【コックニーの表現を覚えよう!】

以前イギリスには地方によってたくさんの訛りがあるというお話をしたかと思います。その中で少しご紹介した “Cockney”(コックニー)に注目して、今回はご紹介したいと思います。

そもそもコックニーとはロンドンのイースト・エンド出身の人々の訛りです。コックニーは非常に特徴のある訛りを持っていて、いわばロンドンの下町言葉のようなものなんですね!また、コックニーには “Cockney Rhyming Slang” と呼ばれるものがあり、これはある語句に類似した韻を踏んでいる別の語句に置き換えて話すというコックニー特有のものです。発端は諸説あるのですが、犯罪者が警察にバレないように、若者は大人にバレないようになど、ある意味暗号のようなかたちで使われ広まっていったとも言われています。今回は、そんな “Cockney Rhyming Slang” の代表的なものをいくつかご紹介したいと思います!


  1.  Dog and Bone=Phone

みなさんいきなり “I’m on the dog and bone.” と言われても意味がわかりませんよね?「犬と骨?一体何の話だ?」ということになると思いますが、実はこれはコックニーでは “phone” つまり「電話」の意味なんです。したがって、先ほどのセンテンスの意味は「今電話中だよ。」ということになるんです。これは、boneとphoneが韻を踏んでいるので、このように使われているわけです。どうですか?これが “Cockney Rhyming Slang” です!


2.  China Plate=Mate

次はこちらです。イギリスでの友人の呼びかけとして一般的なのは “mate” であるというお話をどこかでさせていただいたかと思います。アメリカでは “buddy” などが一般的ですね。こちらもコックニーでは韻を踏んで “China plate” と言います。 “Hi, my China plate.” みたいな感じですね!ちなみにここから派生して、古い友達のことを “my old China” と言ったりします。こちらはもはや韻を踏んでさえいないですね...。ちなみにここでいう “China” とは「陶磁器」のことです。


3.  Pork Pies=Lies

イギリス人はパイが好きなのでしょうか?私はあまり知らないのですが、たしかにロンドンが舞台の『スウィーニー・トッド』という映画でもパイ屋が出てきましたよね。そんなこともあってか “Pork pies” という言葉がコックニーでは使用されています。これは “lies”(嘘)のことですね。 “I will never tell you pork pies.” のような感じでしょうか。正直知らないと全く意味がわかりませんよね。たしかに暗号の役目を果たしていたのかもしれません!


4.  Apple and Pears=Stairs

“Take the apple and pears!” なんて言われても、リンゴと梨を探したりしないでくださいね!これは “Stairs” つまり「階段」のことを言っているんです。紛らわしいにもほどがありますね。


5.  Ruby Murray=Curry

コックニーでは人の名前も使ってしまいます!Ruby Murray は、北アイルランド出身の歌手で、1950年代には非常に人気があったそうです。そんな彼女もイースト・エンドの人の間では「カレー」になってしまいました...。

いかがでしたか?今回は “Cockney Rhyming Slang” についてご紹介しました!日本人の私たちからすると、ダジャレのようでなんだか面白くないですか?英語にもダジャレがあったんですね!この “Cockney Rhyming Slang” に関しては辞書があるほど膨大な数のスラングがあると言われています。もし、みなさんもロンドン出身の方と話す機会があったら、ぜひさりげなく使ってみてください!きっとロンドンの方であればわかってくれると思います!

ちなみに、コックニーは近年では「かっこいい」という理由で若者たちの間で流行っているようなのですが、イースト・エンド出身ではない人が話すコックニーは “mock”(偽物)を文字って “Mockney” と呼ばれています。関西圏じゃない人が話す関西弁のようなものでしょうか?いずれにせよ、英語は本当に奥が深いですね!ぜひみなさんもお気に入りのスラングを見つけてみてください!


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