドロップします。某大学は13%という鬼の様な数字を弾き出してしまいました。普通に6年で歯科医師になることがもう超エリートコースみたいになっているわけですが、まあ異常というしかありません。国公立歯学部の場合、各大学で必ず医学部の仮面浪人が存在するため、数%は絶対に下がるようです。

留年商法

 意図しているのか意図していないのかわからないが大量留年や休学で学費を稼いでしまう私立大学のやり方。私立大学では多い所で全学生の35%以上が留年や休学経験者となります。

留学生商法

 学生のある程度の割合を他国からの留学生でまかなうこと。多い大学で25%~30%ほどが留学生となります。日本で国家試験に受かった後に母国に帰る学生が殆どのため、日本での歯科医師削減に寄与している、というポジティブな考えもできます。ただし、実際どれぐらい留学生が日本の国試に受かっているかはわかりません。また、日本の税金が彼らの為に使われている?と考えるとなんか微妙な気もしますね。

定員詐欺

 私立歯科大学は定員と募集人員と2つの数字を有しています。歯科医師過剰により定員削減が求められた私立大学は、定員から人数をある程度削減した募集人員を現在の定員として採用しています。最近は大都市圏の大学において厳格な定員の運用を求められている、はずですが、サイトには定員の数字を上手く使い、あたかもこれだけ入学枠があるように見せかけているようにしか思えない大学もあります。

 募集人員通りの人数を入学させたとしても、そこから大量留年がありますので、各学年の人数がすべて募集人員を大幅に超えた数になってしまう大学があります。それでも定員の方の数字を分母に使うので収容率は100%を越えずあたかも定員削減守ってます的な感じに数字を上手く使ってるんですよね。これも留年商法に一役買ってる気がします。

編入再入学

 歯科大学で留年や休学を繰り返して在籍年数が足りなくなったり成績不良で退学後に予備校の復学コースなどを経て他歯科大学の3年ぐらいに編入すること。大学間で単位認定が異なる事から5,6年生から2,3年生になって再度やり直しというパターンになる事が多いようです。

 それでまた6年で退学にならないのかしら?そしたらそこまで幾らかかったのかしら?なんて他人は考えてしまうのですが、本人家族は歯科医なる気満々でそういう事は考えないのか、考えない様にしてるのか・・・。聞いたところによると、編入した同期20名でストレートに国試に受かったのは1名だけとか、そういう修羅の道が待っているようです。正直異世界転生した際のチート補正がかからないと厳しいと思います。

ゾンビ復学

 一旦退学になったが、予備校の復学コースなどを経て再度同じ大学に復帰すること。高学年で除籍になる学生数の増加により、大学側が特例で特殊な試験に通れば期限付きで6年生からの復帰を認める場合もあるようです。大学によっては5年生からという所もあるようです。まさにゾンビのような復活。流石に後がない事と試験のハードルが高いため復帰できれば国試に合格する人が多い・・・・らしいです。

 勿論だが、復学に必要な試験はかなりハードルが高いらしいので、予備校の復学コースに何年も通っている学生もいるらしいです。抜け出せなければ完全な沼で、無職期間が単純に延長されるだけなのでリスクはかなり高いです。

リセット休学

 歯科大学は最大12年までですが、最近ではトータル12年までいかなくても1学年は2回までなどのルールがある大学も多くなっています。1学年2回までルールなら6年生で1留するともう後がなく卒業or退学しかありません。ただし、1学期で休学すればその年の分は完全にノーカウントになる大学もあるらしいです。勿論ですが、学費は休学しても全額ではないがある程度かかります。6年生の1学期に最底辺層に休学勧告をして2学期にすすめないようにする大学もあるようです。それにより国試の出願者を減らすことができます。休学期間に予備校に行けば、さらにお金がかかるという親泣かせなシステムです。

三十路多浪

 歯科大学はなんとか出たものの一向に国家試験に受からず三十路を越えた人達。大幅にボーダーに足りないわけではないが、常にどっかの領域や必修の点数が微妙に足りず浪人契約を自分の意思に反して延長してしまいます。本人としては惜しい!惜しい!という思いから受験し続けるわけですが、気付いた頃には合格率10%以下の多浪ゾーンに突入し、毎年ガチャを引く形になります。これは人生ギャンブルがすぎます。

 万が一合格しても長らく臨床から離れていたため全く手が動かず、大学の先生や外研修の開業医の先生に冷ややかな目線を送られるだけでなく、同僚の研修歯科医達、さらに開業医の衛生士や助手からもカーストが下と認識されてしまう事も多いです。

 しかし、この人達はまだ卒業できているから、まだいいのかもしれません。10代で入学したにもかかわらず30手前になってもまだ卒業できない人も沢山います。ただし、卒業できず除籍になっていたらこうは浪人地獄におちいることもなかったかもしれません。・・・歯医者を諦めない限り延々と地獄が続きます。

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